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ゴーン逮捕を語るのに陰謀論を持ち出す必要はない 

平成30年11月25日

 


 

カルロス・ゴーン逮捕陰謀説を主張しているのはフランスメディアだけではない。日本の識者らの陰謀説を整理すると,大体次の3つに分けることができる。

 

まず1つは,ルノーと日産の統合を目指すルノー筆頭株主のフランス政府が,それに否定的なゴーンを排除するために仕組んだというフランス政府黒幕説である。

 

ゴーンの著書「カルロス・ゴーン 国境、組織、すべての枠を超える生き方[私の履歴書]

(日経新聞社刊)の88ページによると,

 

「人間のモチベーションを左右する最も重要なものは帰属意識だと思う。

日産の社員には日産の社員,ルノーの社員にはルノーの社員であることが重要であり,働く意欲の源泉になる」(引用終了)

 

著書によると,彼の望みが完全な統合関係にあらずなのは明白である。

 

彼とフランス政府との間に,大きな見解の隔たりがあったことは間違いない。

 

だが,このことだけで,今回の逮捕にフランス政府が関わっていると考えるのは十分ではない。

 

仮にフランス政府が関わっているとした場合,日本政府が仲介して検察を動かしたことになるが,では,日本政府は何の得があってフランス政府の要請に応じたのだろうか。

 

そこまで言及しなければ,この説は,根拠なき陰謀論の域を出ないのではないかと思われる。

 

2つ目は,日産のさらなる中国進出を許さない米国政府が仕掛けた米国政府陰謀説である。

 

この説は,中国市場で攻勢をかけている三菱自動車を傘下に置く日産と中国政府との,これ以上の深いコネクションを許さない米国が,中国市場のさらなる拡大を目指すゴーンを排除するために仕掛けたという主張である。

 

米国政府の命令があれば,日本政府は得があろうがなかろうが,親分の言う通りに動くしかないので,この点だけを見れば,フランス政府黒幕説よりは説得力がある。

 

だが,日産と米国の利害関係についてもう少し具体的に突っ込んだ説明がないとよくわからない。第1説よりも陰謀論的で説得力に乏しいといえる。

 

3つ目は,法務省のデータ改ざんなどの不都合な事実から国民の目をそらすために安倍政権が仕組んだという日本政府黒幕説である。

 

実際,ここ数日のテレビメディア報道空間は,ゴーン逮捕事案に占拠されており,安倍政権にとって不都合な報道はほぼ皆無となっている。

 

この説は,根拠は薄いが,最も信憑性が高いと筆者は見ている。改正入管法,改正水道法,改正漁業法の問題点,もりかけ事案,片山さつきの収賄疑惑,麻生太郎の舌禍など,

 

安倍政権を徹底的に追及すべき材料はいくらでもあるのに,NHKは伝えようとしない。


安倍政権の目論見通りに,改正入管法が27日に衆院通過すれば,この説が正しいということになるが,果たしてどうなるか。

 

ところで,ここまでゴーン逮捕の黒幕云々を延々と書いておきながら,矛盾を承知で言うが,はっきり言って,だれが黒幕だろうがどうでもいい。

 

ゴーンの逮捕容疑は,有価証券報告書の虚偽記載である。具体的には,

 

10~14年度の役員報酬約50億円の過小記載容疑

15~17年度の役員報酬約30億円の過少記載容疑

株価連動型の役員報酬約40億円の未記載

 

である。我々大多数の国民にとっては,それ以上でもそれ以下でもない。

 

これらが事実なら,今回の逮捕劇に,憶測だらけの黒幕云々も陰謀論も過剰なテレビメディア報道も必要ないのである。

 

テレビメディアは目を覚まして,着々と進行している安倍政権の日本破壊政策の具体的な内容と彼らが犯した(犯している)疑獄事件を報道すべきである。






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