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なぜ日本のメディア人は「質問」しないのか  

2019年3月8日

 


 

NHKは3月7日のニュースで,今年1月の景気動向指数が3か月連続で悪化しており,内閣府が基調判断を下向きに修正したことを伝えた。

 

ところがNHKは,その3日前の3月4日に,日銀の「景気,緩やかな回復続く」と伝えていたばかりだった。

 

3月7日,菅官房長官は,記者団の「景気は回復基調という判断に変わりはないか」との質問に対し、「変わらない」との政府見解を伝えていた。

 

この3点の報道のどれを我々国民は信用すればいいのだろうか。

 

これらの矛盾する報道を複数で垂れ流されても,情報の受け手である国民は混乱の極みに陥ってしまう。だからこそ,メディアは,政府に「質問」をして真実を追及していくべきなのである

 

それがメディアの役割ではないか。ところが,メディアの筆頭NHKがこの役割を放棄し,安倍政権に隷属した報道姿勢を貫くことを今なおやめようとしない。

 

3月5日夕方から,6日午前6時までのNHKで流されたニュースをチェックしたが,

トップニュースは,どれもゴーンの保釈決定で,それもかなりの時間を割いて伝えていた。

 

国会で野党が統計ねつ造問題などで役人らにそれなりの追及をしていても,国会論戦はお茶を濁した程度に伝えるに留まっていた。

 

だが,ゴーンの保釈決定など,メディアが思っているほど大多数国民は関心が薄いし,そもそも統計ねつ造問題を差し置いて,トップニュースを民間企業元トップの保釈決定に持ってくること自体,報道の優先順位として妥当ではない。

 

保釈決定後に,フランスのマクロン大統領が早々にコメントを寄せていたのなら話は別だが,そのような事実もない。日本政府もコメントを差し控えているぐらいだから,保釈決定が国際政治問題に拡大しているわけでもない。

 

国際世論の関心とやらも,日本のメディアが騒ぐほど広がりを見せているわけでもない。

 

それなのにNHKがゴーン問題を過大に扱う理由は,安倍内閣の不都合な事実を伝えたくないからである。ゴーン報道に時間を割けば,おのずと政治報道が減ることになる。それが狙いだと言ってよいだろう。

 

今の安倍内閣には,報道されたくない不都合な事実は山ほどある一方,支持率向上の材料となりうるニュースは探してもみつからない。

 

ないのなら,極力,安倍内閣がらみの不都合な報道をしなければいい。そのミッションを完遂するには,他の社会問題をダシに使えばいい,ということである。

 

百歩譲って,ゴーン問題を延々と伝えたいのなら,もう少し内容のある情報を流せないのかと言いたくなる。

 

ゴーンの弁護士を務める弘中氏のあいまいな言い分に,記者が「質問」しないから,ニュースを見ていてもわけがわからない。

 

弘中弁護士が記者に語った話によれば,保釈条件は,

 

(ゴーンは)東京都内の決められた住居に住み、出入口などには監視カメラを設置する」

 

「事件関係者と接触しない」

 

「海渡航は禁止。パスポートは弁護人が管理する」

 

「通信環境が制限されたパソコンや携帯を使う」。ネット,電子メールは禁止だが,携帯は通話のみ可能,とのことだが,

 

まず「東京都内の決められた住居」は,具体的に誰が場所を指定したのか。裁判所が決めたのか。検察が決めたのか。被告側に選択権があるのなら,東京都内であればどこでもいいのか。ならば,離島の,たとえば,小笠原諸島でもいいことにならないか。

 

「出入り口などに監視カメラを設置する」とのことだが,24時間監視体制で,誰が,どこで,どのように映像を見ているのか。

 

または,常時監視ではなく,録画だけしておいて,後日,たとえば検察が映像をチェックするということか。だとしたら,カメラ設置は,逃亡防止目的を果たすことができなくなって無意味ではないか。

 

「パスポートは弁護人が管理する」というが,被告代理人の立場の者に管理を委ねること自体問題だという裁判所の指摘はなかったのか。

 

「通信環境が制限されたパソコンや携帯」というが,それを言ってしまえば,すべての通信機器がそれに該当することにならないだろうか。

 

防衛省が保有している大量監視システム「エックスキースコア」を使えば,行政権力が電子メールはもちろん,すべての通話を狙い撃ちで傍受することも朝飯前だが,その点の懸念はどうなっているのか。

 

「事件関係者と接触しない」というが,逆に,「事件関係者」でなければ,携帯での通話は許されるとのことなので,それらの者たちを媒介して接触を試みることも可能にならないか,その点の指摘は受けなかったのか,などなど、、、。

 

なぜ記者は,これらの中の一つでも質問しないのか。マイクを持って相手の言い分を一方的に聞くだけなら小学生でもできることであろう。

 

もちろんメディアが質問を浴びせたところで,弁護士には回答する必要も義務もない。しかし,全く聞こうとしない姿勢がメディア人として問題なのである。

 

弁護士が回答を拒否したら,「回答拒否」したことをニュースで伝えれば言いだけのことである。

 

要領を得ない言い分に全く質問しない,反論しない,という日本の大メディアの人間どもは,根本的に精神構造を変える必要がある。

 

ところで話は変わるが,ゴーン保釈決定,先の米朝首脳会談の結果は,当ブログに拉致問題解決のヒントを与えてくれた。それを次回の当ブログで検討してみたいと思う。





 

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