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台風でラグビー中止なら,日本の裁判官はこのように判断するはずだ 

2019年10月12日


 

私を含めて,台風19号のせいで,週末連休の予定が飛んでしまった方は多いと思う。

 

現在,日本で行われているラグビー・ワールドカップも台風の影響で予定が大幅に狂い,世界的な論争が起ころうとしている。

 

13日の日本対スコットランド戦が中止になった場合,スコットランドの敗退が決定するが,これに反発するスコットランドが法的措置を検討しているという。

 

試合の実施可否は,13日朝に決まる。本ブログを書いているのは12日夜なので,ここでは,仮に中止になった場合の法的措置について,考えてみたい。

 

統括団体のワールドラグビーは,アイルランドのダブリンに置かれているので,裁判の管轄地は,同地もしくはスコットランド本国になると思われるが,

 

仮に,日本に統括団体が置かれていて,日本で裁判が行われたとしたら,日本の裁判所はどのような判断を下すだろうか。

 

スコットランド協会の訴えは,以下のようなものになるだろう。

 

「統括団体は,延期や開催地の変更などの代替措置を全く考慮せずに中止を決定し,それにより我々は,試合をする機会を奪われ,精神的苦痛を味わった。よって,これを理由に,慰謝料を請求する」と。

 

経済的損失は当然だが,それよりも慰謝料請求の方が訴えのメインになるものと思われる。

 

対して,被告となる統括団体の言い分は,次のようなものだろう。この点については,先日公表された統括団体の声明文が反論として採用されることになると思われる。

 

「他の19チームと同じく、スコットランドラグビー協会は,2019年ラグビーワールドカップの参加条項にサインしているではないか。」

 

すなわち,「参加条項第5条3項は,『1次リーグの試合が日程通り開始できない場合、延期ではなく、中止される。そのような状況の場合、結果は引き分けとなり、両チームは勝ち点2を得て、スコアは記録されない』と規定しており,スコットランドはそれに署名しているではないか」と。

 

これに対するスコットランド側の再反論は,

 

「代替措置を講ずることにより,当初のスケジュール通りに大会が運営される可能性があるのに,それを全く考慮せずに,規定を楯に試合実施の機会を奪うのは,主催者の怠慢であり,法的過失は明らかである」となるだろう。

 

どちらの言い分が正義か。規定があって,それにサインしているからといっても,それが判断の是非のすべての要素ではないことに注意すべきである。

 

本件のように,規定ではなく実質判断が重視される裁判の場合,管轄が米国なら,腕利きの弁護人が,陪審裁判でスコットランドの言い分を認めさせることも十分考えられる。

 

だが,日本が裁判地なら,スコットランドの言い分は苦しい。日本の裁判官は,次のような判断を下すだろうと思われるからである。

 

「そもそも台風で,試合が中止になることを統括団体は予見できたか」

 

「1958年の「狩野川台風」(死者1269人)や,先の千葉の事例の例を挙げるまでもなく,この時期の大型台風の襲来は,日本では珍しくない。よって,この点についての予見可能性は否定できないといえる」

 

「では,代替措置を講じることにより,試合中止という結果を回避する義務を尽くしたと言えたか」

 

「自然現象に起因する試合中止の可能性が過去の事例をもって示されている以上、安全性確保を最優先しつつ、試合中止の可能性がゼロないし限りなくゼロに近くなるように、必要な結果回避措置を直ちに講じるということも社会の選択肢として考えられないわけではない」

 

しかし,たとえ万が一の事態を想定して試合が実施されなくても不合理まではいえず,結果回避義務違反が法的にあったと評価することはできない」

 

「原告側弁護人(スコットランド側)は,日本は台風が多く,情報収集義務を尽くしていれば台風の襲来を十分予見でき,代替措置を講ずることは可能であると主張するが,大会規約の合理性もあわせて考慮すれば,上記以上の結論の妥当性を覆すまでには至らない」

 

以上,ざっとこんなところだろう。要するに,ここで言いたいのは,

 

日本の裁判所は,大組織に勝たせるために,結論ありきの論調で,弱い立場の側に不利な判断を下すはずだということである。

 

スコットランド協会は,社会全体から見れば,決して弱者ではないが,国際統括団体に比して当然弱い立場にある。

 

スコットランド協会には,「裁判やるのなら,間違っても日本ではやるな」と言いたい。やらないとは思うが。




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主要野党の気概のなさには目を覆うばかりだ 

2019年10月9日

 

 


 

今月22日に行われる「即位礼正殿の儀」に,米国政府代表として,日本にとってなじみがほとんどないイレーン・チャオ運輸長官が出席することになった。

 

トランプに出席を断られ,ナンバー2のペンス副大統領に断われ,結局,ずいぶんな格下が出席することになったものだ。

 

台湾出身のイレーン・チャオは,実父が江沢民の学友であり,中国政府とコネクションがあるとされているが,就任当初から,中国マフィアとの深い関係も指摘されている人物である。

 

日本にとってなじみがうすいというだけでなく,ホワイトハウスでもかなりの格下で,日本でいうマル暴とも付き合いがあるとされる女の出席で妥協せざるを得ないところに,今の日米関係の現実を窺い知ることができる。

 

日本を属国とみなすトランプ政権は,今回の日米貿易協定で,日本を全面的に屈服させた。今回は,農業先行合意で決着したが,通商交渉の第1ラウンドが終了したに過ぎない。


安倍政権が本格的に米国に搾り取られるのは,これからであろう。

 

現在開会中の国会で,野党が今回の貿易問題について,どの程度くい込んでいけるのか注目したい。

 

だが,7日の安倍氏の所信表明演説に対する各党代表質問をみる限り,今の野党に野心的挑戦的な何かを期待するのは無理だと言わざるを得ない。

 

たとえば,枝野氏は,関電問題に関し「関電の隠蔽体質と原発利権による資金還流は、原発政策の根幹に関わる大問題だ」と述べて、政府の監督責任を追及していたが,

 

「関電の隠蔽体質」は,安倍政権と直接関係がないし,「原発利権による資金還流」については,前回の本ブログでも書いたが,

 

自民党の一部議員や自民党という組織に,原発マネーと思われるカネが流れていても,それ自体違法性はなく,現時点では安倍政権追及の具になることではない。

 

原発マネーの流れは,確かに不適切ではあるが,それは反原発の立場からそのようにいえるというだけの話であって,推進派の立場の者からみれば,不適切でも違法でもないのである。

 

さらに,今回の関電の件は,現在進行中の問題なので,まだ不透明な部分も少なくない。

 

刑事事件として立件されるかどうかも微妙な現段階で,安倍政権の監督責任を追及するのは時期尚早でもある。

 

要するに,時間の限られた貴重な代表質問で,この話題に時間を割くこと自体,安倍政権と本気でけんかをする気概を欠いていると勘ぐられても仕方がないのである。

 

他にも,枝野氏は,かんぽ生命保険の不正販売を報じたNHKの番組に,経営委員会が,上田会長に厳重注意をしたことが,放送法違反にあたることを指摘していたが,

 

この問題で安倍政権を追及しても,立憲の加点事由にも安倍政権の失点にもならず,とどのつまり,今後の選挙には,立憲に好影響も及ぼすことはない。

 

確かに,経営委員会の人事は,実質,安倍政権が握っていることから,関電の問題同様に,間接的に安倍政権に問題があるといえなくもないが,これらの追及に時間を割いたところで,安倍政権の支持率を落とすことはできない。

 

主要野党のすべての言動は,今後の国政選挙を意識した,50パーセントに及ぶであろう無党派層を意識した内容でなくてはならないはずなのに,

 

そもそもとりあげる材料が大多数国民の関心が薄いものばかりで,このあたりのセンスのなさは目を覆いたくなる。

 

N国党の立花代表ほど無駄に過激になる必要はないが,主要野党の第1党である立憲民主の議員は,まず,貴族のような振る舞いを改める必要がある。

 

立憲民主党が変わらなければ,今後よほどのことがない限り,主要野党が安倍政権を倒すことはできないだろう。

 

立憲がどうしても貴族的振る舞いをやめられないというのであれば,野性的な役割は,「れいわ」の山本代表に委ねるべきである。

 

そのためには,一刻も早く,国民民主との合流会派を解消し,「れいわ」との共闘を本格的に進めていくべきである。

 

立憲は「れいわ」「共産」との3党連立政権を目指すべきである 

2019年10月6日

 


 

関電の役員らが,福井県高浜町の元助役だった森山栄治氏から金品を受領していた問題で,

 

自民党の稲田朋美幹事長代行も,福井県高浜町の元助役だった森山氏から,政治献金を受け取っていたことが判明した。

 

森山氏からだけではない。


稲田は東京電力沖縄電力以外の電力会社9社,その関連会社や団体から、各々20万以下と少額だが,総額にして112万円もの政治資金パーティ券を購入してもらっていたことが,2017年の政治資金収支報告書から明らかになった。

 

パーティー券は,各々の購入額が20万円以下なら政治資金収支報告書に記載する必要がないので,購入者がバレるはずがないのだが,今回は購入者に返金した結果,1万円以下の購入者の名前が同報告書に記載されてバレてしまった。

 

返金した理由は,2017年当時,防衛大臣だった稲田が,自衛隊の日報隠蔽問題や,街頭演説の憲法違反発言で批判を浴びていたことから,パーティーを自粛・中止したことによる。

 

稲田の「原発マネー」受領は,法的に問題はないが,注目は,この情けないバレ方である。このような脇が甘い者でも法律家が務まるんだな,と驚くほかない。

 

今回の件発覚のプロセスといい,公然の憲法違反発言といい,稲田は政治家として5流だが,弁護士としても5流以下であることを天下に晒したといえる。

 

だが,稲田だけ責めても埒が明かない。


自民党そのものが電力会社とその関連会社,団体から多額の政治献金を毎年受け取っているのである。原発推進政策がやめられない理由は,原発がカネのなる木だからである。

 

だが,稲田の件もそうであるように,カネを受け取ること自体に違法性はないので,野党が攻める材料にはならない。

 

立憲民主党は,原発ゼロ法案もいいが,本当に原発政策を辞めさせたいのなら,自民党に流れているカネの問題にメスを入れて追及しなければならないといえる。

 

さらにいえば,本当に脱原発を主張したいのなら,会派を組んだ原発推進の国民民主党と決別しなければならないといえる。

 

先の参院選の結果は,立憲にとって望ましい結果ではなかった。

 

将来は立憲単独で政権政党を担うことを目指していた枝野氏にとって,比例の得票数が前回より300万票減ったという結果は,ショックが大きかったと思われる。

 

そして,彼なりに選挙結果を分析した。たどり着いた結論は,

 

「タウンミーティングなどの草の根活動には限界がある。立憲にも組織票はあるが,さらなる組織票を持った者たちとの協力が必要だ」である。

 

大阪選挙区から出馬した亀石倫子氏が,落選の弁で,「組織票の力を痛感した」と語っていたが,枝野氏も同様の結論に至ったということである。

 

そこで,組んだ相手が組織票を持っている国民民主であり,かつての同僚の野田佳彦であり,安住淳らである。

 

だが,これは組む相手を完全に間違えている。野田や安住とは個人的な付き合いがあるだろうからとやかく言わないでおくが,

 

国民民主は,すでに自民党の補完勢力であり,スパイ同然と言っても過言ではない。

 

政策の違いだけが問題なのではない。今後の立憲の戦略が自民に流れることになりかねず,立憲にとって利益になることは一つもない。


会派を組んだからといって,無党派層から支持を得ることも100パーセントない。

 

利益どころか,国民民主は,今後,立憲の足を引っ張る爆弾になるだろう。

 

すでに,10月4日の先の国会開会を前に,両党参院議員の所属する常任委員会が決まらない事態を招いたではないか。


起因は,国民民主の無理難題な要求にあるのではないのか。

 

安倍政権の野党対策は,立憲を分裂させる,もしくは分裂状態にすることである。れいわ新選組の台頭にも警戒しているが,当面の敵は立憲であり,衆院選前に内部分裂させて国民の支持喪失を画策している。

 

だが,安倍政権の謀略以前に,政策の違いから,立憲が国民民主と今後うまくやっていける可能性はゼロなので,自滅する可能性も否定できない。

 

今からでも遅くはない。立憲は,理由をつけて年内に国民民主と会派を解消し,れいわ新選組と共産党との連合政権構想に本格的に着手すべきである。

 

同時に,草の根を自称したいのなら,その理念と相反する「連合」との連携も解消する英断を下すべきである。


本気で政権をとりたいのなら,それぐらいの覚悟を示すべきであろう。



話題のドラマ「チェルノブイリ」から日本の原発政策の是非を考える 

2019年10月2日

 


 

関電の役員らが福井県高浜町の元助役から金品を受領していた問題で,前回の本ブログでは,刑事事件に発展する可能性が低いことを予測した。

 

会社法の収賄罪や特別背任罪を問う声も上がっているが,贈賄側の主体が死人であること,「不正の請託」「財産上の損害」を立証するのは容易ではないことが,主な理由である。

 

では,刑事事件ではなく,大阪の松井市長が示唆したように,株主代表訴訟はどうか。

 

これは訴えの利益なしで終わるだろう。事件の影響で株価が下がっても,相手は天下の関電である。訴訟係属中の間に株価は元に戻る可能性が高いからである。

 

たとえ役員らが逮捕されたとしても,事情は変わらない。関電は,かつてのライブドアとは基礎がそもそも違うのである。

 

関電は,国策ともいうべき原発政策の中核的存在である。つまり,関電を訴えるということは,国を訴えるのと同じであり,国に勝つのは容易ではないというのがその理由である。

 

9月19日,福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷の罪で強制起訴された東電の旧経営陣3人に対し、東京地裁は無罪を言い渡した。

 

過失は,

 

1 結果の予見可能性,予見回避可能性の有無

 

2 結果予見義務,結果回避義務の有無

 

の2段階を経て成否が考察されるが,

 

裁判長は,第2段階を考慮するまでもなく,第1段階で切り捨てて無罪とした。

 

判決文は,旧経営陣らの予見可能性の有無について,あるのかないのかよくわからない,ぼかした書き方をしているが,

 

第1段階を「あり」と判断してしまうと,第2段階の義務違反は明白なので,無罪にするために,第1の段階で切り落としてしまえという,初めから結論ありきの判決だったといえる。

 

弁護側は,「結果回避義務の判断を回避した不当判決だとして,控訴を表明したが,当然の対応である。

 

関電の件に話を戻すが,今回の件が発覚したことで,産経新聞は,「市民の不信感などから地元が態度を硬化させ、今後の再稼働に障害となる可能性もある。原発のトップランナーの関電のつまずきは、国内の原発施策にも影響を及ぼしそうだ。」と書いていたが,

 

原発推進政策に影響はない,と断言したい。

自治体は,口では原発反対を唱える者が多いが,本心は疑わしい。確かに,反対する住民は多い。だが,賛成する住民も多いのである。

 

私の地元の青森県(中でも六ヶ所村)がそうであるように,福井県高浜町も,これといって何の産業もない地域である。

 

そこに国がつけこんで,このような地域に原発マネーを投下し,原発推進を企図する。始めは抵抗する住民の多くも,やがてカネの力に屈してだまるようになっていく。これが現実である。

 

私は,そうした事例をこれまで目の当たりにしてきたので,実感としてよくわかっているつもりだ。

 

原発の是非を考える際,理屈や理論だけではどちらにも説得力に乏しい。特に,推進派らは,福島やチェルノブイリ級の事故の発生で,実際に恐怖を体験しなければ,目が覚めないと思われる。

 

だが,実際に事故が起こってから考えてもらっても困るので,推進派には,原発事故をリアルに描いたドラマを観て学習してもらいたいと思う。

 

「チェルノブイリ」という米国のドラマが,絶賛されている。

 

9月25日からスターチャンネルで配信されており,アマゾンプライムビデオでも,会員登録不要で,10月5日まで第1話が無料視聴できる。

 

