敵基地攻撃能力保有に賛成する国民は保険料や税金を今の倍以上喜んで支払え
2023年1月8日
昨年12月27日、岸田首相は報道番組で
「国民に(防衛費増税のための税)負担をお願いするスタートの時期はこれから決定するわけだが、それまでには(衆院)選挙はあると思う」と述べた。
だが、1月8日のNHK番組では、解散総選挙について「適切な時期に」と表現を変えた。
彼の言う「適切な時期」とはいつか。
結論から言えば、最も早ければ、今年6月解散、7月総選挙と予測する。以下、理由を述べる。
岸田首相の自民党総裁任期は2024年9月までである。
それまでに政権浮揚の材料が一つでもあれば、総裁選後の岸田体制で選挙を勝負するという選択肢もありうるが、現状1ミリも明るい材料がみつからない。
そうなると、岸田が勝負に出るタイミングとして最も遅い時期として考えられるのは、総裁選前の来年6、7月である。
総裁選に出れば自分が負ける可能性があるからである。
一方、多数自民議員としては、支持率低空飛行の状況で増税の具体的時期まで決めた後に解散総選挙突入というのは勘弁願いたいというのが本音だろう。
そうとなれば、来年の年頭早々に解散総選挙、というのも考えにくい。増税の具体的開始時期決定は今年末ごろになると予想されるからである。
当落線上の多数自民議員は、今年末以降、今以上に政権がボロボロになる前に総選挙を済ませておきたいと考えていてもおかしくない。
4月には統一地方選と2,3の衆院補選が控えているが、ここで自公政権にとって想定以上に芳しくない結果になれば、その後の政局の動きは加速化していくことになる。
中央政界の野党は相変わらずふにゃふにゃのまま、となれば、
最も早くて5月のG7広島サミット後に、周囲にけしかけられるように岸田が解散を表明する可能性を否定できない。
この早い時期の選挙なら、目を引くような新しい野党が出てくる可能性も低いし、既存の野党も今のようなまとまりがないままであることもほぼ間違いない。
そうとなれば、今年の上半期に岸田が勝負に出ることも可能性として十分ありうる、と、以上が理由である。
ところで、この早いタイミングで総選挙を行って、既存の野党で議席を伸ばしそうなのは良し悪しは別として、勢いがある参政党、さらにこのところ低迷している共産党になるのではと予測する。
本ブログ的には共産党に注目したい。この党のスタンスを貫けば、今の岸田を攻撃する材料はいくらでもあるはずである。
そこで、まずは、こどもをダシにして、あらゆる領域での増税を企む卑劣な岸田という男を徹底的に攻撃してほしい。
その上で政策批判である。中でもやはり防衛費増大とその増税がターゲットになる。
世論調査で、国民の過半数以上が敵基地攻撃能力の保有を是認しているからといって怯んではならない。以下に述べるように、これを否定するのが人として正しい道である。
今年元旦、ウクライナは、東部のドネツク州のロシア軍の拠点を攻撃し、ロシア側に89人の死者が出たとロシア国防省が発表した。
この件について、、同州の新ロシア派の元幹部は、「大勢の兵士がルールを破ってウクライナ軍の射程圏内で個人の携帯電話を使用し、その電波が探知されたことが(攻撃を受けた)主な原因だ」と言っていたが、
このような単純な理由がすべてではないだろう。今回のウクライナ戦争では、はっきりしたわかったのは、ロシアの軍事力の脆弱性である。
もちろんロシアにも最新の兵器は山ほどある。だが、あまりにも危険すぎる兵器を多数保有していても、実際の戦場ではおいそれとは使えない。
相手を焼け野原にして絶滅させるのが侵攻の目的ではないからである。
だから、戦争開始の当初は、兵站と戦車が中心という第二次世界大戦さながらの戦いになった。それでもプーチンは、1週間もあれば片が付くと考えていたようだが、うまくいかなかった。
米国のマクサーテクノロジーズ社が提供する「ワールドビュー」という衛星写真画像は、ロシア軍の一挙手一投足の動きを秒単位で捉えることができる。
もちろんこの会社だけではなく、多くの民間衛星オペレーターがウクライナに対して、細かな軍事情報を提供している。
今のロシアにこのような技術があるかといったらノーである。ロシアに軍事力を提供するイランは、近年宇宙軍事開発で後れを取っているので、ロシアに有益な情報を提供する能力は今のところ保有していない。
今回ロシアがウクライナに予想以上に苦戦している最大の原因は、情報戦で西側に後塵を拝しているからに他ならない。
米国防省によると、米の宇宙軍事予算は、日本円で7兆円弱である。そして、日本政府が想定している最大の「仮想敵国」中国は、1兆5千億円程度となっている。(日本は5500億円弱)
だが、昨年6月に発表された同省の年次報告では、「2032年までには、宇宙軍事分野で中国が米国を追い抜くだろう」との観測が示されている。
台湾有事で想定される第1弾の攻撃は、中国が日米の衛星を地上からのレーザー攻撃で破壊してしまうことである。
その混乱に乗じて、米軍が沖縄本土から来る前に、電撃的に一気に台湾海峡を封鎖してしまう、と。台湾周辺の軍事力は中国が日本を圧倒的に上回っているので、日本は太刀打ちできない。
石垣島、宮古島、与那国島には戦車や弾薬庫はあっても、中国を想定した「巨大な」軍事力があるわけでもないし、それを置く具体的な計画もない。
日本が本気で敵基地攻撃能力を保有しようというのなら、これら島々に莫大な軍事予算を投下しなければならないだろう(たとえば、中国本土に届く対艦ミサイルを開発してそれを置くとか)
2022年10月、中国は「夢天」が打ち上げられ、これにより独自の宇宙ステーション「天宮」が完成した。(正式名称は中国宇宙ステーション)
中国は軍事目的を否定しているが、もちろん信じられない。むしろ、主たる目的は軍事であると考えるべきだろう。
国際宇宙ステーション(ISS)は、2030年までに運用が中止される予定もあるので、そうなると、それ以降当面の間、中国が宇宙空間を支配することになる。
宇宙を支配する者がこれからの戦争を制する。日本が米中並みに本気で敵基地攻撃能力を保有するというなら、
5年で43兆円増、GDP2パーセントではとても足りない。その倍以上、100兆円の予算が必要だろう。
敵基地攻撃能力保有に賛成だが、防衛費は払いたくないという理屈は通らなくなる。
中国に攻撃される前に、日本は敵基地攻撃能力保有の第1歩として、重要な衛星の周りに、その衛星を守るための「ボディガード衛星」を配備しなければならない。
敵基地攻撃能力保有に賛成の国民は、衛星を攻撃から守るために、今の保険料支払いが毎月倍になっても文句を言う資格はないだろう。
こちらが軍備を増強すれば、相手は負けじとこちら以上にさらに軍備を増強する。つまり、国民の防衛費増税負担に終着点はない。
敵基地攻撃能力保有に賛成に賛成する国民は、まず、国の決算剰余金の存在や財政投融資特別会計の資金など、国の基本的な財政構造を勉強する必要がある。
その上で「国防のためなら喜んで税金を払う」というのなら、勝手に払うがよい。私は1円も払いたくない。
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