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安倍氏のもりかけ問題とトランプのロシア疑惑問題の違いとは 

2019年3月24日

 


 

3月23日,米国のロバートモラー特別検察官は,いわゆるロシアゲート疑惑の捜査結果をまとめた報告書をバー司法長官に機密文書として提出した。

 

争点は,

 

ロシアの米大統領選挙の干渉にトランプ陣営が関与していたかどうか

その捜査にトランプの妨害があったかどうかという司法妨害の有無

 

の2点だが,特に前者が大きな論点だろう。後者はうやむやにされて決着してしまう可能性が高いと思われるからである。

 

2017年1月,米国の3大諜報機関とされるCIA,FBI,NSAが作成した報告書には,

 

「我々の分析によると,米大統領選を標的とした2016年の世論誘導工作は,ロシアのプーチン大統領が指示したものと考えている(中略)。プーチンとロシア政府は,明らかにトランプ次期大統領に対する好感を示していた」と記されている。

 

2016年の米大統領選にロシアがトランプをアシストしたことは確定的な事実とみなしてよい。

 

問題は,そのアシストがロシアの片面的行動なのか,それともトランプ陣営との共謀によるものなのか,である。

 

主な調査対象として,マイケルフリン前大統領補佐官,ポールマナフォート元選挙対策本部長,マイケルコーエン元個人弁護士などが挙がっていたことから,

 

モラー検察官は,カネの流れの行方を調査して,真実を明らかにしていく捜査戦術を採用していたと推察される。

 

モラー検察官について,元CIA,NSA長官のマイケルへイデンは,「一徹で,生真面目で,やさしくて,それでいて原則を曲げない男」と称し,前FBI長官のジェームズコミーも,「米国のもっとも偉大なプロフェッショナルの1人」と評している。

 

コミーのような理性的でプロフェッショナルな男が絶賛しているのだから,モラーもなかなかの男なのだろう。

 

が,結論を言えば,そのモラーといえども本件は捜査困難な事例であり,トランプとロシアの共謀を裏付ける材料はみつからなかったのではないか。

 

そのように考える理由は2点。

 

「共謀 トランプとロシアをつなぐ黒い人脈とカネ ルークハーディング著」からの引用になるが,東側情報機関の記録によると,KGB(旧ソ連の国家保安委員会)は,1977年からトランプの調査を始めていたという。

 

即ち,ロシア(旧ソ連)は,40年以上も前からビジネスマンのトランプに近づき,さまざまな利益供与を図っていたことになる。

 

当然,ロシアはトランプのさまざまな弱みも握ることになる。この辺の事情は,英国秘密情報部(MI6)の元諜報員だったクリストファースティールの報告書に詳しい。

 

つまり,ロシア疑惑を本気で解明したいのなら,米国内や米国の人物だけを調査しても不十分だということである。証拠のほとんどはモスクワにあるので,モラーは調査対象をクレムリンにまで拡大すべきだったといえる。

 

そもそもプーチンはおろか,疑惑の主人公のトランプにすら捜査が及んでいないのだから

そのようなゆるい捜査で証拠など出てくるわけがない。

 

第2の理由は,百歩譲ってロシアを調査しても,元KGBのプーチンは簡単に尻尾を出すような男ではないということである。

 

たとえば,トランプが大統領に当選後,1ヶ月も経たない12月初旬に,プーチンは,ロシア最大の国有石油会社ロスネフチの株売却を発表した。ロシアは,この売却により102億ユーロの収入を得た。

 

買主は誰か。4分の3はわかっているが,残り4分の1の買主がわからない。欧米の諜報機関がいくら調べてもみつからなかったという。

 

おそらく,株取引を進めたロシア外国貿易銀行の取引先の一つであるケイマン諸島の企業から転々とオフシェア企業に流れていったと思われる。

 

それが最終的にトランプに行き着いた可能性はあるが,証拠はない。欧州のメディアによると,カネは回りまわって結局プーチンの懐に入ったのではと憶測しているが,その証拠はない。

 

このようにカネの流れ一つとっても複雑で調査は困難を極めるので,そこから確たる証拠など出てくるとは思えない。

 

以上の通り,ロシア疑惑でトランプが弾劾に追い込まれる可能性は低いと当ブログはみているが,トランプには他にも,弾劾事由に相当するうさんくさい疑惑がいくつかあるので,身分はまだ安泰とはいえないだろう。

 

翻って,安倍晋三氏のもりかけ疑惑も確たる証拠なく今日を迎えているが,ロシア疑惑問題とは2点違う。


1点は,日本の場合は,検察人事を安倍官邸が握っている都合から,検察が全く動こうとしないこと,

 

2点目は,「もりかけ問題に関わっていたら総理も国会議員も辞める」と啖呵を切っていた安倍氏が、関わりの証拠が白日の下に晒されているにもかかわらず,辞めるどころか,トランプと異なり,なぜか地位が安泰であること。

 

逆に,最近は4選などと周りがホラを吹いているのだから始末に終えない。

 

3点目をあえて言えば,疑惑問題を最大メディアのNHKが積極的に伝えなくなったこと,である。

 

米国のメディアもひどいが,日本の大メディアほど横並びで腐ってはいない。日本の場合は,そこが一番の問題だといえる。




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