全5話配信で,今後,毎週1話ずつ配信予定されるとのことだが,プライムビデオ会員が全話を無料視聴できるかどうかはよくわからない。

 

だが,たとえ有料でも,全5話ならそれほどカネはかからないので,すべての日本人が,カネを払ってでも観るべき価値のあるドラマだと思う。

 

まだ第1話しか配信されていないので,私が観たのも今のところ実はそれだけなのだが,それでも全編に渡って緊張感あふれる,重量感と迫力に満ちたリアルな画面の傑作ドラマであることが確認できた。

 

1986年4月、旧ソ連ウクライナ共和国の北側に位置するチェルノブイリ原発の原子炉が爆発,炎上,これが第1話の前半でいきなり描写される。

 

現場確認した作業員らは,顔が赤くむくれ,嘔吐して倒れていく。政府は必死に事実の隠蔽を計ろうとする。

 

たとえ事実が公になっても,自分らに責任はないと保身を画策する。このあたりは,どこの国もやることはいっしょだといえる。

 

このドラマは,別に反原発の制作者が,原発事故の恐怖をあおるために創ったという訳ではない。焦点はあくまでも人間関係の描写である。

 

だが,それでも印象に残る場面は,と言われたら,やはり重苦しい事故現場シーンになるだろう。

 

これをみて,それでも原発は推進すべし,と声高に言える人はそういないのではないか。

 

加えて,私が原発に反対する理由は,電力供給の必要性と,事故発生の結果リスク+核のごみ廃棄の問題点を比較衡量して,前者(必要性)よりも後者(リスク)の不利益に重点を置いて考えているからに他ならない。

 

現在,あのビルゲイツが,「安全な」原発開発に多額の投資を行っているとのことだが,将来,安全な原発が開発されるなら,原発だからといって,それを否定する理由はない。

 

だが,現在,日本にある原発施設は,チェルノブイリ同様に,すべて「安全」ではない。また,核のごみの問題も解決していない。だから,我々日本人は,やはり諸手を挙げて反対しなければならないといえるのである。




日本のトップに蔓延する保身隠蔽体質の元凶はやはりあの男にある 

2019年9月29日

 


 

 

9月26日,韓国の与党「共に民主党」が作成したという福島第1原発の事故による「放射能汚染マップ」が公表された。

 

東北6県中,青森県を除く5県が汚染地域として赤いマーカーで記されている。

 

これについて,27日に菅義偉官房長官が記者会見で,「科学的根拠に基づいた正確な情報を国際社会に丁寧に説明していくとともに、韓国側に対しては冷静で賢明な対応を強く求めていきたい」と述べた。

 

日本人としては,確かにその通りだと相槌を打ちたいところだが,元を辿れば,安倍政権のこれまでの言動がブーメランで返ってきたと言えなくもない。

 

2013年,ブエノスアイレスのIOC総会で,「放射能汚染水の影響は,港湾内0,3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている」と,「科学的根拠に基づかない不正確な情報を国際社会に説明」していたのはどこのどいつだったか。

 

だが,この「説明」も,日本の官僚たちの頭の中では,ウソをついていることにはなっていないらしい。

 

古賀茂明氏の著書「日本中枢の狂暴」によると,「汚染水が完全にブロックされている」と言えばウソになるが,「汚染水の影響は,完全にブロックされている」と言えば,ウソをついたことにはならないと言う。薄めてしまえば,影響は軽減されるからである。

 

この場合,「影響」という言葉の定義を行わないことがポイントになるようだ。

 

現役官僚が書いたと思われる「官邸ポリス」という小説によると,

 

レイプ容疑の山口敬之ジャーナリストの逮捕見送りについて,官僚らは,

 

「事件をもみ消したわけではない。有名人物については,マスコミからの反響も大きいから,捜査については慎重に進めるべきであり,原則に従って任意捜査にすべきであるといっているだけだ」と言い,

 

森友事件については,

 

「この件は,詐欺師の籠池氏が,脇の甘い総理夫人を巻き込んだ事件に過ぎない。それを近畿財務局,いや,財務省理財局自体も本当に総理夫人案件だと勘違いして対応しただけだ」と言う。

 

ここには,文書ねつ造を命じられて自殺に追い込まれた財務省職員に対する哀悼の意などは微塵も感じられない。

 

政管のトップだけではない。財界を代表する電力会社幹部らはといえば,町の助役から金品を受領しても,「預かっただけ」と言う。

 

これを保身のための幼稚な言い訳と嘲笑するのは簡単だが,日本の場合,トップらが保身のために事実も解釈も捻じ曲げて,結果,逃げ切ってしまうことは珍しくない。

 

事実,もりかけのような典型的な権力腐敗事案も何のその,安倍晋三氏は,見事逃げ切りに成功した。

 

甘利明もドリル優子も然りだ。

 

今回の関電トップはどうだろうか。すべては検察次第だが,安倍や甘利らの逮捕にはビビって腰が引けても,八木会長は政治家(OB)でも官僚(OB)でもないので,少しは動きやすいのではと思いたい。

 

だが,おそらく,会長ら幹部の辞任とバーターで,逮捕は見送られるのではないかと私は予測する。

 

ところで,保身隠蔽体質は,政財界のトップだけではない。今や司法官僚も,安倍政権になってから,己の出世のために「行政権力の番人」と化している。

 

9月19日,福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷の罪で強制起訴された東電の旧経営陣3人に対し、東京地裁の永渕健一裁判長は無罪を言い渡した。

 

過失は,

 

1 結果の予見可能性,予見回避可能性の有無

 

2 結果予見義務,結果回避義務の有無

 

の2段階を経て成否が考察されるが,

 

裁判長は,第2段階を考慮するまでもなく,第1段階で切り捨てて無罪とした。

 

判決文は,旧経営陣らの予見可能性の有無について,あるのかないのかよくわからない,ぼかした書き方をしているが,

 

第1段階を「あり」と判断してしまうと,第2段階の義務違反は明白なので,無罪にするために,第1の段階で切り落としてしまえという,始めから結論ありきの判決だったといえるだろう。

 

ここで,行政権力の意に逆らって有罪判決を下せば,永渕裁判長はその後どうなるか。

 

2014年,福井地裁で,大飯原発3、4号機の運転差し止め判決を下した樋口英明裁判長(当時)のように,実質,人事権を握っている安倍政権に左遷されることになるだろう。つまり,有罪判決を下すということは,出世街道から外れることを意味するのである。

 

安倍政権になってから,日本は,理屈の通じない国に変わってしまった。一刻も早くこの政権を追放しなければ,日本がさらに反知性の幼稚な国になっていくことだけは間違いない。





 

予測通り米国で何の成果も上げられなかった安倍外交 

2019年9月26日

 


 

 

9月24日,安倍総理は,イランのロウハニ大統領と米国のニューヨークで約1時間会談した。

 

8月30日付の時事通信は,「米イラン仲介に意欲 安倍首相」の見出しで,安倍総理の同日横浜市内での記者会見で述べたコメントを伝えていた。

 

だが,9月25日のNHK朝7時のニュースでは,会談で安倍総理は仲介役などしていない,との政府関係者のコメントを紹介していた。

 

これをあのNHKが伝えたのである。政府広報御用メディアが伝えているのだから,間違いないのだろう。

 

両者は何を話したのか。会談後の日本の各メディア報道によると,ホルムズ海峡を航行する船舶の安全確保に、沿岸国として責任を果たすよう安倍氏がロウハニ氏に要請したとのことである。

 

だが,今回の会談は,日本側のたっての希望で実現したものである。安倍氏が,このような一般原則を伝えたいだけのために,ロウハニ氏との会談を望むはずがない。

 

前回の本ブログで書いたように,安倍氏が伝えたかったのは,日本が湾岸地域に自衛隊を派遣しても,貴国に敵対行動はとらない,という弁解の言葉である。

 

欧州各国を巻き込んだ今回の米イランの対立に,安倍氏が政治的に何かできることなどそもそも何もない。

 

24日夜の国連総会での一般討論演説では,サウジ石油施設が攻撃された件に触れ,「国際経済秩序を人質にする卑劣極まる犯罪だ」と攻撃主体を特定せずに,どこの誰かを非難していたが,

 

安倍氏が言えるのは,しょせんこの程度である。こんなことは中学生にでも言えることだ。

 

彼の言葉など16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリ氏の足元にも及ばない。

 

安倍氏の空疎な言葉を無視するかのように,25日,ロウハニ氏は,国連総会でトランプとの会談の可能性を否定した。


これを受けて,米国は同日、さらなる制裁強化を発表した。


予測どおり,安倍氏は何の存在意義も示すことができなかったのである。

 

日本,イラン,米国の会談の話題はもういいだろう。それよりも,日本国民にとってダイレクトに影響してくるのは,FTA(自由貿易協定)の方である。

 

8月末の日米首脳会談で、米国が日米FTAの大枠合意を宣言した。翌月9月11日の内閣改造で,交渉担当の茂木敏充経済担当大臣は外務大臣に横滑りした。

 

この人事で,FTA(以下,通商交渉と記す)が実質的にカタがついたのだろうと以前本ブログで書いたが,一連の動きを見るとどうも違ったようだ。

 

「大筋」はすでに合意していたと思われるが,「細部」の詰めの確認作業が終わっていなかったようである。

 

だが,その細部が国民に公表されることはない。今回明らかにされるのは,大筋だけである。だが,その公表された大筋レベルですら,予測通り日本にとって不利益な内容となっている。

 

7万トンのコメの無税枠を設定しないのはいいだろう。だが,それだけではないか。肝心の自動車と自動車部品の関税撤廃の話はどこにいったのか。

 

仮に,安倍が言うように,「ウィンウィン」の結果だというのなら,トランプは今頃米国で袋叩きにあっているはずだ。ウクライナ疑惑どころの非難ではすまされない。

 

これまで報道されてきた交渉経緯や,そもそもの両国の力関係から考えてみればわかることだが,米国側が「ウィンウィン」の結果など受け入れるわけがない

 

安倍や茂木にできることといえば,米国の100の無理難題な要求を95で勘弁してもらう妥協交渉ぐらいである。


だが,それを,NHKを筆頭とするテレビメディアらが「成果」というのであれば,何もいうことはない。

 

テレビ報道が腐っているのは今更だが,メディアに頻繁に登場する有識者らにも腐っている者が多いので,国民は注意が必要である。

 

たとえば,今回の通商交渉に一定の評価を与えている元財務官僚の高橋洋一がそれである。


かつては舌鋒鋭い権力批判をしていた時期もあったが,窃盗容疑で国策逮捕されてからはすっかり権力に骨抜きにされ,今では完璧な御用となっている。

 

他にも,たとえば,元外交官の宮家邦彦も,かつてはそうでもなかったが,テレビに頻繁に出るようになってからは,あからさまな権力御用に転身した。

 

彼は,7年間の安倍外交を賞賛した論文をニューズウィークに寄稿しているが,政権ウォッチャ-の本ブログからすれば,突っ込みどころ満載の読むに絶えない代物である。

 

彼らは,一般人にない圧倒的な専門知識を駆使して,それなりの言論を展開しているようにも見えるが,細部で論理が破綻していることも少なくない。実体はただの権力御用であり,基本的に彼らの言葉は信用できないと考えておくべきだろう。

 

今後,テレビメディアと御用有識者らが,今回の通商交渉の成果をさらに強調してくると思われるが,国民はトリックにだまされてはいけない。




 

情けない安倍内閣を支える安倍の犬官僚ども 

2019年9月23日

 


 

安倍総理は,米ニューヨークを訪問し,24日にイランのロウハニ大統領と会談する予定だという。

 

メディアは,「中東で高まる緊張状態の緩和に向けた橋渡し役が期待される」などと相変わらず忖度報道しているが,安倍氏に橋渡し役など100パーセントできるわけがない。

 

理由は,山ほどあるが,そもそも会談の順序が逆なのである。

 

24日にロウハニ大統領,25日にトランプ大統領との会談では,


トランプとの会談を始めから望んでいないロウハニ氏を翻意させようにも,この日程では,交渉に前向きなトランプの熱意・意向を伝えることはできないではないか。

 

ロウハニ氏との会談は安倍氏の方が望んだというが,今回の会談を積極的に望んだ真意は別のところにあると推察される。

 

タンカー攻撃の件以来,米国は,何かと理由をつけて,湾岸地域に軍隊を増派させることを画策している。

 

9月20日には,マーク・エスパー米国防長官が,サウジアラビアの「要請」を受けて,同国に米軍を増派すると発表している。

 

サウジ石油施設攻撃を口実に,米国が日本の自衛隊に派遣を要請することはないだろうが,最近話題に挙がっていない「有志連合」構想はまだ頓挫しておらず,仮にこちらの方が実現すれば,日本が要請を「暗に強制される」可能性が高いものと思われる。

 

そうなった場合に備えて,日本としては,友好国イランに前もって言い訳しておく必要があるだろう。

 

今回の安倍氏の会談要請は,このような意図に基づくものと考えられる。

 

「日本政府が,日本の自衛隊を湾岸地域に派遣したとしても,イランと敵対することはないですよ」という言い訳である。

 

 

今回の安倍氏の主要な任務は,ロウハニ大統領にこの言葉を伝えることである。その翌日には,TPP越えの売国通商協定に署名して,お粗末な外遊を締めくくることになる。

 

付け足しで保険利用水準のスピーチやら,ヨルダン国王との会談やら,26日にはベルギー訪問やらが予定されているようだが,今まで通り,国益とは全く無縁の内容ゼロ外遊に終わるのは間違いない。

 

この情けない外遊を演出しているのは,警察庁出身の北村滋・前内閣情報官,経産省出身の今井尚哉首相秘書官だが,

 

今後は,内閣官房副長官補の外政担当に就任が決まりそうな前駐ベルギー大使の林肇氏も,この情けない役割に尽力していくことになるものと思われる。

 

林氏は,第1次安倍政権の首相補佐官で,経歴は立派に見えるが,北方領土問題を担当して成果を示すことができなかった単なる安倍の犬である。

 

安倍長期政権を支えているのは,大メディア,選挙権を行使しない主権者国民,それに犬と化した官僚ども,というのが本ブログの持論だが,今日は官僚の意識について触れておく。

 

昨年12月,官房副長官が主人公の「官邸ポリス 総理を支配する闇の集団」というタイトルのノンフィクション小説が刊行された。

 

著者は,幕蓮という方で,略歴は警察庁OBとなっているが,安倍内閣のヨイショ本なので,官僚OBではなく,実は現役官僚の誰かが匿名で書いたものと思われる。

 

副タイトルは「総理を支配する闇の集団」だが,これは誤りで,正しくは「総理を支援する官僚の犬集団」とすべきである。

 

いくつかのショートストーリーで構成されており,もりかけ,スパコン,準強姦ジャーナリストの逮捕揉み消しなど,最近話題となった事件を題材に,徹頭徹尾,安倍内閣を擁護しまくった内容となっている。

 

小説形式ではあるが,この本では,安倍政権を支える官僚どもの考えが赤裸々に告白されている。

 

各々の事件について,彼らは,次のような主旨のことを述べている。たとえば,準強姦容疑の山口敬之ジャーナリストの逮捕もみ消しについては,

 

「事件をもみ消したわけではない。有名人物については,マスコミからの反響も大きいから,捜査については慎重に進めるべきであり,原則に従って任意捜査にすべきであるといっているだけだ」と言い,

 

森友事件については,

 

「この件は,詐欺師の籠池氏が,脇の甘い総理夫人を巻き込んだ事件に過ぎない。それを近畿財務局,いや,財務省理財局自体も本当に総理夫人案件だと勘違いして対応しただけだ」と言う。

 

一事が万事この調子で安倍氏を弁護しており,彼らの辞書には,「真実の追究」という言葉はないとみえる。

 

「我々(内閣情報調査室)が政権安定のためにすべきは,総理および周辺者を守ること,霞ヶ関をコントロールすること,そして政敵や反政府マスコミを叩くことだ」

 

