FC2ブログ

背後に米国の影がちらつく徴用工判決問題 

平成30年11月4日

 

 


 

先日の当ブログで,韓国最高裁の徴用工判決は,安倍政権が日本国内でやっている司法権の侵害をムン政権が真似ただけであり,安倍政権に今回の判決を糾弾する資格はない旨書いた。

 

だが,その後,実態はもっと醜いことがわかった。

 

「日本の植民地支配による賠償問題は,1965年の日韓請求権協定で解決済み」というのが日本政府の言い分であり,日本国内の主要メディアも政府の主張に付和雷同しているが,

 

これが実はまゆつば物なのである。根拠は2点。

 

1つは,1965年,当時外相だった椎名悦三郎氏の国会での発言内容である。

 

椎名氏は当時,日本が韓国に提供した5億ドルは,韓国の賠償「請求」に基づいたものではなく,あくまでも日本の「経済協力」によるものだと発言している。

 

愛媛県の市民運動家である高井弘之氏が,労働運動情報サイトの「レイバーネット日本」に寄せている論文から以下,引用すると,

 

「・・経済協力の問題を進め、この問題が成立すればその随伴的効果として請求権は消滅する」(衆議院・外務委員会/1965319日)

 

「経済協力というのは純然たる経済協力ではなくて、これは賠償の意味を持っておるものだというように解釈する人があるのでありますが、法律上は、何らこの間に関係はございません。あくまで有償・無償5億ドルのこの経済協力は、経済協力でありまして、韓国の経済が繁栄するように、そういう気持ちを持って、また、新しい国の出発を祝うという点において、この経済協力を認めたのでございます。」(参議院本会議/1965年11月19日)(引用ここまで)

 

つまり,「経済協力と賠償は法的に別だが,経済協力したことによって,付随的効果として法的な請求権は消滅する。」というわけのわからない一方的な理屈で,日本政府は,韓国の請求権自体を認めなかったのである。

 

2つ目の根拠は,1991年8月27日,当時外務省条約局長でのちに外務次官となった柳井俊二氏の国会での発言である。以下,情報サイト「LITER」から引用すると,

 

両国間の請求権の問題は最終かつ完全に解決した”(日韓請求権協定第二条)の「意味」について、「日韓両国が国家として持っております外交保護権を相互に放棄したということ」として、「いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではございません」と答弁している。(引用ここまで)

 

これでは今になって,「請求権(賠償)問題は1965年に解決済み」とは胸を張って言うことはできない。

 

だが,もっと醜いのは,次の事実ではないか。これも上掲の「LITER」が取り上げているので,詳細を知りたい方はそちらをご覧いただきたいが,

 

2013年,新日鉄住金がソウル地裁の敗訴を受けて和解を検討していたにもかかわらず,菅官房長官らが反発し(2013年10月31日付京都新聞),

 

同年末に,日本政府が韓国に対して「和解に応じない」旨を伝えたという(2013年12月31日産経新聞)。

 

これが事実なら驚愕である。一体どこの世界に民間の訴訟方針に口出しする政府があるか。

 

先日,河野外相は,「法の支配」だの「法基盤」がどうだらと,韓国側に抗議していたが,そのような訓戒は自分らに向けられるべきである。

 

ところで,2013年に1審敗訴判決を食らった新日鉄住金が,弁護団の方針通り,その後に韓国側と交渉して和解に至るならば,日本政府にとっても頭が痛い請求権問題をうやむやにして葬ることができたはずである。

 

それなのに,なぜわざわざ日本政府がしゃしゃり出てきて,判決にこだわるよう新日鉄住金を恫喝したのか。

 

端的に言えば,当時,日本政府に米国の圧力があった可能性がある。


米国は,地政学的に日本と韓国の接近を警戒している。かといって,対立が先鋭化することも望んでいない。北朝鮮問題があるからである。

 

ところで,日韓には竹島領土問題があるが,これは米国が意図的に作り出した可能性が高い。

 

日本は1951年のサンフランシスコ講和条約の発効で一応独立を回復したが,条約発効3ヶ月前の1952年に,イ・スンマン大統領(当時)が一方的に海洋境界線を設定して,竹島を韓国の領土であることを認定した。

 

日本は主権回復前だったので,異議を唱えることができず,米国はというと,当初こそ建前で韓国に抗議していたが,最終的に韓国の言い分を認知した。

 

米国がイ・スンマン氏にけしかけたかどうかは不明だが,あえて追認することで日韓の緊張関係を意図的に創り出したのである。

 

韓国は,日本と同レベルもしくはそれ以上に政府が対米従属であり,今回の徴用工判決も米国→韓国政府→韓国最高裁のラインで,


米国が日韓関係の緊張を創り出した可能性は排除できないと考えるべきである。




スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment