心霊現象や都市伝説よりも今後日本で起ころうとしている事実を知るほうが恐ろしい
2022年12月25日
今年7月8日、山上徹也は安倍晋三を銃撃して殺害した。
現行犯逮捕された山上は2日後に送検され、その約2週間後の7月25日に鑑定留置の名の下に、裁判にもかけられずに、最短来年1月10日まで幽閉されることが決まっている
銃撃事件は政界と統一教会の癒着問題というパンドラの箱を開けた。だが、8月に本ブログは、「この問題は11月ごろになればいったん落ち着くだろう」との予測を記述した。
読みが外れた原因は後述するとして、検察、官邸もおそらく同じ見立てをしていたと思われる。検察が鑑定留置の期限を当初11月29日までと設定したのがその理由である。
テレビで元検事やら鑑定人らが、鑑定留置の期間は一般に4ヶ月間なので11月末ごろまでの期限設定は当たり前であるかのような発言をしていたが違うだろう。
山上は取調べで黙秘権を行使せず、犯行を認めて動機まで語っていた。
このような被疑者が、起訴前に鑑定留置で4ヶ月間も勾留されるなど私は聞いたことがない。(結局来年1月10日まで延長が決まっている。この間実に半年間弱にも及ぶ)。
そもそも4ヶ月どころか、山上には当初から鑑定など必要ない(なかった)はずである。
自分で銃を製作し、演説予定まで調べた上で計画的に行動に及んだ男に精神鑑定など不要なことは明らかではないか(ある意味おかしい奴だと言えなくもないが)
山上よりも、むしろ国会で100回以上もウソをついて平然としていた生前の被害者の方がよっぽど狂っている。
安倍の頭など今更どうでもよいとしても、検察は山上がまともな頭の持ち主であることは当初からわかっていたはずである。
だがら、逆に山上を恐れた(ている)と言えるのかしれない。山上が法廷で自民党に不都合な爆弾発言をするのではないか、と。(取調べで既にしている可能性もある)
鑑定医は、山上正常だとの診断をだいぶ前に終えていたようである。ところが、検察は長期の鑑定留置を正当化するために、ウソの情報をメディアに提供して山上の人格を貶める行動をとった。
何でも山上が、少年時代のある出来事から母親への不満を鑑定医に吐露し、そのことを確認するために鑑定医が鑑定留置の延長を望んでいる、とのデタラメ情報をメディアに提供していたという。
ところが、弁護団が山上と担当鑑定医に事情を確認したところ、両者ともストーリーそのものを否定したとのことである。検察の稚拙な情報操作は見事に失敗した。
この件で弁護団は奈良県警と奈良地検に対し、報道機関への捜査情報についての抗議文を送ったというが、率直に言えば、この3人の弁護団の活動は、全体として不十分である。
やる気があるのか、とまでは言いたくないが、本気で捜査当局や官邸と戦う気があるのなら、今後は教会問題の紀藤弁護士のように、良くも悪くも大メディアのテレビの露出を考えるべきである。
ところが、今までの活動を見る限り、世間へのアピールが足りない。
たとえば、12月に入っても教会問題が収まらなかったのは、2世信者と呼ばれる方がテレビなど大メディアを利用して世間に訴えていたからである。
本ブログがいい意味で収束期限の読みを誤ったのは、2世信者たちによる予想外の活発なアピール活動である。彼らがテレビの露出にしり込みしなかったのは正解だった(である)と思う。
24日から山上を題材にした映画の完全版が公開されている。鑑定留置は来年1月10日に終わる。
4月の地方統一選が終わるまで検察は政治的に勾留をずるずる引き延ばすだろうが、延長にも限界はあるので、夏あたりには否応なしに公判が開始されるはずである。
つまり山上問題はまだ始まったばかりというか、これからなのである。
事情によっては、自民党の更なる暗部が露呈されることになるだろう。すべては山上の言動次第なので、彼と彼の弁護団の気概に期待したい。
裁判がらみで、今後岸田政権の低支持率にさらに影響が及びそうなのは、スリランカ人のウィシュマ・サンダマリ氏が名古屋の入管施設で不当な扱いを受けて死亡したとして遺族が争っている国賠請求訴訟だろう。
この事件は、東京新聞が積極的に情報発信しているが、中でも注目は来年2月15日までには明らかにされるであろう5時間にも及ぶ監視カメラ映像の内容である。
国会では公開済みなので、議員らが上映中寝てなければノーカットですでに観ているはずである。だが、彼らが大メディアの前でその内容を詳細に語っている姿を未だ見たことがない。
私は入管の実態ややり口を知り尽くしているので観なくても内容の予測は付くのだが、できればみなさまのNHKに、5時間超の映像を3等分にして日中に放送していただきたいと願う。
国側がこれまでかたくなに提出を拒んでいた映像に何が映っているのか、日本国民は日本人の本性を映像で知ることになるはずである。
遺族側の弁護団の一人である指宿昭一弁護士は、労働事件分野の第一人者として有名だが、この件でも気合の入った活動を行っている。今後も我々の期待を裏切ることはないだろう。
映像の公開が政権の支持率に影響を及ぼすことは間違いないが、それも大メディアの今後の伝え方次第である。
ところで、心霊現象や都市伝説の類が好きな国民は多いと思う。だからテレビもこの手のジャンルを多く扱うし、視聴率も稼いでいる。
だが、山上やウィシュマ氏の件にしろ、日本で現在進行形で起こっている現実のインパクトと比べればたいした話ではない。そう言わざるをえないほど今の日本の現実は恐怖が支配している(しようとしている)。