この本を読むと,彼らには,国民のために働いているのだという意識が建前上もゼロであることがよくわかる,

 

小説形式とはいえ,官僚の本音を知ることができるという意味においては,非常にためになる良書といっていいだろう。

 

この本を読むと,安倍政権を葬り去ることも大事だが,安倍の犬官僚どもも,同時に駆逐する必要があることもよくわかる。

 

日本も猟官制の導入を真剣に議論すべき時が来たと言ってもよいだろう。









イラン政府の指示でサウジの石油施設攻撃が行われるわけがない  

2019年9月19日

 


 

サウジアラビアの石油施設を攻撃した主体については,おおよそ以下の説に分類できる。

 

イランによる単独攻撃説

 

イエメンの反政府組織フーシー派による単独攻撃説

 

イランとフーシー派のタッグによる攻撃説

 

解任されたボルトンを支持する米内部の強硬派が,イランとの対話を模索し始めているトランプをけん制しようとしている米国関与説

 

イスラエルが総選挙の前に危機を高めて劣勢を跳ね返そうというイスラエルと米国の関与説

 

だいたいこんなところだろうか。どの説もありうるが,複数の説が絡み合っている可能性もある。

 

テレビや新聞の大メディアを主戦場として活躍している識者らは,(はっきりとは言わないが),イラン単独行為説をほのめかし,

 

在野の識者らは,米国関与説を主張している傾向があるといえるが,

 

本ブログの立場は,攻撃自体は,フーシー派が単独で行ったもので,

 

イラン革命防衛隊の反米強硬派が,武器や技術を提供していた可能性はあっても,イラン政府の関与はない,と考える。

 

フーシー派単独犯行説の根拠は,単純に,フーシー派が正式に犯行声明を出しているからである。この声明さえ出ていなければ,イスラエルや米国関与の憶測もありだが,今回はない。

 

イラン政府が関与していないとの根拠については,これも単純だが,今回のような中途半端な攻撃に関与して,サウジ,イスラエル,米国を怒らせたところで,イラン政府に何のメリットもないからである。

 

イランはサウジと敵同士ではあるが,対イスラエルのように,お互いが全面戦争を望むほど憎しみあっているわけではない。


両者の背後関係を考えれば,イラン政府の指示で,サウジが先制軍事攻撃にさらされるなど,まったく考えらない。

 

日本のテレビメディアは伝えていないが,イランのロウハニ大統領は,16日にトルコのエルドアン大統領に招かれて,


ロシアのプーチン大統領と,シリア反体制派最後の主要拠点となっている北西部イドリブ県の人道的危機について,三者協議を行っている。

 

このようなロウハニ大統領が,そのわずか2日前に,サウジ攻撃を考えていたなどというのは不自然ではないか。

 

では,ロウハニらイラン政府の指示ではなく,イラン政府の直属にないイラン革命防衛隊の反米強硬派が暴走・関与した可能性はあるか,といったら,あるだろう。


彼ら強硬派は,イラン政府の方針に従順ではないからである。

 

だが,最高指導者のハメネイ師とロウハニ大統領は,核合意復帰に後ろ向きの米国とは交渉を拒否するとの姿勢を一貫して崩しておらず,この点についてはブレがないことから,


革命防衛隊が,イラン政府に牽制の意味で,今回の攻撃に及ぶような理由も見出しがたいというべきである。

 

つまり,サウジを攻撃したくてウズウズしていたフーシー派に大量の武器供与・技術援助を行った可能性はあっても,直接攻撃はありえないと考えるべきである。

 

ところで,では,今回フーシー派は,なぜ大規模攻撃に踏み切ったのか。

 

8月28日付のウォ-ルストリートジャーナルによると,米国政府は,プーシー派と直接対話する準備を進めていたという。

 

米国は,オマーンでフーシ派指導部と開く予定の秘密協議に,何とサウジアラビアを引き入れて、年にわたるイエメン内戦の停戦を仲介したい考えだったという。

 

この「秘密協議」の行方については,私の知る限り,どのメディアも全く伝えていないが,今回の攻撃がフーシー派の答えだとしたら,そういうことである。

 

つまり,交渉は決裂し,フーシー派は,サウジ政府との全面対決の継続を望んだということである。

 

ハメネイ師は会見で,イラン政府の攻撃関与を否定し,フーシー派の単独行動であると主張していたが,その言葉は真実である可能性が高いといえる。




もはやテレビでニュースを見る必要はない  

2019年9月17日

 


 

9月11日,立憲民主党の福山幹事長は,千葉県を中心とした台風被害が続いている中での内閣改造が行われたことについて,

 

(昨年の) 西日本の水害のときに宴会をしていた赤坂自民亭を思い出さざるを得ない」

 

と述べていたが,この批判手法は効果抜群である。

 

日本人は過去の腐敗事例を忘れやすい。

 

忘れやすいから,安倍内閣の支持率が未だに50パーセント近くもあるということである。

 

典型的な権力濫用腐敗事例の森友事件は未解決だというのに,国民の大多数は完全に忘れてしまったかのようである。

 

昨年の西日本の事例では,被害の拡大が伝えられていた最中に,政権中枢部が酒盛に興じていたことが批判されたが,

 

2014年8月20日の広島の土砂災害では,行方不明者など被害が拡大していたにもかかわらず,安倍氏は,山梨の別荘付近でゴルフを続け,

 

その後官邸に戻ったかと思うと,また山梨の別荘にとんぼ返りして静養に入っていたことが首相動静で明らかになった。

 

対応の指揮をとるべき総理大臣がこのざまである。安倍晋三という男が当時から今日に至るまで何も変わっていないことを国民は認識しておく必要がある。

 

今回の福山氏コメントのように,過去の政権腐敗事例と結びつけて批判する手法は,今後ともぜひ活用していくべきである。

 

ところで,安倍政権を忖度するテレビメディアは,今回の千葉県災害報道よりも,安倍内閣の改造に時間を割いて報道していた。中でもNHKは最悪の対応を示していた、

 

 

9月11日の放送に限って言えば,災害報道が官邸の指示で軽視されたわけではないだろう。テレビメディアが国民の生活よりも,自分たちの判断で権力に迎合していたとなれば,テレビメディアはいよいよ終わりである。

 

産経新聞は,今回の停電被害で,ラジオと新聞だけが情報源だと証言していた千葉県民の声を伝えていたが,

 

それに加えてネットが使えれば(災害時でもつながれば,の話だが),緊急時の情報源としては十分である。テレビは全く必要ない。

 

ネット(SNS)はデマが拡散して混乱を生みやすいとの批判もあるが,信頼できる発信者の情報だけを頼りにすれば,デマに惑わされることはなくなるだろう。

 

誰が発信しているかわからないような匿名のツィッターは,基本的に信用すべきではない。

 

匿名者は,言論に責任を持たないので,そのような者が発信する情報など信用に値しない。ただし,圧力を避けるために,情報発信ではなく意見を言うだけなら,匿名発信にも意義があることを完全否定しないが。

 

ちなみに,私が書いている本ブログが信頼に値するかどうかは,読者の方々の見識に委ねるとして,少なくとも私は実名を出していろいろ書かせていただいている。

 

批判・意見はあるだろうが,根拠不明のいい加減な情報に与することなく,自分の言論には最低限の責任を持って書いているつもりである。

 

ところで,テレビの場合,無責任な情報源を根拠に,意図的にデマや虚偽事実を流すことなど基本的にはしていないと思われるが,


では何故テレビがダメかといえば,ジャーナリズムが権力を恐れ,権力に迎合し,肝心なことに黙殺を決め込んでいるからである。

 

この点について,東京工業大学教授の中島岳志氏が,7月31日付の東京新聞に論文を寄せているので,以下に抜粋・引用する。

 

「安倍内閣は投票率を下げて勝とうとする。だから、争点を明示しない。選挙を盛り上げようとしない。多くの浮動票層に関心を持たせず、固定票で勝ちきるというのが戦略だからだ。

 

「投票率を下げるためには、メディアが積極的に報道しないほうがよい。安倍内閣になってからテレビメディアの自主規制や萎縮が、繰り返し話題になっているが、


「テレビ番組を調査・分析するエム・データ社(東京都港区)によると、民放報道は前回選挙から四割も減少しているという。有権者は、必要な情報を手にする機会を確実に失っている。」(引用終了)

 

安倍氏は,メディアの中でもテレビの影響力を最も気にしている。政府には,ネット監視部隊も存在するが、今のところ,テレビ報道ほど神経を尖らせてはいない,

 

とはいえ,たとえば,「西日本豪富」で,今グーグル検索してみたところ,


政府の酒盛りの話題は,10ページ目まで検索してみたが,全く出てこないので,それ以上見るのをやめた。細かいことかもしれないが,政府によるネット規制とはこういうことなのだろう。

 

安倍政権と情報発信のテーマから少しはずれるが,権力側によるネット監視は,世界的な流れになってきており,政府が監視して何が悪いと言わんばかりの露骨な対応を示す国も現れ始めている。

 

最近の事例では,カザフスタン政府が国内のネットユーザーに,政府発行の「ルート証明書」のインストールを強要していることをニューズウィークが伝えている。

 

証明書をインストールすれば、パスワードやクレジットカード情報や私的な交信内容など、ネットで入力・投稿したあらゆる情報を政府が読み取ることが可能になる。

 

インストールを拒否すれば反体制派とみなされ,手始めに,逮捕などの厳しい身柄拘束処分が下されることになるものと思われる。

 

政府がテレビメディアに圧力をかけて,情報発信を意図的に抑圧し,同時に,ネット監視を強めて,一般国民や反体制側の情報発信を規制し,従わない者には物理的強制力を加えていく。

 

元CIAのスノーデンによると,日本の防衛省には,米国から購入したエックスキースコアがあるとのことなので,


カザフのような証明書のインストールなしでも,日本国民のネット情報が政府に筒抜けになっている可能性は高い。

 

国民のプライバシーを政府が監視・管理するという気分の悪い時代に我々は生きているということだけは間違いなさそうである。






年内解散総選挙なら安倍与党は大幅議席減間違いなし  

2019年9月12日

 


 

9月11日に発足した第4次安倍内閣の顔ぶれと自民党執行部の面々をみて,2点思ったことを書く。

 

1つは,米国との通商交渉協議は完全に決着済みで,(表向きは,交渉が終わったことになっているが,真相はわからない)あとはトランプと安倍氏の書名(儀式)を残すのみとなったことが明らかになった,いうことである。

 

これまで米国の政府高官らと売国交渉を重ねてきた茂木敏光が外務大臣に横滑りしたことは,協議担当からはずれたことを意味する。

 

表向きの交渉は終わったことになっているが,仮に,まだ裏交渉が残っているとすれば,今月末の署名前にあえて担当者を代えることなど普通は考えられない。普通は,であるが。

 

しかも,今後の裏交渉担当を,国会を休んで愛人と外国旅行をしたことが過去に報じられた経済産業相の菅原一秀や,業者と癒着して私腹を肥やしていた過去を持つ経財相の西村康稔に委ねるというのも,常識的に考えられない。

 

もっとも,どうせ米国に頭を下げるだけの土下座役が代わるだけだと考えれば,どんな下衆でも交渉担当は務まるが。

 

だが,トランプが,「日本ととてつもない巨大なディールを結んだ」と語っていたことと今回の人事を合わせて考えれば,安倍政権の売国取引は,表向きはもちろん,裏もすべて完了したと考えるのが妥当である。

 

主要野党は,取引の中身を署名後に徹底的に調査し,10月の臨時国会で真相を追及・暴露すべきである。とんでもない事実が隠されていることは間違いない。

 

取引の中身については,これまで本ブログで書いてきたように,日本国民の利益を著しく損なうものであることは確実なのだから,国会での具体的かつ厳しい追及は野党の責務であるといえる。

 

2つめは,年内解散総選挙なら,主要野党が過半数を制するかどうかはともかく,安倍与党の大幅議席減は避けられない,ということである。

 

 今の自公最大の欠陥は,国民から期待・信頼される,政権浮揚となりうるキーマンが誰もいない,つまり,人望やカリスマ性で票を吸収できる者が誰もいないという点である。

 

進次郎がいるではないかという人もいるだろう。今回の進次郎の登用は,与党のマンネリ・腐敗イメージ払拭を狙ったものと推察される。

 

だが,進次郎は,これまでの言動が示しているように,何の理念も理想も語ることができない,中身のないただの世襲議員である。

 

三バンがあるので,強固な支持層はいても,それを越えた支持を得ることなど進次郎には無理である。まともな感覚の無党派層が,彼に期待して自公政権に投票することなどまずない。

 

人間力で,無党派層の票を吸収して党基盤を支えることができそうなのは,今のところ,れいわの山本太郎,立憲の枝野幸男,さらに,好き嫌いは別として,橋下徹ぐらいである。

 

安倍氏も,進次郎登用だけで,総選挙に勝てるなどという甘い気持ちは持っていないはずである。

 

だからというわけではないが,今回の内閣や党執行部の顔ぶれを見ると,安倍氏は,直近の選挙に勝つためというよりも,


与党内の権力基盤をより強固にする目的で内閣改造を行ったのではないかとの見方もできる。

 

仮に,もし選挙用の改造なら,

 

森友文書ねつ造問題で辞任すべきとの声まであった,評判がた落ちの麻生太郎や,睡眠障害で疑惑から逃げ回っていた男を批判覚悟で登用しないはずである。

 

彼らの登用は,当面の選挙に勝つためということではない。気心の知れた者たちで周りを固めて,与党の内部権力基盤を強固にしたいという意思の表れであると推測できる。

 

それと,もし本当に年内選挙で勝つつもりなら,女性をあと3,4人は登用しているはずである。

 

それなのに,今回はセクハラパワハラの橋本と,テレビメディア恫喝の高市2人しかいない。自民党執行部を見渡せば,防衛大臣になって無能をさらけだしたウルトラ極右の稲田もいるが。

 

これらの人選で女性有権者にアピールできるとは思えない。そもそもアピールする気などないと考えるのが妥当だろう。

 

以上の点を考慮すると,年内解散はないと推測できるが,安倍氏に常識は通用しない。

 

だが,主要野党が準備不足であることや,憲法改正の大義名分を掲げて,仮に総解散断行となれば,主要野党にとっては願ったりである。

 

今回の内閣と党執行部の面々では,斜陽の安倍内閣が総選挙で苦戦するのは必至だからである。

 

埼玉,岩手の知事選の結果が示すように,今の与党は無党派層にそっぽを向かれている。

 

埼玉は投票率が50パーセントを切ったのに,与党は負けた。

 

これは与党にとってショックが大きかったはずだ。岩手は,野党共闘候補の得票率が70パーセントを超えた。

 

2つの知事選は,今の安倍与党支持者が固定客しかいないことを証明した。

 

繰り返すが,無党派層は今の与党には全く魅力を感じていない。

 

10月には消費税が導入される。今後安倍政権には,都合のいい話題など何一つ出てこないと思われる。

 

安倍政権終焉のカウントダウンがいよいよ始まったといっていいだろう。



今度は日本国民の個人情報まで米国に献上する?安倍政権 

2019年9月9日

 


 

今回の香港デモの「5大要求」とは関係ないが,中国は2020年までに,社会信用制度なるものを完全に運用することを目指している。

 

社会信用制度とは,14億人とされる中国人民の学歴,医療の記録,経済力,社会行動を調査・管理して,各人を800点満点でスコア化し,監視していくという制度である。

 

その狙いは,「国民の品行を標準化し、社会全体で個人の行動を効率的に査定することにある。」とされているが,

 

最大の狙いは,一部の識者が指摘しているように,反体制派の口を封じる武器として情報を利用することにある。

 

ターゲットの個人情報を収集して行動を監視し,弱みを握り,脅しすかしでだまらせるのが最大の目的であると考えられるのである

 

すでに一部のシステムが稼動しており,中国社会信用情報センターの発表に拠れば,2018年に,スコアの低い数百万人に対して,飛行機や鉄道の利用を禁止したという。

 

