FC2ブログ

8月15日の「敗戦」記念日に思うこと 

平成30年8月15日

 


 

NHKが全国の18歳と19歳を対象に,今年6月21日から7月25日にかけて行った世論調査によると

 

14パーセントが,日本が終戦を迎えた日を「知らない」と答えたという。

 

この調査結果を受けて,NHKオンラインでは,

 

「専門家は「危機的な数字だ」としていて、若者の意識を社会や歴史に向けさせる教育の重要性を指摘しています。」と記事を締めくくっている。

 

だが,NHKのいう「終戦を迎えた日」が8月15日というのは,そもそも正しくない。

 

確かに,1945年8月15日,天皇はラジオで国民に敗戦を告げた。だが,そのことは正式な戦争終結を意味するものではない。

 

たとえて言えば,沖縄の翁長前知事が,7月27日,辺野古の埋め立て承認を撤回すると記者会見で表明したが,この時点では,氏は今後の方針をただ述べたにすぎず,具体的な手続きに着手していたわけではなかった。

 

会見の後日,氏が死去したこともあって,埋め立て承認撤回手続は,8月15日現在,誰の手によっても行われていないが,これと同じ話で,

 

1945年8月15日,天皇は,日本の敗戦を国民に伝えただけであり,この時点では,米国らとの終戦手続を完了していたわけではなかった,

 

日本の正式な終戦手続は,9月2日の米国戦艦ミズーリ号内の文書署名によって行われたので,この日が正式な終戦日であると理解すべきである。

 

1945年8月15日は,日本の敗戦記念日とネーミングすべきである。


玉音放送を契機として,これ以上,無駄な死者が出ることはなくなったであろうという意味で,「記念日」と呼ぶにふさわしいのではないかと筆者は考える。

 

ところで,日本が9月2日を終戦日としない理由だが,降伏文書が日本にとってあまりにも屈辱的で,今もなお内容を認めたくないからではないか。だが,いくら屈辱的でも事実は認めなくてはならない。政府やメディアは都合よく真実をゆがめるべきではない。

 

NHKのいう「専門家」とは誰のことを指しているのか不明だが,「危機的」なのは,彼らやメディア,政府の認識の方である。


若者の無知よりも,オピニオンリーダーらが虚偽,ねつぞう,ウソを繰り返す方がよほど危機的であることは言うまでもない。

 

近代史研究の第一人者である半藤一利氏によると,日本では,公文書偽造も,戦中よく行われていたとのことだが,先の財務省の文書改ざんが示すように,不都合な事実隠蔽は日本人の変えがたい体質そのものと言ってもいいのかもしれない。

 

1945年の話が出てきたついでに,戦前日本が行ってきた海外の戦争で,今日ゆがめられて伝えられているものを思いつくままに述べると,

 

たとえば,1942年のミッドウェー海戦。日本の壊滅的な敗戦の原因が,連合艦隊司令長官山本五十六の拙い戦略にあったことは明らかである。

 

それにもかかわらず,今日,「軍神」とまで崇められているというのは,悪い冗談としか思えない。加えて,大敗北を喫しても,日本のエリートは全く反省がなかったという点も重要である。

 

歴史を学ぶ中学・高校生には,現代にも通じるこのあたりの日本のトップの傲慢なエリート気質を教えていく必要があるだろう。

 

他には,たとえば,日露戦争。この戦争の勝利により思い上がった日本のエリートは,その後本格的な軍国主義に突っ走っていくことになる。

 

だが,日本が勝てたのは,米国の仲介があったからにすぎず,しかも,勝ったといっても辛勝であり,そもそもロシア本土を攻め込んで,領土を占領したわけでもない。

 

ところが,当時のメディア(新聞)は,日本の大勝利を伝え,それを大多数の日本国民が信じて拍手喝さいをした。そもそも国民には報道の真偽を検証する術がなかったのだから,信じても仕方がないといえばそれだでだが。

 

また,新聞が意図的に虚偽報道をして世論誘導していたかと言えば,そうとまでも言えない。


いずれにせよ,日本人は,歴史的に大メディアの情報にだまされやすい体質をもっているようなので,筆者もそうだが,注意しなければならない。

 

最近の国際情勢で言えば,たとえば,トルコ,イラン,ロシアの通貨暴落の問題。

 

日本のすべての大メディアは,これらの国の通貨暴落が米国の貿易戦争や制裁によるものだという論調で伝えている。

 

だが,よく考えてみてほしい。もし米国の脅しにそれほどの効果があるのなら,米国は世界を思い通りに動かせる無敵の支配者ということになり,そうなると,日本の対米隷属批判派もだまるしかないということになりかねない。

 

だが,米国の脅しだけで,トルコリラが一時的であれ,あれだけ極端に暴落するわけがない。

 

では,トルコリラ暴落の真の原因は何か。金利抑制策とインフレ放置により経済が安定しないところに,米国の関税引き上げの恫喝が止めを刺した,という見方もできるが,それらは一因にすぎず,事の本質ではない。

 

暴落の最大の原因は,エルドアン大統領が述べているように,ソーシャルメディアを通じて,経済不安をあおるフェイク情報が流布したことにあると思う。

 

問題は,あおった連中の正体だが,可能性があるのは,米国の息がかかった工作隊であると筆者は見ている。

 

イラン,ロシアの問題も米国の工作隊が関与している可能性が高い。米国の思惑通りにターゲット国が混乱するのであれば,その意味で,やはり米国は無敵ではないかといえなくもないのだが,そうではなく,問題はメディアの伝え方にある。

 

大メディアが,工作隊が流布するフェイク情報に加担すれば,大多数の国民はその情報を元に考え,行動するようになってしまう。それにより,極端な結果を招くことになる。

 

理屈も大事だが,歴史の知識に基づいて,感覚的な物の見方ができるかどうかが,メディアにとっても国民にとっても重要になってくるのではないかと思う。



スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment