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吉本だけではない。中小企業ならどこでもやっている法的問題がある 

2019年7月27日

 


 

吉本興業関連の報道で,今指摘されている問題は,闇営業,吉本のコンプライアンス,政界との不適切な関係,の3点だが,

 

2点目のコンプライアンス面について言及したい。大小のメディアを問わず,法的に間違った報道が一部なされているので,まずそれを指摘したい。

 

そもそも吉本と芸人との契約は,労働契約なのか,業務委託契約なのかが問題である。

 

大崎会長は、「芸人、アーティスト、タレントとの契約は専属実演家契約。それを吉本の場合は口頭でやっている。民法上も、口頭で成立する」と述べている。

 

つまり,大崎氏は,労働契約ではなく,業務委託契約であると言っている。

 

これが事実なら,個人事業主の吉本芸人が闇営業なるものに手を染めていたとしても、契約内容にもよるが,会社に直接の全責任を問うのは難しい。

 

報道で伝えられている「パワハラ」云々は,業務委託契約で使う言葉ではない。この時点で,すでに各報道は誤っていることになる。

 

ところが,日本の芸能界事情に詳しいデ-ブスペクターが,ニューズウィークのインタビューで語ったところによると,

 

ギャラから何パーセントかを事務所が差し引いた額がタレントに支払われるという歩合制か、もしくはフラットな月給制だ。まだあまり売れていない人は月給が多いのだが、少し売れ始めると歩合になる。」

 

「例えば元アイドルが40代や60代になっても所属させたまま月給を払い続ける。つまり、恩返しとして一種の生活保護をしている。タレントにとっては失業保険になっている。」

 

とのことらしい,つまり,労働契約であることを示唆した語りとなっている。

 

こちらの方が事実なら,労働条件を書面で明示しない会社のやり方は,明らかに違法である。

 

そうなると,メディアで伝えられているパワハラの問題点が浮上してくることになってくるし,

 

会社に所属する従業員が,反社会勢力と営業行為を行っていたことになり,そのことを会社が知っていたのであれば,何らかの厳しい社会的処分を科されるのは当然ということになってくる。

 

大崎氏は会見で,「会社を通さない仕事は,僕が入社したときからあり,今もある」とも述べていたことから,

「従業員」が吉本に無断で,反社会勢力との仕事を行うことを,吉本は知りうる立場にあったことになる。

つまり,今回の一連の問題は,吉本に大きな法的ないし社会的責任があるものと言わざるを得ない。

仮に,業務委託契約と捉えても,今度は,下請法の書面交付義務違反や独禁法の優越的地位の濫用禁止違反の法的問題が出てくることから,

どう解釈しても,吉本は,法的責任を免れることなどできない。

吉本のような大企業でさえ,このようなアバウトな契約を何十年も常態的に続けていて,

しかもこれまで誰も訴えの申し立てをしない,公的機関も自発的に動く気配がない(それどころか安倍政権とズブズブの関係にある),という事実に,我々は驚く必要はない。

これが日本社会の現実だからである。違法,不法な状態が何年も続き,それをメディアが全く伝えない,国民も全く気が付かない,このような現象は,日本の部分社会のどこにでも起こっている。

今日のブログテーマが労働上の契約問題なので,この点に絞って述べていくが,

私が最近外国人から相談を受けるのは,バイトやパートの採用面接で,労働契約か,業務委託契約かの二者択一を会社が迫るケースの合法性についてである。

会社側からすれば,業務委託のほうが社会保険を負担しなくてすむし,「辞めてくれ」とも言いやすいので,業務委託を選択するように会社が誘導するケースが多いようである。

だが,どちらの契約によるかは,そもそも両者の話し合いや会社の判断で決まる事柄ではない。

会社が二者択一を迫るようなケースは,ほぼ100パーセント,本来は労働契約であると考えてよい。

本ブログは政治経済ブログなので,詳細は割愛するが,労働者側の事情で,社会保険を負担したくないなどの理由で,業務委託を結んだ方が都合のよい場合もあるだろう。

その場合は,契約書面で,たとえば,契約解除の条件を労働契約と同じようにするなどの特約条項を入れてもらうことが望ましい。

業務委託だと,有給休暇の概念はありえないが,この点も,有給という言葉を使うかどうかはともかく,できる限り労働契約に類似した契約内容を特約として盛り込むことが望まれる。

つまり,書面が重要になってくるということである。

この点,吉本のケースは,すべての契約が口頭によるというのだから,話にならない。

吉本に法的・社会的制裁が科されるべき時が来た,というべきである。




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