なお,英情報調査会社IHSマークイットによると、中国では公共の場所に設置されている監視カメラは,すでに1億台を突破しているが,2020年までには,27億6000万台に達するという。

 

監視カメラの話はとりあえず置くとして,日本政府も,ここにきて,国民の個人情報を吸い上げる活動に力を入れてきている。

 

マイナンバー制度の導入は,その序の口である。これにより,政府はターゲットの経済力をある程度ではあるが,把握できるようになった。

 

これが銀行口座との紐付けが将来義務化されると,政府は,ターゲットのカネの流れをより一層正確に知ることが可能となる。

 

昨年,菅官房長官は,携帯電話の通話料金引き下げに言及していたが,これは何も携帯電話会社の経営を圧迫しようというのではなく,携帯電話(スマートフォン)を全国民に利用させようとの狙いがあるものと思われる。

 

会話,メール内容は,政府に丸裸となり,今のスマートフォンは,電源を切っていても位置情報を確認できる。

 

つまり,スマホを所持しているだけで,権力側はリアルタイムでターゲットの情報を集めることができるのである。

 

政府がキャッシュレス決済を推進するのも,電子取引情報こそ効率的に個人情報を収集できる有効な手段と考えているからである。

 

米国のGAFA(グーグル,アマゾン,フェイスブック,アップル)は,膨大な個人情報をストックしているが,これに政府が目をつけないはずがない。


これらのデジタル企業が保有する情報は,近い将来,国家も管理できるように制度化されると思われる。

 

国家による国民監視のテーマは,非常に興味深いものがある。折に触れて,本ブログで今後書いていきたい。

 

日本政府が日本国民の情報を吸い上げて,反体制派への脅し,スカシに使うのではなく,(徴兵制採用に利用されるとの意見もあるが,それはここでは置くとして)


日本国が税徴収のためだけに適正に管理・運営していくというのなら,それほど問題はないだろう。

 

だが,そのような適正な運営・管理など100パーセントありえないことは言うまでもない。

 

それどころか,今月末に安倍晋三氏が署名する予定の日米通商交渉の中に,電子商取引に関わる項目があることがうわさされている。

 

情報の出所は,もちろん日本の忖度メディアからではない。トランプの口である。

 

8月26日の記者会見で,トランプは,「これ(日米通商交渉)は,Eコマース(電子商取引)を含む大きな取引だ」と述べている、

 

私が知る限り,この話は日刊ゲンダイしか伝えていない。


ただ,トランプの言葉なので,口からでまかせの可能性もあり,大メディアがいい意味で,まだ真偽不明の報道を控えているだけということなのかもしれない。

 

いずれにせよ,月末になれば大筋のことはわかるだろう。

 

もちろん,日本の忖度大メディアからではなく,トランプの口とツィッターからであるが,もしトランプの言ったことが事実ならば,とんでもないことである。

今後,日本国民は,安倍晋三の言葉ではなく,トランプの一挙手一投足に注視していく必要がある。


評論家にならずに自分のことだけを考えて安倍与党政権を粉砕しなければならない 

2019年9月5日

 


 

 

9月4日,香港政府は,「逃亡犯条例改正案」の撤回を表明した。

 

米中代理戦争の様相を呈している今回の騒ぎは,香港人民の抵抗で,行政が一定の譲歩を迫られる形となり,事態の収束が試みられようとしている。

 

香港人民から,まだ抵抗は終わっていないと言われそうだが,民主主義が死んでいないことを,ここまででも既に世界に証明したといってよいだろう。


歴史的・画期的な事例である。

 

裏で米国が糸をひいているとか暗躍しているとか,そのような評論家的な分析はどうでもよい。

 

香港人民は,行政権力の横暴に立ち上がり,実際に行動した。そして一定の成果を収めることに成功したのである。

 

何故彼らは立ち上がったのか。権力側の政策が自分たちの尊厳と生活を脅かす恐れがあると考えたからである。

 

別に彼らは,政治的イデオロギーに踊らされて,カッコをつけているわけではない。単に自分に不利益が及ぶ政策に反対したということである。

 

わが日本国民はどうか。

 

第二次安倍政権が発足してから7年が経とうとしている。

 

以来,日本の経済は,旧民主党政権時代よりも停滞し,社会の道徳や規範意識は崩壊した。

 

安倍晋三とその取り巻きは,自分を守るために,朝から晩まで毎日ウソをつきまくり,だからというわけではないが,平気でウソをついても許されるような世の中になってしまっているように思う。

 

安倍与党政権は,国民の1パーセント層の利益を極大化するための政策を遂行しているので,1パーセントの国民が安倍政権を支持するのは,道理にかなっているといえる。

 

その他の99パーセントをどう位置づけるべきか。

 

24パーセントの者たちは,1パーセント層の決定に,無自覚に追従する一方で,それなりに不満のない経済的利益を享受している。

 

彼らが得ている利益など,実は1パーセント層の100分の1にも満たないのだが,自分らが社会の上位層にいると大いに勘違いしているところがある。それが24パーセント層である。

 

この層の政治思想基盤はきわめて貧困かつ脆弱だが,それが表面化することもなく,天寿をまっとうことになる。

 

残りの75パーセントの者たちは,既得権益に無縁であり,1パーセントの者たちに,法的・政策的に,ただ搾取されるだけの奴隷のような人生を送っている。

 

ただ,彼らはそのことに気づいていない。または関心がない。これは日本国民特有の現象だといえる。

 

パーセンテージの根拠は,安倍政権が決定する各々の政策と国政選挙での有権者の投票行動の分析に基づいている。

 

別に,陰謀論など持ち出さなくても,これらの根拠となる証拠は,公の情報から得ることが可能である。

 

 

99パーセント層は,私を含めて,安倍与党政権が遂行する政策によって明らかに不利益を蒙る者たちである。

 

評論家的にならずに,自分の利益のことだけを考えてみればわかることである。

 

10月から100円のものを買えば,10円余分に払うことになるのである。これは明らかに我々に不利益ではないか。なぜそう思えないのだろうか。

 

不利益だと思ったら,何故反対しないのか。

 

しかも,その余分に取られたカネが,法人税と所得税の減税分に穴埋めされているだけだということがわかっても,なぜ消費税増税に賛成して,安倍与党を支持するのか。

 

基準不明瞭な軽減税率に加えて,中小企業を取るに足らぬ補助金で満足させ,ポイント還元やらプレミアム商品券やらで国民をだまそうとする。


このからくりが明らかなのに,なぜ参院選挙で反対しなかったのか。

 

自分の友人などに特定の便宜供与を図るなどして,絵に描いたような権力腐敗事件を起こした行政の最高権力者に対して,何故日本国民は抵抗しないのか。

 

何も香港人民のように,デモ行進をする必要はない。


75パーセント層は,次回衆院選を棄権しないで,自分自身に不利益しか及ぼさない安倍与党に引導を渡す行動をとるべきである。

 

具体的には安倍与党以外の政党,候補者に票を投じるということである。



主要野党は本筋を見誤らずに安倍内閣を追い込んでいくべきである 

2019年9月1日

 


 

昨年12月,私はブログで,申請取次行政書士の立場から,政府による外国人労働者受け入れ拡大政策が,日本を移民国家化することにはならないだろうとの見解を示した。

 

ただし,この結論は,次の2つの前提条件を満たして初めて説得力を持つ。

 

1つは,永住要件や帰化審査が厳格であること。

 

最高裁は,外国人の在留の自由を憲法上の権利として認めていないので,在留資格を拡大したとしても,永住資格等の付与などが政策的に厳格ならば,数年後に彼らは日本を出て行かざるをえなくなる。

 

長期間留まろうにも,在留の自由が憲法上の権利ではないのだから,更新を希望する外国人に対しては,行政裁量で本国に帰国していただくことになる。

 

少し乱暴かつ直情的な結論で,異論は大いにあろうと思われるが,この位の姿勢で臨まなければ,懸念される移民国家化を防ぐことはできないというべきである。

 

制度当初からそのような運用がなされることにより,そうした実態が外国人に周知されれば,後に大きな混乱は生じないものと思われる。

 

もう1つの前提条件は,順番が先後してしまったが,法や行政指針で定めた在留資格要件の厳格な審査・運用がなされること,である。

 

ところが,この第2点目の前提条件に疑義を生じさせる不祥事が先日発覚した。

 

某人材派遣会社が在留資格を申請している外国人について,上野厚労政務官が法務省に問い合わせするなどして、その見返りとして金銭を要求していた,という事件である。

 

これが事実なら,上野にはあっせん利得処罰法違反,もしくは刑法上の受託収賄罪が適用される可能性がある。

 

政治家の判断で在留資格が決まるとなれば,改正までして,そもそも何のための入管法かということになるし,移民国家化の懸念が浮上してくることにもなりかねない。

 

その点はともかくとして,入管実務に身を置く筆者の立場からみれば,上野の事件など氷山の一角である。

 

改正入管法の成立経緯にまでさかのぼって調査すれば,政治家・役人の不正行為はゴロゴロ出てくるはずだ。

 

ただし,上野の事件発覚を突破口に,入管実務の闇を徹底的にあぶりだしたところで誰の得にもならないし,大多数国民に直接の不利益が及ぶわけでもない。

 

上野の事件は,大多数国民の興味を引きつけるような問題でないのである。


安倍晋三氏には,任命責任の問題が残るが,入管実務の闇がすべて安倍政権の責任というわけではないので,

 

野党は,この問題の追及をほどほどにするのが現実的である。(ほどほど追及,であって,無視しろということではない。)

 

今,野党が本腰を入れて徹底追及すべきは,


自民党議員にさえ情報開示されていないという日米貿易交渉の具体的内容に関する問題と,GPIFの業務概況書ねつぞう問題である。

 

日米貿易交渉については,基本合意の内容の一部が公表されたが,

 

自動車の関税引き下げ撤廃,肉などの輸入数量の上限を定めるセーフガード発動基準の不明示,不可解なトウモロコシの大量購入などが問題とされる。

 

GPIFは,損失規模を事前に試算するストレステストを業務概況書に記載するよう会計検査院に指摘されていたにもかかわらず,7月5日に公表した同書面には記載がなかった。

 

いずれも大多数国民の利益・生活に直結する大問題であり,有権者の関心はきわめて高いと考えるべきである。

 

立憲民主党など主要野党は,これらの問題で安倍政権に妥協してはならない。

 

安倍政権に付き合って憲法改正論議などやっているヒマはない。主要野党には,徹底的にこれらの問題点を追及していく姿勢が望まれる。




 

歴史も解釈も捻じ曲げているのは安倍政権の方ではないか 

2019年8月29日

 


 

8月28日発信の毎日新聞サイトで,非常に気になる記事があったので,以下,引用する。

 

「河野外務大臣は「日韓間において今、最大の問題は1965年の(日韓請求権)協定に関するもの。もし韓国が歴史を書き換えようとするなら、それは実現できないことを韓国側は理解すべき」と主張した。」(引用終了)

 

ここまではいいだろう。問題は,損害賠償を含めた請求権についての日本政府の立場についての記述である。(以下,「」が引用箇所)

 

(日本政府は)「日韓請求権協定で両国間の請求権の問題が解決されたとしても、被害者個人の請求権を消滅させることはない」との考えを共有してきた。損害賠償請求権についての実態的権利は消滅していないが、裁判上訴求する権利は失われたとする解釈だ。」(引用終了)

 

「実態的権利」は,おそらく「実体的権利」の誤解と思われるが,その点はともかく,日本政府はいつからこのような「解釈」をとっているのだろうか。



 河野に言われて,1965年当時の条約内容や,1991年に柳井俊二条約局長が国会で,個人の請求権は消滅していないと答弁した「歴史」資料を調べてみると,


2007年の日本の最高裁は,確かにこのようなことを述べていた。

 

だが,私の不勉強でなければ,今回の新聞記事のような政府解釈がとられていた事実は,それ以前において,ない。

 

つまり,今回の日本政府の「解釈」は,2007年判例を踏襲したものであり,それ以前の歴史的事実に基づいた見方ではないと思われる。

 

そもそも「損害賠償請求権についての実体的権利は消滅していないが、裁判上訴求する権利はない」などという言い分が通るのかが問題だが,

 

このような解釈の債権は自然債務と言われている。

 

法学部の学生が,債権法の授業の始めに一応習う化石化した法律概念だが,この考え方は昭和初期の判決で採用されている。

 

元々は古代ローマ法で認められていた考え方だが,この概念の有用性や背景説明は割愛するとして,近代法の下では,このような概念を認める必要性はないとする学者も少なくない。

 

だが,一番の問題は有用性云々ではない。

 

元徴用工事件の韓国最高裁判決後に,古代ローマや昭和初期でしか認められないような概念を持ち出して,相手を一方的に非難する日本政府の不誠実が問題なのである。

 

これでは,70年代に入ってから,「尖閣は我々の領土である」と突然主張してきた中国を非難することもできないだろう。

 

少なくとも,1990年代まで,「個人の請求権は消滅しない」との立場に政府も異議はなかった。この歴史的事実を直視すべきである。


それが2000年代に入ると,解釈が一変した。

 

2018年11月14日の国会でも,共産党の質問に対して,外務省の三上正裕国際法局長が,「個人の請求権自体は消滅していない」と答弁した事実も見逃せない。

 

これらを踏まえると,「いや,個人の請求権は自然債務だから,訴求力はない」などと言われた相手が,「はい,そうですか」と納得するとは思えない。

 

日本国内で完結する事件ならともかく,外国の裁判所の判決を,自然債務なる概念を持ち出して封じてしまおうというのだから,そもそも無理がある。

 

この問題をさらに難しくしているのは,条約違反云々の議論は置くとして,

 

2005年に韓国政府が,日韓協定が定めた経済協力金に,元徴用工への補償問題解決の資金も含まれるとの見方を示していたことである。

 

先の韓国最高裁判決が,この政府見解と相容れないのではないと言えなくもないだろう。

 

だが,その点を差し置いても,2007年判決後に,それ以前は主張していなかった自然債務概念を持ち出して言い訳してきた日本政府よりもまだかわいいといえる。


いずれにせよ,日本の政府見解やメディア報道のように,日本の言い分が正義で,韓国はそうではない,との一方的な見方が必ずしも正しくないということだけは確かである。





こじれた韓国との関係をこれ以上悪化させない手は残されている 

2019年8月26日


 

8月22日に韓国大統領府が,日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する,と発表したことを受けて,ある自衛隊幹部が,

 

「影響は限定的だろう」「日米韓で北朝鮮問題に対応しようという象徴でもあった。そちらの方が問題ではないか」旨述べたことを,同日20時9分配信の時事ドットコムが伝えていたが,

 

本ブログも同意見である。「影響は限定的」とは,影響はゼロではないが,たいした問題ではない,という意味に捉えることができるが,その通りだろう。

 

そもそも安倍政権による輸出規制措置は,参院選挙の話題からの目くらましパフォーマンスで行われたものである。

 

8月2日付のフォーブスJAPANは,

 

「日本政府や経済産業省は「あれ(輸出規制措置)は韓国にお灸をすえたのであって、さらなる輸出規制強化や禁輸を考えているわけではない」というのが本音のようだ。」との官邸筋の情報を伝えている。

 

ところが,日韓ともに,大メディア(特にテレビ)があおったことで,両国とも引っ込みがつかなくなり,その後事態はさらに悪化した。

 

冷静に考えればわかることだが,ホワイト国除外,といっても,通常審査に戻るだけで,日本から輸出そのものが規制されるというわけではない。

 

GSOMIA破棄通告というが,GSOMIAは,いわゆる「北朝鮮の脅威」に備えるために,日本としては,元々米国から言われて仕方なく結んだような軍事条約である。

 

韓国と国交を断絶するのならともかく,条約という形式での法的根拠がないからといって,韓国と情報共有や交換ができなくなるわけではないのである。

 