たとえば、今回の防衛費増額の問題もそうである。NHKは18日、「来年度から5年間の防衛費をめぐり、防衛省は48兆円の要求を、財務省は30兆円台半ばに抑えたいとしていた」と伝える一方で、
「わずか10日間のうちに3度の(閣僚への)総理指示で、GDPの2パーセント、43兆円との道筋がつけられた」と言っている。
だが、財務省に開成出身の知人や親族関係が多いこともあり、岸田が生前の安倍以上に財務省寄りであることは周知の事実である。
それなのに、1人では何も決められないこの男がこのレベルの内容の指示を、しかもたった10日間でごり押しで決めて、かつ、財務省の抵抗もいまいちだったのは不思議ではないか。
ある意味都市伝説レベルの怪談だが、その類の話と違うのはこちらの方はリアルタイムで起こっていることなので説明がつくということである。
そもそも岸田が防衛費増に前のめりなのは、自民党の政治資金団体「国民政治協会」がNEC、日立製作所、三菱重工らの軍需産業から2億円超の政治献金を受けとるためという理由だけではない。
防衛省は、米国防省にあるような国防の研究機関の設立を計画している。2015年から大学や民間企業から研究テーマを募集し、
すでに水中内光線、宇宙からのレーザー光線などの試験研究を行っている。
ところで、国が民間企業や大学らに軍事研究を行わせるには、彼らに合法的に多額の資金提供を行う必要がある。
そのために、今年5月、甘利明が旗振り役となって、経済安全保障法が成立し、軍事研究資金の提供を容易にした。
菅義偉政権時代には、軍事研究に否定的な研究者6人を学術者会議から排除したが、このことも今回の文脈の流れで理解するとわかりやすい。
ただ、研究に否定的になるのも無理はない。防衛省が要求して内閣府がまとめたという支援対象技術は、自律型無人潜水機や生物兵器の開発などが研究テーマとなっている。
だが、日本は生物兵器禁止条約に批准しているはずである。それなのに、いくら予算目当てとはいえ、大学や民間企業がそもそもホイホイ受け入れるはずがない。
(正確には、内閣府、文科省、経産省が中心となって設立した研究開発ファンドが資金提供の役割を担うのだが、細かい事情説明はここでは割愛する)
いずれにせよ、財務省が防衛省の動きを警戒しているのは間違いないとしても、今回の防衛費増額のゴタゴタが示したように、財務省の力にも当然限界はある。
限界とは親分米国の存在である。
要するに、財務省は岸田ではなく、日米合同委員会で米国の指令があったから今回防衛増額に従ったということである。
18日のNHK報道を改めてウェブサイトで確認すると、このことがよくわかる。以下、「証拠」記事をピックアップすると、
「政府はアメリカの戦略文書との整合性を踏まえ、安全保障関連の3つの文書の体系や名称を見直しました」
「武力行使が起きた際に同盟国アメリカなどの支援を受けつつ、日本が責任を持って対処することなど、日本が目指すべき3つの「防衛目標」を設定し(以下略)」
「これ(本ブログ注:3文書中の中国の軍事力への懸念との記述部分)はアメリカの「国家安全保障戦略」の中で、中国の動きをアメリカ軍の抑止力の維持・強化にとって「対応を絶えず迫ってくる挑戦」と表現していることと足並みをそろえた形です。」
「北朝鮮の動向については、(中略)アメリカ本土を射程に含むICBM=大陸間弾道ミサイル級や変則軌道で飛行するミサイルなど新たな態様での発射を繰り返している(中略)」
「そして北朝鮮への対応などを念頭に安全保障面を含めて、日韓、日米韓3か国の戦略的な連携を強化するとしています。」
「アメリカの巡航ミサイル「トマホーク」をはじめとする外国製のミサイルの着実な導入も進めます。」
「与党協議では、日本が直接攻撃されていない、同盟国アメリカなどへの武力攻撃にも、集団的自衛権の行使として反撃能力を発動することも排除しないことを確認しました。」
(以上抜粋箇所)
これは一体どこの主権国家の話なのか。ニュース記事は3文書などの中身をただ要約して伝えているだけなのに、
アメリカ、アメリカとアメリカフレーズを連呼している。公式文書の中でこれだけ特定の他国の利益を忖度する国など世界的に見ても日本ぐらいだろう。
それともNHKが意図的に、皮肉を込めてこのような記事にまとめたのか。だとすれば、少し感心してしまうが、そうではないと思われる。
9日付の共同通信によると、防衛省は現在、ネット空間の世論操作活動を行う計画を企てているという。
インフルエンサーらのSNSなどを通じて
「防衛政策への支持を広げたり、有事で特定国への敵対心を醸成、国民の反戦・厭戦の機運を払拭したりするネット空間でのトレンドづくりを目標としている」とのことである。
一言で言えば、国による国民マインドコントロール計画である。
記事を書いた共同通信の記者は、入札に応じた三菱総研と落札したEYストラテジー社の両社に直接取材をして情報の裏を取っており、
さらに定例会見の質問で浜田防衛相をしどろもどろにさせていることからも、記事の信憑性は高いと断定できる。
大メディアが発信する情報ばかりに接している者たちには信じられない話だろうが、
山上の刑事手続きの件や入管施設の実態も含めて、今回書いたことははすべて現実に起こっている(起ころうとしている)ことである。
今回本ブログで書いた程度の内容を荒唐無稽な陰謀論呼ばわりしている国民が多いうちは、岸田政権も当分安泰だろう。
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