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米国を操る影の支配者の本音はどこにあるのか 

平成30年1月28日

 

 

25日,米国の影の支配者と言われるキッシンジャー元国務長官が,米国上院の公聴会で次のように語ったと日本語版AFP通信が報じている。

 

「北朝鮮が世界の安全保障に対する最も差し迫った脅威で、同国の非核化が米外交政策の「欠かせない」達成目標である」と。

 

この「欠かせない」という日本語訳は気になる。発言が「Core interests」,すなわち,「核心的利益」を意味するとしたら,米国は本気で北朝鮮をつぶしにかかる可能性があるからである。

 

何が「核心的利益」かは国によって当然異なる。たとえば,中国の核心的利益のひとつに,尖閣諸島問題がある。国が核心的とみなす利益を他国によって侵害された場合,理屈や理性を超えてそれを何とかしようと試みる。そこに妥協が入り込む余地はない。。

 

AFP通信の原文が見当たらないので,他のメディア報道で発言の原文をネットで探したところ,幾つかのメディアで見つけることができた。以下は,ジャパンタイムスからの引用だが,それによると,キッシンジャーは,正確には次のように述べたものと思われる。

 

Denuclearization of North Korea must be a fundamental goal.

 

直訳すると,「北朝鮮の非核化は,基本的な目標でなければならない」ではないだろうか。これがAFPの翻訳で「欠かせない目標」に変わった。無意味に挑発的な翻訳だと思うが,私が懸念した「 core basis goal=核心的な目標」ではないようなので,ひとまず安心である。

 

さらに,同氏は続けて,軍事的オプションに消極的な意見を述べている。これを日本のメディアがどのように伝えるのか興味深い。だが,この箇所は安倍官邸に忖度して無視されるだろう。

 

日本語訳をどうするかは,お互い誤解を招きかねないので,報道機関は細心の注意を払わなければならない。最近では,トランプがある国をshithole」と発言したが,これを日本のメディアは「肥だめのような国」「便所のような国」と伝えていた。なかなかうまい訳だと思う。

 

少なくとも,某国メディアの「尻の穴国家」「睾丸国家」よりは的確な表現である。「尻の穴」「睾丸」と言われてもなんだか意味がよくわからない。

 

「核心的利益」の話に戻るが,シリア情勢がまたややこしくなってきた。トルコがクルド人民兵組織、人民防衛部隊(YPG)を排除するために,シリア北西部で大規模な軍事作戦を展開しているからである。

 

これについて,米国が例によって口を挟んできている。だが,トルコのエルドアン大統領は,今のところ一歩も引く構えを見せていない。

 

クルドの勢力拡大阻止は,トルコの核心的利益であり,米国にとやかく言われる問題ではないからである。トルコは絶対に引き下がらないだろう。

 

だが,このことによって米国とトルコの軍事衝突が現実味を帯びてきた。ただ,軍事衝突が起こったとしても,小競り合い程度に留まると思われるので,紛争は限定的なものになるだろう。が,起きないに越したことはない。

 

そこで米国の一応同盟国である日本の出番である。安倍総理はトランプにこう言うべきだ。

 

「ドナルドよ。シリアやトルコの問題に米国の出る幕はないよ。あそこにはISもほとんどいなくなったし,あなた方は速やかに出て行った方がいい」。

 

「米軍はシリアにまだ数千人の兵士を残しているようだが,米軍が表に出てくると,ただでさえ複雑な中東情勢がますますややこしくなってくるんじゃないか」

 

「そもそもアレッポやラッカから,IS兵士や彼らの家族を意図的に逃がしたのは米国じゃないのか」

 

「最近は,イランへのいやがらせもひどくなってきたな。日本はイランと事を構える気は全くないので,その点ははっきりさせておくよ。イスラエルの首都移転の話もそうだが,あえて中東をかき乱すあなた方の本音はどこにあるんだ?」と。

 

忠犬の安倍総理がもちろんこのような正論をいえるはずはない。

 

なお,米国が,IS兵士や彼らの家族を,ISの拠点から意図的に逃がしたというのは,今月号の「選択」という雑誌に詳しく書かれているので,興味のある方はぜひそちらをごらんいただきたく思う。




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