事実,8月23日,韓国大統領府の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)国家安全保障室第2次長は,日本との機密情報の共有は、米国を含めた3カ国の枠組みを通じて行うことになると述べているではないか。

 

そもそも北朝鮮の脅威というが,安倍氏は,北朝鮮が中・短距離ミサイルを飛ばしても,今やゴルフをやめないぐらいだから,本心では全く「脅威」を感じていないといえる。

 

そのような安倍氏が,韓国との軍事条約破棄など大騒ぎする問題ではないと考えているとすれば,それはある意味正しいと言える。

 

中国の脅威はどうなんだ,と言われそうだが,元外交官の孫崎享氏によると,中国は,1200発のミサイルを日本に向けているらしく,

 

仮にその1200発をまとめ打ちされたら,迎撃は不可能なので,一瞬にして日本列島は沈没することになる。

 

つまり,中国の脅威と韓国との軍事条約破棄は次元の違う話であり,中国への懸念は中国との外交努力で払拭すべき問題だといえる。

 

話を戻すが,文政権にとって頭が痛いのは,側近のスキャンダル発覚に加えて,北との関係がうまくいっていないことである。

 

これは日本にとっては不幸中の幸いであり,今の文政権には,日本に対して強気一辺倒で向かってくるエネルギーはそもそもない,と考えていいだろう。

 

このような文政権に対して,今後日本は,しばらくは軍事条約破棄への報復を考える必要はない。

 

徴用工裁判で負けたといっても,敗訴企業への強制執行はまだ行われていないのだから,企業はもとより,日本政府にも現段階で実害が生じているわけでもない。

 

死に体の文政権が強制執行を強行ことは,しばらくはないと思われる。このことは,日本に善後策を講じるための時間的猶予が与えられることを意味する。

 

日本がとるべき最善の策は,輸出規制措置,ホワイト国除外を全面撤回して,文政権にアメを与え,その上で,猶予期間を利用した韓国政府との交渉を粘り強く行うことである。

 

それでダメなら,あとは粛々と国際司法裁判所に提訴すればいいだけのことである。とにかく今は拙速に報復に動く必要はない。


立憲と国民民主の統一会派結成は野党分断を加速させる結果となるだけ 

2019年8月21日

 


 

立憲民主党と国民民主党が衆参両院で統一会派を結成するようだ。

 

参議院HPによると,会派とは「議院内で活動を共にしようとする議員のグループ」のことで,政党とは「一般的には、政治について同じ意見をもつ人たちが、その意見を実現するためにつくる団体のこと」をいう,と説明されている。

 

この定義を解釈すれば,「政党は別だが,会派を組む」とは,「立憲と国民民主は,政策は異なるが,議院活動はともに協力していきましょう」という意味にもなるが,

 

どう考えても,これはこじつけ以外の何者でもない。政策や理念が違う政党同士が,議院(国会)活動を共にできるわけがないからである。

 

もちろん,共にできる政策もあるだろうが,それはそれで是々非々で,つまり政策ごとに協力しあえばよいだけの話ではないか。

 

統一会派も政党同士の合併も,大多数国民から見れば,やっていることに大差ないということが彼らにはわからないのだろうか。

 

今回の合流は,立憲を支持している,あるいは,これから立憲を支持しようとする有権者には何のアピールにもならないことは明白である。

 

早速わけのわからないニュースが飛び込んできている。

 

立憲は,会派入りの前提条件として、同党が提出した原発ゼロ基本法案などへの協力を要請し,玉木代表は20日の党首会談で、立憲の主張を「理解し、協力する」と表明したという。

 

ところが,国民民主の小林正夫総務会長(電力総連出身)は,記者団に「立憲が原発ゼロを考え方として持っていることは理解した」と述べたにとどまっており,


原発ゼロ法案に関しては「容認したわけではない」と明言したという。

 

だが,このような立場の相違の表面化は,党首会談段階でわかりきっていたことであろう。それなのに,枝野,玉木両代表は,この問題を棚上げにして,強引に会派結成を決意した。

 

百歩譲って,政策の相違に目をつぶったとしても,両党の合流で自公勢力を「数で」凌駕できるのなら,今回の話を苦渋の決断として評価してもいいかもしれない。

 

だが,両党が合流したところで,自公勢力には遠く及ばないのが現実である。

 

立憲は,共産やれいわなどの主要野党と結集しなければ,与党には対峙できないと考えるべきなのである。

 

だが,国民民主との合流によって,立憲は,共産やれいわと将来的に合流するのは難しくなった。原発政策に違いがありすぎるからである。

 

枝野代表が会派結成を決断したのは,すべては選挙のためと思われる。

 

先の参院選では,総評系の立憲の連合組織内候補者は,5人全員が当選した。だが,票は伸びなかった。

 

トップ当選した自治労出身の候補者は15万7千票を獲得したが,この数字は,同盟系の国民民主で落選した候補者の19万2千票を大きく下回っている。

 

この現実に直面した枝野代表は,選挙では連合に頼らざるを得ないことを再認識し,国民民主を袖にできないとの結論に達し,結果,今回の会派結成を決断したものと推察される。

 

だが,枝野氏が参院選を踏まえて,今回の会派結成に踏み切ったとすれば,戦略上,大きな間違いを犯したというべきだろう。

 

参院選で立憲が負けたとすれば,負けた相手は自公でも国民民主でもない,れいわとN国に,無党派層へのアピール合戦に負けたと分析すべきだからである。

 

幸い,れいわとは政策に共通性があり,かつ,選挙後も国民のれいわへの支持は減速していない。

 

ゆえに,立憲は,れいわとの協調路線を早急に検討・実現すべきだった。

 

ところが,枝野氏がパートナーとして,まず選んだのは,政策の異なるかつての同僚たちだった。

 

これで,野田グループも合流しようものなら,旧民主党,民進党の復活である。これまでの枝野氏の言動は何だったのかと国民は困惑するのではないか。

 

次の衆院選が来年秋までずれ込めば,それまでに会派は実質的に破綻し,れいわに無党派層の票が今以上に流れていくに違いない。




立憲が組むべきは「れいわ」であって「国民民主」「N国」ではない 

2019年8月19日

 


 

 

N国の幹事長に就任したばかりの上杉隆氏が,次回衆院選の小選挙区289すべてに候補者を擁立して「政権交代を目指す」と吼えているようだが,

 

参院選が終わった間もない現タイミングで,大風呂敷を広げて強気の姿勢を見せるのは戦略的に失敗であると言わざるをえない。

 

私がN国の人間なら,衆院選の前まではおとなしくして,それまでは官邸を刺激するような言動をあえて取らないだろう。

 

私が官邸側の人間なら,舞い上がっているN国を叩き落すのは簡単だからである。

 

N国の立花代表は,NHK受信料を払わないことを公言している。

 

そうなれば,NHKは,立花氏を裁判に訴えるだろう。

 

確実に敗訴する立花氏は,支払いを余儀なくされることになるが,それでも彼は払わないと思われる。

 

そうなれば,強制執行手続きによって,その場合は,おそらく立花氏の歳費が差し押さえられることになるだろう。

 

この一連の流れの中で,立花氏に対抗手段はなく,NHKにやられるがままになって受信料の問題はとりあえず決着することになるはずである。

 

私が官邸側なら,強制執行が衆院選直前に行われるよう段取りを仕組んで,強制執行が完了した時点で,大メディアにその事実を流す。

 

事実を知ったN国支持の無党派層は,「NHKをぶっ壊すと言うのは口先だけだったか。しょせん彼らは無策だ。頼りにならん」と失望を露にするだろう。

 

無党派層の支持を失ったN国は,それまでの党の勢いがウソのように,急激に支持を失っていくはずである。

 

そうなれば,全小選挙区に候補者擁立して政権交代を目指す云々など,安倍総理顔負けのホラ話とともに,党そのものが消え去っていくに違いない。

 

N国はしょせんアウトサイダーであることを自覚して,立場相応の振る舞いをすべきだと思うのだが,立花氏も上杉氏も,メディアに大々的に取り上げられるようになってきてから,気持ち的に舞い上がってしまっているようだ。

 

本ブログは,方針を転換して,N国の支持を凍結したいと思う。

 

立場を忘れて大風呂敷を広げ始めたN国には,選挙前に官邸につぶされないように,せいぜいがんばれとしか今は言いようがない。

 

そうなれば,これまで本ブログで何度も書いてきたことだが,次回衆院選で,安倍政権打倒の中心となる野党は,現実的に考えて,やはり立憲民主党を中心とする主要野党連合しかないということになる。

 

現時点では,N国には,共闘の枠組みからはずれてもらうことになるのは仕方がない。

 

そうなると,立憲を中心に,組むべき相手が問題となるが,8月15日,枝野氏と、国民民主党の玉木代表が,統一会派の結成について話し合ったという。

 

だが,結局、モノ別れに終わった。

 

会談後に,枝野氏は,「われわれの提案にお答えになっていないので、お持ち帰りいただいた」と述べていたが,そもそも会派結成の話は,立憲から呼びかけたものである。

 

それでいて,この枝野氏の物言いは何を意味しているのか。

 

彼はそもそも国民民主との無理な共闘に慎重な姿勢を崩しておらず,この点に過去から現在に至るまで,いささかのぶれもない。

 

それなのに今回会談したのは,連合の神津会長にけしかけられたから仕方なく,ということではないかと思う。

 

要するに,彼個人は,今回の会談も,会派結成も初めから全く望んでいないということである。

 

先の参院選の結果が示しているように,立憲は「草の根」と謳いながら,「連合」なるいかがわしい組織に依存しているのが実情である。

 

選挙の翌日に,枝野氏が真っ先に神津会長のいる連合会館を訪れた事実が両者の関係を物語っている。

 

立憲の連合依存は,必然的に政策や方針のブレを伴うことになる。立憲には連合からの自立を促したいところだが,選挙を考えるとそうもいっていられないというのが今の彼らの本音である。

 

だが,れいわ新選組の存在が,今後も全国的に浸透してくれば,劇的に展開が変わってくる可能性がある。

 

立憲は,連合依存で政策が合わない国民民主ではなく,政策に共通点の多いれいわ新選組との共闘を第一に,衆院選に臨むべきである。

 

その際,共産と社民をないがしろにしてはならないことは言うまでもない。




「恥ずかしくおぞましい」安倍内閣を葬り去らねば日本に未来はない 

2019年8月15日

 


 

自民党は,「本日(8月15日)、74回目の終戦記念日を迎えました」との切り出しで談話・声明を発表している。主要野党の談話も同様の切り出しだが,事実ではない。

 

8月15日は,天皇がラジオ放送で「戦争をやめる」と宣言した日というに過ぎない。

 

正式な終戦日は,降伏調印式が行われた1945年9月2日であり,現に米国側はそのような認識に立っている。

 

なぜ日本では9月2日を終戦日と言わないのか。理由については,いろいろ言われているが,

 

要は,敵国艦上での降伏調印という屈辱的事実から永遠に目を背けていきたいという感情的理由によるものと思われる。

 

だが,このような態度では,正確な歴史的事実を後世に伝えることなどできなくなる。

 

日本では,公文書や記録がないのをいいことに,明治維新後は,権力側のいいように歴史がゆがめられている。

 

近代史は,日本が欧米の金融資本の軍門に下るという,日本の権力者にとっての屈辱的事実が山のようにあるからそうなるのだろう。

 

問題は,日本の権力者に染み付いたその奴隷精神のレガシーを,現代の政治家,官僚が引き継いでいるという事実である。

 

先の米国大統領への日本政府の過剰な接待がそれを証明している。

相撲にゴルフにぜいたくなレセプションと,安倍総理のこびへつらいは,奴隷精神そのものであった。

 

話を戻すが,日本の真実が,米国の公文書や時の外国人の回顧録や発言記録から明らかになっていくというのは,異常な状況というほかない。

 

フーバー大統領の回顧録を解説した著書が数多く存在するが,それらによると,日本は,原爆が投下されたから降伏したわけではないという。

 

1945年3月に,重光葵外相が東京駐在のスウェーデン公使と会って、スウェーデン政府に和平の仲介を求めるように要請していたとのことである。

 

この要請は空振りだったようだが,その後,7月25日のポツダム会議までに、日本は継続して、和平について米国やソ連に打診していたという。

 

米国のトルーマン大統領は,日本の外交電文を読んで、そのことを承知していた。

 

ところが,トルーマンはそれを無視し,原爆投下を命じた。

 

ここまではフーバーの回顧録に拠る事実だが,木村朗氏,高橋博子氏共著の「核の戦後史」(創元社)によると,2度の原爆投下は,人体実験だったとのことである。

 

著者が根拠としたのは,やはり米国の公文書である。ちなみに,日本の公文書の管理はというと,8月14日付の朝日新聞サイトに,公文書がらみの以下の事実が掲載された。それによると,

 

73年前の敗戦時に,陸海軍、内務省、外務省などあらゆる組織が,戦犯を逃れるために公文書を焼却していたという。

 

この朝日新聞の報道を受けて,小沢一郎氏がツイッターで,

 

「300万人以上の国民を死に追いやり、この国を滅亡寸前にまで追い込んだ戦争指導者達が、負けるとわかると、今度は自分達が助かるため証拠隠滅。こういう恥ずかしくおぞましい過去を噛み締めることが本当の歴史教育」

 

「安倍政権はこの逆のことをやっているが」とコメントしている。本ブログは,小沢氏を好きになれないが,この意見は実に的確だと思う。

 

加えて,この小沢氏の意見について反応した書き込みが本ブログで言いたいことをすべて言ってくれている。以下,朝日新聞の記事からそれを引用すると,

 

「証拠隠滅だけを学習した戦犯が政治をするから森友・加計が証拠不十分となり、国家統計の捏造や隠滅が常態化する」

 

「国家権力で犯罪を揉み消す。森友問題値引きの根拠だったはずのトラック4000台分のゴミは無かった事実?それを隠す為に公文書を改竄?財務局職員は圧力に耐えかね自殺?国会では改竄された公文書で一年間も税金を無駄にして審議され責任をとらない。これで不起訴は揉み消し」(引用ここまで)

 

森友の偽造ねつ造は言語道断だが,2004年から始まった厚生省の統計偽造ねつぞう不正問題が浮上した今年,本ブログでは,「国家存亡の危機的な問題」として,主要野党の徹底追及を求めていた。

 

ところが著名な有識者らの反応は鈍く,たとえば,古賀茂明氏や天木直人氏などは,この問題を


「大きな問題ではない」「国民は関心がない」「野党はいつまでこの問題を国会で取り上げているのか」などと述べていたので,当時驚いた記憶がある。

 

将来の世代が,偽造ねつ造された公文書や統計から正確な知識・歴史を学ぶことができなくなるという意味において,これは大問題だと思うのだが,如何なものか。

 

だが,彼らの意見など今さらどうでもいい。我々国民は,ウソや偽造ねつ造に慣らされることなく,「恥ずかしくおぞましい」安倍内閣を追及して,次の国政選挙で必ず排除しなければならない。








NHKは森友問題をお盆特番として報道すべきである 

2019年8月11日

 


 

前回のブログアップの翌日に,NHKの集金人らしい男が来たが,もちろん完全無視した。

 

来たのは午後12時半と夕方6時である。夕方の時間はまだ許せるとしても,世間一般的に昼食時の12時半に取り立てに来るとは,どういう神経をしているのか。

 

集金人に文句を言っても仕方がない。一昨年に本ブログで書いたが,改めてNHKに言っておく。我が家にはテレビがないということを,

 

時々NHKの番組を取り上げて酷評しているのは,すべて出先で見てきたのを書いたものにすぎない。

 

自宅にテレビを設置することは今後も予定していないので,NHKには2度と来るなと言っておきたい。

 

そもそもNHKを論評するのに,安倍政権以降,テレビを見る必要がなくなってきたともいえる。ネットのニュースサイトをチェックすれば,大体放送内容も把握できるからだ。

 

たとえば,9日15時29分発の森友学園問題のニュース記事を読めば,NHKというメディアの立ち位置を再確認することができる。

 

ニュースサイトでは,「森友問題 財務省職員ら全員を再び不起訴 検察の捜査終結」の見出しで,以下の記事がアップされている。

 

「森友学園をめぐる一連の問題で、大阪地検特捜部は、(中略)再捜査を行っていましたが、9日、改めて全員を不起訴としました。これにより(中略)捜査が終結することになりました。」

 

「政治家らの働きかけの有無について「検察審査会の指摘を踏まえて必要かつ十分な捜査をした」としていますが、どのような捜査をしたのか具体的な説明は一切しませんでした。」

 

実際の記事はもちろんこれよりもいろいろ書かれているが,基本的に検察の言い分と原告側の不満らしきコメントをただそのまま記事にしているだけである。

 

検察が捜査について何も説明しないのなら,それをあらゆる角度から調べ上げて明らかにしようと努めるのがジャーナリズムの役割ではないのか。

 

ところが,権力御用機関に堕したNHKにはそのようなジャーナリズム精神が皆無ときている。

 

だからNHKは批判されるのである。このような下らない報道機関が,テレビを置いているというだけで,NHKを見てもいない,見たくもないという国民から,裁判まで起こしてカネをむしりとっているのである。

 

このような行動を容認している社会というのは,どう考えても健全とはいえない。

 

この文脈から,N国にはがんばってほしいと期待しているが,私が敬意を表している識者らが,揃いも揃ってN国を酷評しているのは残念である。

 

確かに,この政党には「NHKを壊す」以外に政策はない。わけあり議員の巣窟になりかけている点も問題である。

 

国会がこのような政党ばかりなら,国民生活,社会は機能しなくなるだろう。

 

その意味で,N国のような政党が,主流になることまでは望まない。

 

が,一定の支援は必要であろう。受信料問題に挑戦しているのは彼らだけであり,他には誰もいないからである。

 

受信料問題に風穴を開けるには,彼らの存在が不可欠なのである。NHKに少しでも不満がある国民は,彼らの存在を100パーセント否定してはならないというべきである。

 

前置きが長くなったが,本題に入る。森友問題である。

 

森友問題は,時の最高権力者がその地位を利用して特定私人に多額の税金を投入して便宜供与を図るという,典型的、絵に描いたような権力腐敗事案であり,検察やNHKが何と言おうが,このままスルーできる瑣末な問題ではない。

 

価額10億円前後の国有地が,何故に実質1億円以下にディスカウントされたのか。値引きの根拠は何だったのかは今もって全く不明である。

 

国が根拠として提示していた試掘写真資料(ごみが穴に埋まっているとされる箇所を撮影した複数の写真)は偽造されたものだった。

 

誰が偽造を指示したのか不明である。

 

財務省が公表した「本省相談メモ」によると,安倍昭恵夫人が,小学校の建設予定地について「いい土地ですから、前に進めてください」と述べた旨記録されていた。

 

この発言は,近畿財務局と森友の交渉記録に記載されているはずだが,財務省はいまだに公開していない。

 

自殺者まで出して財務省は300箇所以上の文書を偽造したが,それに飽き足らず,まだ隠している文書があるということである。

 

検察が再捜査で押収したのかどうかは今となっては闇の中である。

 

籠池氏は,週刊文春のインタビューで,安倍昭恵が籠池氏にゆうパックで送ったとされる書面は,検察が没収したという。

 

その書面とは,安倍晋三氏が森友の講演会に急遽出られなくなったことを記した詫び状である。その書面には安倍氏の署名が入っており,印鑑も押されているという。

 

安倍夫妻が森友に深く関わっていることを証明する文書が検察庁に保管されているということである。

 

2015年11月,安倍昭恵の秘書だった谷査恵子氏が籠池氏に電話で「国有地の賃料引き下げについて,財務省の田村嘉啓国有財産審理室長と話をつけたから大丈夫だ」と言ったとのことである。

 

安倍内閣は,財務省の田村嘉啓国有財産審理室長が谷氏の要請を断ったと説明していたが,籠池氏の言い分が事実なら,安倍内閣か,財務省がウソつきだということになる。

 

検察が調べないのなら,NHKがジャーナリズム精神を発揮して,たとえば,イタリアまで行って,谷氏をつかまえて取材すべきではないのか。

 

9割ディスカウントの根拠とされる土の搬出を請け負った造園土木会社の社長が,2017年3月に不可解な死を遂げた。

 

死亡したのは,毎日新聞が社長の証言を掲載した翌日だった。何故彼は死んだのか,全く謎である。

 

安倍夫妻と本事件との関連を明らかにするには,昭恵と元秘書の谷氏への追及が不可欠なのである。これをスルーして,政治的な幕引きなどありえない。

 

NHKが徹底追及する,というのなら,今日にでも早速テレビを買って,喜んで受信料を払わせていただく。




 

NHK受信料支払い拒否は,この方法しかない 

2019年8月7日

 


8月3日付日刊ゲンダイサイトによると,


7月31日,市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表の醍醐聰・東大名誉教授が,東京のNHKを訪問し,広報局幹部らと会い、見解を求めたという。

 

記事によると,醍醐氏は,NHKに対し,「受信料不払いを他人に勧めることは,法律違反である,とNHKはHPで警告しているが,放送法には受信料の支払義務を課す法文はなく,法律違反には当たらない」

 

となどと指摘したという。最終的に,広報局幹部は押し黙ってしまったとのことである。

 

「だから,受信料支払い拒否は合法である」と言いたいところだが,少し違うのではないかと思う。

 

「法律違反にあたる」というNHKの警告文の文言も幼稚だが,醍醐氏の指摘も的確ではない。

 

確かに,放送法には,「受信料を払わなくてはならない」という文言はなく、支払いについては義務付けてはいない。

 

しかし,2017年12月の最高裁判決は,受診契約を結べば,NHKに受信料債権が発生するといっている。

 

正確性を期すために,同判決文を以下「」で引用する。読みにくければ,引用部分は読み飛ばしてもかまわないが,現状の受信料問題を理解する上で,重要な箇所となる。

 

「放送法64条1項は,受信設備設置者(筆者注:我々国民を指す)に対し受信契約の締結を強制する旨を定めた規定であり,」

 

「原告(NHKを指す)からの受信契約の申込みに対して受信設備設置者が承諾をしない場合には,原告がその者に対して承諾の意思表示を命ずる判決を求め,その判決の確定によって受信契約が成立すると解するのが相当(中略)

 

 

「上記条項を含む受信契約の申込みに対する承諾の意思表示を命ずる判決の確定により同契約が成立した場合」

 

「同契約に基づき,受信設備の設置の月以降の分の受信料債権が発生するというべきである。」(引用ここまで)

 

つまり,テレビが写る状態にした瞬間に,我々は,NHKを見ようが見まいが,否応なくNHKと受診契約を締結したものとみなされ,

 

同時に,我々には受信料支払義務が発生するのだ,と最高裁は述べているということである。

 

NHKに訴えられた国民(被告)は,

 

 

「放送法64条1項は,原告の放送を受信しない者ないし受信したくない者に対しても受信契約の締結及び受信料の支払を強制するものと解されるところ,そのような放送法64条1項は憲法に違反する」

 

とも主張したが,このまっとうな意見も,以下の意味不明の論理で葬られてしまった。これも少し長いが,引用する。

 

「受信設備を設置していれば,緊急時などの必要な時には原告の放送を視聴することのできる地位にはあるのであって,受信料の公平負担の趣旨からも,受信設備を設置した者に受信契約の締結を求めることは合理的といい得る。原告の独立した財政基盤を確保する重要性からすれば,上記のような経済的負担は合理的なものであって,放送法64条1項は,情報摂取の自由との関係で見ても,憲法に違反する

とはいえない。」

 

何度読んでも意味不明,結論ありきで,説得力がない。この理屈を推し進めると,ネットはもちろん,ラジオを所有している者からもNHKは受信料を取れることになってしまうだろう。

 

とはいえ,いくら不当と叫んでも,このような最高裁判決が現に存する以上,我々国民は,強制的に従わざるを得ない。

 

「法文がないから我々国民に支払い義務はない」と言うが,判例は,裁判官が具体的な事件に関して,特定の,ある条文を解釈して,当該事件を解決したものである。

 

そのような最高裁判例は,事実上法律の条文と同じ拘束力をもつのである。

 

そうだとすれば,「法文にないから,受信料支払い義務はない」との指摘はあたらないことになる。

 

また,N国の立花孝志党首は,「契約するけど受信料は払わない」と述べていたが,これも最高裁判例の下では通らない。

 

松井大阪市長,吉村大阪府知事も,「立花氏が不払いOKなら我々も払わない」と追随していたが,これももちろん通らない。

 

現状,テレビ設置者がNHKの受信料請求を拒むには,「訴えられても踏み倒す」というのは置くとして,

 

最高裁判例の変更か,

NHK受信料支払義務がないことを確認する法律,などの法律を議員立法で成立させる

 

のいずれかになるだろう。

 

判例変更の可能性については,官邸が裁判官人事を握っている現状では,期待できない。

 

2点目の「議員立法で判例を葬る」方法はどうか。

 

しかし,N国所属の国会議員は,2人しかいないので,国会法が定める発議要件にも,機関承認の慣例によっても,法案提出はまだ無理だろう。

 

となると,テレビ設置者の国民が合法的に受信料請求から逃れる術は,現状ない,と言わざるを得ない。

 

衆院選のN国の躍進に期待するしかないというのが結論となる。




日本も韓国も政争の具に利用しているだけの輸出規制問題 

2019年8月4日

 


 

安倍政権による韓国への輸出規制強化について,以前,本ブログでは,

 

参院選挙の話題から有権者の目をそらすための目くらましであり,さらに,

参議院選挙中に,自民党の右派支持層らを喜ばすために仕掛けたパフォーマンスにすぎないとも指摘した。

 

元経産省の古賀茂明氏も,週刊プレイボーイの連載で,参院選の選挙パフォである旨の指摘をしているが,

 

8月2日付のフォーブスJAPANも,

 

「日本政府や経済産業省は「あれ(輸出規制措置)は韓国にお灸をすえたのであって、さらなる輸出規制強化や禁輸を考えているわけではない」というのが本音のようだ。」

 

と記述している。

 

冷静に考えれば,今回の輸出規制措置は,米中の貿易戦争のような大げさな話ではないのだが,

 

大メディアが煽りすぎて,安倍政権も引っ込みがつかなくなり,支持率低迷の韓国政府がそれを利用し始めるという構図に最近は転化してきたように思える。

 

事実,文政権の支持率が,日本叩きのおかげで上昇の兆しを見せている。

 

まず,そもそも日本が輸出規制を強化したところで,韓国は第三国経由で輸入すればよく,

 

ホワイト国対象外,といっても,通常審査に戻るだけで,日本から輸出そのものが規制されるというわけでもない。

 

また,韓国政府も企業も,日本のこのような動きを事前に察知して,昨年からさまざまな手立てを講じている。

 

たとえば,サムソンは,台湾メーカーとフッ化水素の供給契約を結び,生産プラントの増設契約も締結しているし,中国メーカーも参入している。

 

また,サムソンらの主力商品のNAND型フラッシュメモリー,DRAMには,今回の規制対象のレジストには,あまり使用されることがない。

 

たとえ使用しても,欧州から調達すれば足りる量だと思われる。

 

輸出規制強化で困るのは、むしろ日本のメーカーの方である。お客さんを失う結果となるので,たとえば,フッ化水素を扱う中堅企業には死活問題である。

 

ただでさえ,日本の半導体産業は技術的に世界に遅れをとっており,加えて,貴重な取引先まで失うともなれば,

 

今回の措置で最も打撃を受けるのは,韓国ではなく,日本の半導体産業であると考えるべきだろう。

 

そこで問題は,安倍政権が今回の騒動の着地点をどこに置いているかである。

 

安倍政権には,愚策とわかっていながら,いったん決めたことについては,撤回を考慮することなく,前に進んでいってしまう硬直性がある。

 

米国が説得すれば,事態はたやすく収束に向かうだろうが,その米国も中国と貿易戦争の最中ときているので,この問題の仲介役としては不適である。事実,先日のポンペオ仲介は,不発に終わっている。

 

安倍政権が年末の解散総選挙を目論んでいるとすれば,あまり考えたくはないのだが,今回の騒動を意図的にずるずる引き延ばす可能性がある。

 

そのことは,沈没寸前の文政権側から見ても,日本叩きの材料が図らずも継続提供されることになるので,悪い話ではないともいえる。

 

いずれにせよ,今回の輸出規制問題が,日韓ともに,国民不在の政争の具に利用されていることだけは確かである。




今さらだが安倍晋三氏には覚悟も責任感もないのが問題だ 

2019年7月31日




 

 

米国が,ボルトンを日本によこしてまで有志連合軍への参加を求めてきたということは,安倍政権にとってはかなりの圧力になっていると思われる。

 

以前私は,本ブログで,最終的に日本は参加を見送ることを決めて,米国はそれを許容するのではと憶測した。

 

また,取引材料として,日本が貿易交渉で米国に大幅譲歩する条件で参加見送りを取り付ける可能性があることを指摘した。

 

今後の貿易交渉は,まず8月1,2日に,米ワシントンで貿易交渉の閣僚協議を行われ,9月末の国連総会に合わせた安倍総理・トランプ会談で結論が公表される予定となっている。

 

有志連合不参加と貿易交渉での大幅譲歩をバーターにするという私の憶測は今も変わっていない。

 

貿易交渉の不都合な結論は,忖度メディアを通じてごまかしがきくが,有志連合のほうは,仮に参加検討となると,国会での議論が必要になってくるので,政府に厳しい対応が迫られることになる。

 

衆院選を前に,安倍政権はなるべくリスクを犯したくないと思っているはずだ

 

自衛隊派遣で仮に死者が出たら,年内の衆院選はありえなくなり,そうなると来年のオリンピック後の解散ということになるだろうが,半年程度間が空いたところで,死者の事実は,そう簡単に消えることはないだろう。

 

そうなれば,ただでさえ,死に体の安倍内閣である。衆院選での大幅議席減は避けられなくなる。特に,公明党は今度こそ終わりである。

 

ところで,自衛隊は入隊するとき,「国を守るため生命を賭す」と誓約しているので,彼らは,行けと言われれば行くしかない。自衛隊員は死の覚悟を持って戦場に赴くことになる。

 

一方,戦地に足を踏み入れる,という行動は,自分が死ぬかもしれないという覚悟だけでなく,他人を殺す覚悟も持つ必要がある。こちらの覚悟の方が問題が大きいかもしれない。

 

米国では,経済的に困窮している貧困層が軍隊に入る。

 

海兵隊に入れば,大学進学の奨学金が得られるという特典に引かれて若者が入隊するケースが,新兵の85パーセントにも及ぶとされている。

 

入隊後,人を殺すことに対する心理的な障壁を除く教育が彼らに対して施される。

 

約3週間の訓練で,人を殺すことに抵抗感を持たない人間が作り上げられるという。

 

訓練後,3ヶ月の実践的訓練を積んで,彼らは,中東などの紛争地帯に送られる。

 

そもそも98パーセントの人間は,同種殺しの心理的抵抗感から人を簡単に殺せないと言われているが,

 

米軍は,心理学者や精神医学者の協力を得て,躊躇なく人を殺せるようになるプログラムを開発し,結果,見える敵への発砲率は,90パーセント以上にもなると言われている。

 

戦地から戻った彼らは,奨学金を得て大学に進学するが,卒業できるのは,約15パーセントに過ぎないという。

 

殺人マシーンに仕立て上げられた彼らは,高度な学問を学ぶ意欲を失ってしまうということなのか。

 

殺人マシーンに仕立て上げるプログラムは開発されても,まともな感覚だった元の状態に戻すプログラムは,今のところ開発されていない。

 

今の日本の自衛隊員はどうか。そもそも彼らは,殺人マシーンになるための訓練を受けているのかといえば,もちろん受けていない。

 

安倍与党が本気で自衛隊員を戦場に派遣するつもりなら,まず安倍氏が自衛隊員らに,殺人マシーンプログラムを受けさせることからはじめる必要があるが,

 

安倍氏が,日本の政治家らに,そこまでの意思決定をする本気度があるとは到底思えない。

 

有志連合参加は,集団的自衛権行使とは性質も場面状況も違うが,武器を持った自衛隊員が危険地帯で人を殺す状況に遭遇する可能性の高さだけは共通する。

 

安倍内閣が以上の点を踏まえた上で,それでも自衛隊を海外の危険地帯に送り込むと言うのなら,

 

北朝鮮がミサイルを飛ばしても,「米国と緊密に連携していく」(7月31日,首相官邸で記者団に対して)などと,無責任なことを言って逃げるのではなく,

 

不測の事態が起こることを十分想定した上で,日本が,安倍内閣が全責任を負う死の覚悟を持って,主体的に事を意思決定していく必要があるだろう。





 

吉本だけではない。中小企業ならどこでもやっている法的問題がある 

2019年7月27日

 


 

吉本興業関連の報道で,今指摘されている問題は,闇営業,吉本のコンプライアンス,政界との不適切な関係,の3点だが,

 

2点目のコンプライアンス面について言及したい。大小のメディアを問わず,法的に間違った報道が一部なされているので,まずそれを指摘したい。

 

そもそも吉本と芸人との契約は,労働契約なのか,業務委託契約なのかが問題である。

 

大崎会長は、「芸人、アーティスト、タレントとの契約は専属実演家契約。それを吉本の場合は口頭でやっている。民法上も、口頭で成立する」と述べている。

 

つまり,大崎氏は,労働契約ではなく,業務委託契約であると言っている。

 

これが事実なら,個人事業主の吉本芸人が闇営業なるものに手を染めていたとしても、契約内容にもよるが,会社に直接の全責任を問うのは難しい。

 

報道で伝えられている「パワハラ」云々は,業務委託契約で使う言葉ではない。この時点で,すでに各報道は誤っていることになる。

 

ところが,日本の芸能界事情に詳しいデ-ブスペクターが,ニューズウィークのインタビューで語ったところによると,

 

ギャラから何パーセントかを事務所が差し引いた額がタレントに支払われるという歩合制か、もしくはフラットな月給制だ。まだあまり売れていない人は月給が多いのだが、少し売れ始めると歩合になる。」

 

「例えば元アイドルが40代や60代になっても所属させたまま月給を払い続ける。つまり、恩返しとして一種の生活保護をしている。タレントにとっては失業保険になっている。」

 

とのことらしい,つまり,労働契約であることを示唆した語りとなっている。

 

こちらの方が事実なら,労働条件を書面で明示しない会社のやり方は,明らかに違法である。

 

そうなると,メディアで伝えられているパワハラの問題点が浮上してくることになってくるし,

 

会社に所属する従業員が,反社会勢力と営業行為を行っていたことになり,そのことを会社が知っていたのであれば,何らかの厳しい社会的処分を科されるのは当然ということになってくる。

 

大崎氏は会見で,「会社を通さない仕事は,僕が入社したときからあり,今もある」とも述べていたことから,

「従業員」が吉本に無断で,反社会勢力との仕事を行うことを,吉本は知りうる立場にあったことになる。

つまり,今回の一連の問題は,吉本に大きな法的ないし社会的責任があるものと言わざるを得ない。

仮に,業務委託契約と捉えても,今度は,下請法の書面交付義務違反や独禁法の優越的地位の濫用禁止違反の法的問題が出てくることから,

どう解釈しても,吉本は,法的責任を免れることなどできない。

吉本のような大企業でさえ,このようなアバウトな契約を何十年も常態的に続けていて,

しかもこれまで誰も訴えの申し立てをしない,公的機関も自発的に動く気配がない(それどころか安倍政権とズブズブの関係にある),という事実に,我々は驚く必要はない。

これが日本社会の現実だからである。違法,不法な状態が何年も続き,それをメディアが全く伝えない,国民も全く気が付かない,このような現象は,日本の部分社会のどこにでも起こっている。

今日のブログテーマが労働上の契約問題なので,この点に絞って述べていくが,

私が最近外国人から相談を受けるのは,バイトやパートの採用面接で,労働契約か,業務委託契約かの二者択一を会社が迫るケースの合法性についてである。

会社側からすれば,業務委託のほうが社会保険を負担しなくてすむし,「辞めてくれ」とも言いやすいので,業務委託を選択するように会社が誘導するケースが多いようである。

だが,どちらの契約によるかは,そもそも両者の話し合いや会社の判断で決まる事柄ではない。

会社が二者択一を迫るようなケースは,ほぼ100パーセント,本来は労働契約であると考えてよい。

本ブログは政治経済ブログなので,詳細は割愛するが,労働者側の事情で,社会保険を負担したくないなどの理由で,業務委託を結んだ方が都合のよい場合もあるだろう。

その場合は,契約書面で,たとえば,契約解除の条件を労働契約と同じようにするなどの特約条項を入れてもらうことが望ましい。

業務委託だと,有給休暇の概念はありえないが,この点も,有給という言葉を使うかどうかはともかく,できる限り労働契約に類似した契約内容を特約として盛り込むことが望まれる。

つまり,書面が重要になってくるということである。

この点,吉本のケースは,すべての契約が口頭によるというのだから,話にならない。

吉本に法的・社会的制裁が科されるべき時が来た,というべきである。




れいわ新選組の台頭から予測する今後の政局の行方 

2019年7月25日


 


 

 

 

今回の参院選は,安倍与党が過半数を制した。

 

自民党の改選議席は66で,当選したのが57人なので,9議席の減である。


他方公明党は,改選11から3増の14議席を得ており,非改選と合わせると,過去最多に並ぶ28議席となった。

 

言うまでもなく,国会を支配するのは,過半数を制した勢力である。その意味において,今回参院選の勝利者は,誰がなんと言おうと安倍与党なのである。

 

今回の選挙結果が意味するのは,日本人の70パーセント超を不幸に陥れる安倍与党が今後も続いていくということに他ならない。

 

3年前の参院選から,自民が比例で240万票,公明が100万票も票を減らした。

 

他方,「れいわ」は,230万票,「N国」は97万票を得た。

 

細かい分析は必要だが,この数字だけ見れば,前回自公に投票した無党派層340万人の票が,そのまま「れいわ」とN国に流れたと考えることもできる。

 

つまり,今回,主要野党,中でも立憲の票が意外に伸びなかったのは,この新興勢力に食われたからだと考えられるのである。

 

認めたくないが,今回,野党共闘を壊して安倍与党の過半数勝利をアシストした中心犯人は,れいわとN国だと考えざるをえない。

 

選挙区をみても,たとえば,東京は,れいわとN国の候補者がいなければ,立憲の候補者が自民党の武見敬三氏を倒して当選していたと思われる。

 

もちろん山本太郎氏も立花氏も,安倍与党候補をアシストしようなどという意図はなかっただろう。だが,今回は結果的にそうなってしまった。

 

れいわとN国,特にれいわの台頭は,主要野党にとって,今後難しい対応を迫られる結果となった。

 

山本氏は,次の国政選挙で100人超の候補者を立てて,更なる党勢拡大を目指すことを公言した。


今のところ,現主要野党への忖度が山本氏には見受けられない。

 

立憲の枝野代表は,れいわとの連携に前向きだが,山本氏がどの程度受け入れるのか。

 

この点が,立憲にとって,次の衆院選に向けた戦略上の最大ポイントになってくる。

 

立憲とれいわは主要政策がほぼ共通していることから,両者の連携は困難ではないと考えたいところだが,

 

仮に,山本氏が衆院選で,本当に候補者を100人も立てる準備を進めれば,政策の共有云々の問題以前に,そもそも選挙区の候補者調整が極めて難しいものとなってくる。

 

そこで,舵取り役として出てきそうなのが,山本氏のかつての師匠にあたる小沢一郎氏だが,今は,山本氏も枝野氏も,国民民主に合流した小沢の言うことなど聞く耳を持たないと思われる。

 

立憲を中心とする主要野党が,現時点で,次の衆院選に向けての必勝シナリオを描ける状況ではないことに疑いの余地はない。

 

故に,この状況で,年末に解散総選挙となると,野党が過半数を制するのは難しくなってくる。

 

このあたりを安倍官邸がどう読んでいるのか,これも現時点では推測が難しい。

 

すべては,枝野氏と山本氏の今後の動きにかかってくるものと思われる。 



 




選挙権を放棄した国民は安倍政権存続を望んだということである 

2019年7月22日




あたりまえのことだが,政治家の意思決定は,我々の日常生活,暮らしに直結していく。

 

候補者の提示する政策を吟味し,誰を,どの政党を選ぶべきかを決めるのは我々国民である。

 

つまり,選挙権の行使は,本来国民の最大関心事でなければならないはずなのである。

 

自分の生活に影響が出てくる行事なのに,大の大人が無関心であっていいはずがない。

 

今回の参院選の投票率は,半分にも満たなかった。

 

一方で,期日前投票は,1700万超で過去最多を記録した。

 

今の日本は,政治に関心がある者とそうでない者が極端に分かれているということなのかもしれない。

 

政治に関心があっても,投票に値する候補者がいないという理由で選挙権を放棄する国民もいる。

 

だが,自分の価値観を100パーセント体現している最適な候補者などそうそういるものではない。

 

現政権の政策に満足ならば,与党の誰にでも投票すればよい。比例区にも自公を書けばいい。

 

難しいことを考える必要はない。自分本位で,自分の利益だけを考えて支持者,支持政党を決めていけばよい。

 

所得税,法人税減税の穴埋めに使われているだけの消費税増税に納得し,


自分の家の隣にも原発が建てられることにも文句を言わず,海外での戦争行為を是認する政策に道理があると思うなら,与党自民党に投票すればいい。

 

創価学会員は,それらの政策をよしとする公明党に投票すればいいだろう。

 

だが,自公の政策に反対する国民は,別の投票行動を検討する必要がある。ただし,棄権だけはダメである。

 

国政選挙には最低投票率が設けられていないので,棄権行動をとれば,結局,現政権を追認したのと同じ結果になってしまうからである。

 

つまり,現政権に満足していない国民は,他に最適の候補者がいないという理由で,選挙権を棄権するべきではないということである。

 

現政権より多少マシ,かもしれないと思う政党,候補者に投票すればいいのである。

 

そのように考えれば,一応民主主義国家でありながら,国政選挙の投票率が5割を切るなどという異常事態は起こりえない。起こってはならない。

 

国民の無関心,低投票率を促したのは,テレビなどの大メディアである。テレビを見る者が少なくなってきたと言われて久しいが,現状,そんなことはない。

 

私からすれば,たとえば,大晦日のテレビ視聴率は異常である。昭和の時代ほどではないだろうが,なんだかんだ言って,日本人はテレビをよく見ている。

 

そして,そのテレビ情報に多くの国民が自覚症状なく汚染されている。安倍晋三氏が唯一賢いのは,テレビを利用した情報コントロールのうまさである。

 

日刊ゲンダイからの引用になるが,地上波のNHKと在京民放5社の参院選報道時間を調査したエム・データ社によると,

 

公示日の4日から15日までの選挙に関する放送時間は計23時間54分で、3年前に比べ6時間43分も減少したという。


特に「ニュース/報道」番組の減少が目立ち、全体で約3割減、民放に限っては約4割も減らしているという。

 

安倍与党は,北朝鮮のように,別に全国民から信任を得ようとしているわけではない。反対票を入れた者をみつけて拷問にかけようとも思ってはいない。

 

彼らの選挙戦術は,国民の5人に1人を味方につけて,半分の国民を3Sで無関心にするというものである。

 

実際,これで勝てるのだから,中国のように,反対している者を教化する必要は無いということである。

 

今のところ,安倍与党の戦術は成功している,今回自民は,議席減で単独過半数を割ったが,現状の流れで年末に衆院選が行われれば,出遅れるであろう野党は得票を伸ばせずに敗北を喫する可能性が高い。


だが,これ以上,安倍暴政を許せば,日本は本当にダメになる。そのことを微力ながら本ブログでこれからも主張していく。

 

ところで,現状,自公を倒して政権を担当できる能力がありそうな野党は立憲しかない。

 

立憲は,資金力に乏しいのがネックだが,カネのことは考えても仕方がない。これまで通り、タウンミーティングなどで支持層を拡大させていくべきである。

 

共産,社民との共闘だけでなく,今回議席を取った「れいわ」「N国」との連携も視野に入れて,衆院選に向けた準備を加速化させていくことが望まれる。




創価学会員は「れいわ」に,無党派層は「立憲」に投票を集中させよ 

2019年7月18日

 


 

公明党は,自衛隊が海外に出て米国とともに第三国に対して戦争する権利,いわゆる集団的自衛権を是認している。

 

公明党はHPトップで,「平和の党が金看板 地に足の着いた平和主義で与党をリード」と謳っているが,これは明らかなフェイクである。

 

彼らは,原発再稼動も消費税増税もTPPプラスもすべて賛成だが,これらはすべて既得権益側を擁護し,庶民の生活を破壊する愚策のオンパレードである。

 

LGBTの法的権利を認めないことも,山口代表が党首討論でその意思を表明していたが,

 

このような公明党を良識ある創価学会員が支持する理由はもはやないだろう。彼らの理念に近いのは,むしろ「れいわ新選組」の方ではないのか。

 

今回,「れいわ」から学会員が立候補しているのは偶然ではない。公称800万世帯超の学会員は,公明党支持を全面的にかなぐり捨て,「れいわ」に投票を集中させるべきである。

 

他方,無党派層は,立憲民主党に投票を集中させるべきである。

 

「オリーブの木」「N国党」「労働者党」の主張には共鳴するが,従来から述べてきているように,野党票が分散すれば自民の思うつぼである。

 

別段それら政党に悪気はないが,今回は引っ込んでてもらいたい。

 

共産党は,固定層の支持に尽力し,現有勢力の維持確保を目指すべきである。立憲との連合政権構想は,選挙後にじっくり考えればいいだろう。

 

幸福実現党については,彼らが主張する「宗教立国」がそもそも憲法違反であり,論外である。

 

外交について,彼らは「対中抑止を図るとともに、「自由・民主・信仰」の理念の下、中国や北朝鮮の民主化・自由化を促すための外交を展開します」(HPより引用)と主張しているが

 

一体何様のつもりなのか。このような上から目線の外交姿勢で,中国や北朝鮮がまともに相手にするわけがないだろう。

 

同党が読売と産経に広告を出して,朝日と毎日には出稿していない事実からもわかるように,彼らの正体は,自民の補完勢力であると憶測できる。

 

彼らはそのことを否定するだろうが,消費税増税反対以外の政策は自民と互換性があり,大して代わり映えしない。

 

朝堂院大覚氏のような知性派が彼らを支持しているというのは残念だが,


現段階ではうさんくささを払拭しきれておらず,大多数国民の支持に値する野党ではないといってよい。

 

最後に,国民民主党が支持に値しないことは言うまでもない。同党の批判は,これまで本ブログで何度も書いてきており,もう書き飽きたので,繰り返すのはやめにしたい。


さらにあえて言えば,繰り返す価値もない政党だということである。




ウソとハッタリの安倍与党に投票すれば庶民の生活は破壊されていく 

2019年7月15日

 


 

安倍総理は,14日の街頭演説会で,「この選挙で問われるのは、議論を進める政党を選ぶか全く審議すらしない政党を選ぶかだ」などとこれまでの主張を繰り返していたが,

 

ハナから憲法論議などまともにやる気がないくせに,ハッタリだけは相変わらず一丁前である。

 

ハッタリでないというなら,選挙後でいいから,まずは,立憲の枝野代表とガチンコで,憲法の公開討論を2,3時間位やってみろといいたい。

 

斎藤貴男氏の「ルポ 改憲潮流 」(岩波新書)の中で,憲法学者の小林節氏は,枝野氏の憲法知見を絶賛している。

 

著書は13年前(2006年)のものだが,小林氏によれば,弁護士資格を有する国会議員の中でも,枝野氏の憲法への造詣の深さは,かなりのものだったらしい。

 

対照的に,二重の基準の理論も法の支配の意味も未だに理解しているとは思えない安倍氏が,正面から枝野氏に憲法論議を挑むとすれば,見世物としては実に面白くなるはずである。

 

ぜひ実現させてほしいと願う。できればNHKで生放送をしていただきたい。政権広報機関と揶揄されるNHKにとっては,汚名返上のチャンスとなるだろう。

 

だが,それが実現することはありえない。あべさまのNHKが,あべさまを晒し者にするようなバカをするはずがないからである。

 

そのあべさまだが,先週は,ウソまみれの街頭演説で忙しい日々を送っていたようである。

 

安倍氏は,「年金積立金の運用益はこの6年で44兆円増えました。民主党政権時代の10倍です」と胸を張っていたが,事実に反する。

 

10兆円には,2012年末の民主党政権時の運用益もカウントされているから,10倍は誇大であり,4倍が実情である。一方で,昨年末3ヶ月間だけで14兆円損失したことも触れるべきである。

 

今年に入って運用益が上昇したのは,米国株が堅調だからにすぎない。GPIFの株式の運用割合を減らさない限り,今後も兆単位の損失が出る可能性があることを国民に広く周知させるべきである。

 

また,安倍氏は,経済成長によって,今年4月に年金額が0,1パーセント増加させることができた旨述べているが,

 

物価上昇率が1パーセント(総務省発表)ということは,実質的にはマイナス0,9パーセントと計算すべきであるから,増加どころか実際には減っているというのが真実である。

 

「有効求人倍率が史上初めて1倍を超えた」とも言っているが,

 

求人が増えているのは,警備,建設,介護,飲食などで,どれも離職率が高く,今後も高い求人倍率が予想される職種ばかりというのが実情である。


他方で,離職率が低い「事務的労働」は0,5倍以下となっている。

 

「6年で雇用は380万人、正規雇用も、130万人以上増えた」「だから年金の支え手が増えた」旨言っているが,

 

増加した380万人の内,70パーセントは65歳以上なので,「年金の支え手が増えた」との言い分は実情に合わない。

 

また,20パーセントが高校生・大学生などの学生アルバイトというのでは,「雇用者数が増加した」などと胸を張って言えることではないだろう。

 

新卒の就職率が堅調なのは確かだが,これは団塊世代の引退と若年労働力人口の減少が重なった結果にすぎず,安倍政権の政策とは何の関係もない。

 

「6年連続で,今世紀最高の賃上げが実現した」とも言っているようだが,

 

事実に反する。6年間の実質賃金の平均賃上げ率は,1,1パーセントであり,民主党政権下の2,59パーセントを下回っているというのが真実である。

 

しかもこの1,1パーセントも,統計偽造してこの数字である。偽造なしならマイナス0,6パーセントであることを多くの識者が指摘している。

 

「今世紀史上最高」の大ウソつきまくりの安倍政権を信じれば,我々庶民の生活は確実に破壊されていく。


ゆえに,7月21日は,間違ってもこの大嘘つきの安倍与党に投票すべきではない。




兆単位の献上金では済まなくなってきた対米従属日本の運命 

2019年7月12日



 

韓国がF-35Aステルス戦闘機を導入したことを北朝鮮メディアが激しく非難している。

 

日本も,2017年衆院選の再現よろしく,「朝鮮半島の脅威」とやらを煽って,北朝鮮に同調して韓国を非難すれば喜劇だが,


日本政府は不問に付しているようだ。日本も同型のものを100機以上購入しているのだから,えらそうに非難できる立場にはないということか。

 

それとも韓国とのいざこざは,とりあえず現在進行中の半導体輸出規制のすったもんだで十分だということなのか。

 

12日に行われた両国政府の事務方レベルの話し合いについて,メディアは双方の見解は隔たりが大きく、対立が長期化する可能性がある。」と対決姿勢を煽っているが,

 

「対立が長期化」する可能性はないだろう。今回のゴタゴタは,安倍政権が,情勢不利な選挙から国民の目を遠ざけるためのパフォーマンスとみるべきである。

 

ゆえに,選挙が終われば,適当なところで日本は妥協するだろうと思われる。

 

それよりも妥協で事態打開が図れるのか不透明なのが,イラン情勢をめぐる日米関係である。

 

9日,米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長が,ホルムズ海峡護衛の有志連合を結成する考えを示し,

 

これを受けて,11日に米国務省のスティルウェル次官補が来日して中東情勢などについて日本側と協議する考えを明らかにした。

 

1年半前から本ブログで何度か指摘してきたことが現実のものとなりつつある。

 

本ブログでは,日本の集団的自衛権行使は,近いうち,イランかウクライナ地域になると予測していたが,その通りになろうとしている。

 

集団的自衛権の定義を確認すると,日本が米国と一緒になって,第三国に戦争をしに行く権利,ということになるが,


日米の力関係と安倍対米従属路線の現状を考えれば,集団的自衛権は「権利」ではなく,出動は「義務」になる。現状,国会の歯止めなど全く機能しないことは言うまでもない。

 

話が脱線するが,公明党は,この考えを是認している。その考え自体を非難するつもりはない。彼らには彼らなりの考えがあるからである。

 

だが,このような考えは,学会員の思想とは真っ向から相反するものである。

 

私にも学会員の知人が数人おり,政策について議論することがあるが,彼ら知人らの理念と今の公明党の姿勢は明らかに齟齬を来たしている。

 

すべての学会員は,公明党支持を断念すべき時期が今到来したことを早く悟ってほしい。

 

話を戻すが,今回仮に,米国が日本に有志連合参加を命じてきた場合,一体この先どうなるか。

 

この点について,予測しているメディアも識者も現時点ではないようなので,私が真っ先に予測したい。

 

結論から言えば,日本は有志連合に参加することはないと考える。すなわち,米国からの参加要請の話はないだろう。

 

だが,不参加の見返りに,日本はこれまで以上に多額のカネを差し出すことになる。

 

自動車・農産物の関税撤廃

パレスティナ復興金(クシュナーいわく,最低5兆円)

武器購入

その他諸々の負担金援助

 

これらの総額がこの先どれほど膨れ上がっていくのか,全く想像がつかない。おそらく10兆,20兆ではすまなくなるだろう。

 

他方,日本の経済的見返りはもちろんゼロである。

 

有志連合参加の問題を含めて,安倍与党にとって,すべての不都合な結論が参院選後に持ち越されることになるというのは歯痒いが,

 

安倍政権が存続することで,日本では水面下で恐ろしい事態が進行していることを我々は認識しておく必要がある。








いよいよ安倍与党による枝野バッシングが本格化してきた 

2019年7月8日




参院選の選挙応援演説で,安倍晋三氏が立憲民主党の枝野代表を「民主党の枝野さん」と呼んだ上で,繰り返し同党を攻撃しているようである。

 

朝日新聞によると,4日と7日の2日間だけで,8箇所の街頭演説でその旨の発言があったとのことである。

 

このことについて,枝野氏は,8日の会見で,「選挙妨害に当たる」と激怒していたが,相変わらず批判の表現が上品過ぎる。

 

そのような抗議もいいが,たとえば,続けて,「選挙遊説先を国民に隠して,自分の支持者だけを集めて,こそこそと人の悪口を言うというのは,偽造,ねつ造,隠蔽,嘘八百が鉄板の安倍さんらしいですね」

 

などと応酬すればいいのである。

 

このような発言をすれば,大小のメディアを問わず,大々的に報道されることになるだろう。

 

そうすれば,政治,選挙に無関心な国民もワイドショー(テレビ)に釘付けになり,ネットの動画も爆発的な再生回数を記録するに違いない。

 

ワイドショーも,枝野氏の発言動画を昼夜問わず面白半分に垂れ流して,コメンテーターとやらが,茶飲み話を視聴者に提供してくれるはずである。

 

だが,そのことによって,選挙戦の熱が自ずとヒートアップしてくるのであれば,望ましいことではある。

 

肝心なのは,パフォーマンスでもいいから,選挙に無関心な国民の関心を掘り起こすことである。


野党第一党党首の枝野氏の過激な発言は,政治的無関心層の興味をひきつけるのに大きな役割を果たすだろう。

 

立憲が躍進するには,無党派層(特に若者)にアピールして,投票率をアップさせることが重要になってくることは,これまで何度も指摘してきた通りである

 

支持基盤薄弱だった米国のトランプが大統領選に勝った要因のひとつに,選挙戦での過激な言動を求めることができる,


そのことによって,それまで選挙に関心を持たなかった有権者の注目度を一段と高めることができたのである。

 

ドイツの極右が,今なお無党派層の支持を拡大させている理由も,良し悪しは別として,その過激な言葉が注目を集めているからに他ならない。

 

ただ,何も極右やトランプやロシアのジリノフスキーを真似して過激にせまれ,というつもりはない。事を進めるには理性も重要である。

 

訴える政策がまっとうであることを前提に,しかし,選挙も一種の「お祭り」だと割り切って,国民の注目を集めるような言動も必要ではないか,ということを言いたいだけである。

 

「お祭り」には大勢参加してくれたほうがにぎわう。そのためには,対決姿勢を全面的に押し出した方が,国民の関心も高まるだろうし,


そうなれば,これまでの低投票率も自ずとアップして,まさに選挙はお祭り状態になってくるだろう。

 

立憲が躍進して安倍政権を倒すには,投票率アップの条件が不可欠であり,さらに,4割以上の無党派層の支持が欠かせないことは,これまで本ブログでも何度か述べてきた。

 

与党の公明党,野党の日本維新,幸福実現党らは,特定層からの支持票しか票を集められない。国民民主は,無党派層に支持される可能性など皆無であり,考慮に値しない。

 

つまり,これらの政党に無党派層が注目することは,およそ考えにくい。

 

山本太郎氏の「れいわ」は,それなりに票を集めて当選者も出すだろうが,そもそも候補者が少ないし,小世帯なので,大量得票を吸収するには至らないと思われる。共産党も現状維持が精一杯だろう。

 

そうなると,無党派層の票を最も集め,選挙後に安倍与党に,数の力で対抗できる可能性がある野党は,立憲しかないということになる。

 

安倍与党の狙いは,野党分断であり,立憲内部の分断である。

 

今後,「立憲の誰それが枝野氏に不満を持っている」といった,真偽不明の情報が官邸発でメディアに流布されることが予想される。

 

不満分子が云々というのは,三国志にも出てくるような,古今東西使い古されてきている古典的な分断統治の手法である。


だが,権力者のやることなど,有史以来,何も変わっていない。今後の選挙情勢しだいで,立憲への攻撃は激しさを増してくるものと思われる。

 

大事なことは,無党派層が,そのような権力者の行動原理を理解して,冷静な正しい投票行動を示すことである。




 

令和元年は安倍政権が終わる記念の年になる 

2019年7月4日

 




7月3日に行われた日本記者クラブ主催の党首討論会で,

 

与党公明党の山口氏が,原発再稼動に賛成との立場を明らかにした。

 

公明党HPで謳っている「原発に依存しない社会・原発ゼロ社会をめざします」は,完全なフェイクだということを公言したということである。

 

また,LGBTの法的権利を認めない立場であることも明らかにした。

 

れいわ新選組が,LGBTの候補者に加えて,現役創価学会員の候補者擁立を発表したが,創価学会員票をどこまで吸い上げられるか,興味深い。

 

そもそも公明党は,HPで,「平和の党が金看板 地に足の着いた平和主義」を謳っておきながら,

 

2014年に憲法解釈を変更した日本の集団的自衛権行使容認の閣議決定を受け入れた。この時点で,公明党は,どう言い訳しようが,党としての存在意義を完全に失ったといえる。

 

創価学会と各党員すべてを批判するつもりはないが,公明党を支持する創価学会員は万死に値する,というのが本ブログの立場である。

 

創価学会員は,党利党略で安倍政治に金魚のフンの如くぶらさがっているだけの,理念なき公明党に見切りをつけて,政策面で同調できる野党に投票行動を転向する姿勢を示すべきである。

 

今回の討論会で,参院選に臨む各野党の選挙戦略の一端が窺い知れたが,それについては後日述べることとして,

 

安倍総理は,党首討論で,増税も予定通りであるということを明言していたが,なぜ彼がこれほどまでに増税にこだわっているのか,謎としか言いようがない。

 

7月1日に発表された6月日銀短観は、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が前回3月から5ポイント下落し,2四半期連続の悪化で、これは2年9カ月ぶりの低水準となった。

 

また,同日に発表された内閣府の6月消費動向調査は、消費者心理を示す消費者態度指数(2人以上の世帯)が前月から0.7ポイント低下の38.7となった。


これは9カ月連続の悪化で、2014年11月以来4年7カ月ぶりの低水準である。

 

2014年と言えば,安倍氏が消費税率を3パーセント増税を断行した年だが,この年日本経済は深刻な不況に直面した。

 

今回発表された経済数値は,当時よりも悪化しており,現況で消費税10パーセントを断行すれば,過去の歴史を振り返れば明らかなように,日本経済に少なからず打撃が加えられることになるはずである。

 

そうなれば,その後に控えている衆院選への影響は避けられず,安倍氏悲願の憲法改正(改悪)は夢と終わる。

 

安倍氏の自民党総裁の任期は2021年9月末までだが,ちょうど衆院議員任期とほぼかぶるので,その前に衆院選を仕掛けることになるはずである。

 

仕掛けてくるとすれば,年内,すなわち,消費税増税による景気悪化データが表面化する前ではないだろうか。

 

具体的には,天皇の即位行事終了後の11月になる可能性があるが,仮にその流れで衆院選を決行した場合,安倍与党は参院選に続いて,衆院選でもそれなりに議席を減らす結果となるだろう。

 

来年はオリンピックの国威発揚を利用して,失政や疑惑を空気でうやむやにできるだろうが,年内は,政権浮揚の材料になるネタはない。

 

つまり,年内に衆院選が実施されれば,今年で安倍政権が終焉する可能性が高いということである。

 

オリンピック後の断行も否定できないが,すべては憲法改正実現のためのスケジュール次第ということになるだろう。

 

それにしても,今後の政権運営が困難になることが予測できる状況で,今回,なぜ安倍氏は増税にこだわっているのか,繰り返し述べるが,全くわからない。

 

だが,こだわってもらったほうが,安倍腐敗政権打倒を悲願する本ブログとしては願ったりなので,理由についてはこれ以上突っ込まないことにする。

 

ただ,増税が日本経済全体に,私自身の生活に深刻な影響を及ぼすことになることを考えれば,安倍政権を打倒したところで喜んでばかりはいられないことも確かである。



トランプと金正恩未満の信頼関係しか築けない安倍晋三 

2019年6月30日

 


 

6月29日配信のTBSニュースサイトによれば,サミット議長国の役割は、


「世界共通の課題について参加国に議論を促し、結束したメッセージを取りまとめること」らしい。

 

ところが,首脳宣言となる「大阪宣言」を読むと,

 

「○○を実現するよう努力する」

「○○の見直しが必要である」

「○○の重要性を強調する」

 

といった努力目標,スローガンばかりが並べられている。「結束したメッセージ」を取りまとめた形跡など微塵もない。

 

世界最大の関心事の米中貿易戦争は,トランプが追加関税を行わないと述べたことで,米国が一定の譲歩を示した形となったが,今回の会合で成果らしいものはこれだけである。

 

無論,このことが,議長国の舵取りの成果によるものではない,ということは言うまでもないだろう。

 

そうなると,今回,安倍総理は,結局何をやっていたのか。

 

イラン情勢の緊張緩和に向けた外交努力を促していたようだが,このテーマは,米国以外の首脳に働きかけて解決できる問題ではない。

 

29日,米軍は,カタールのアル・ウデイド空軍基地に,ステルス性能を持つ最新型戦闘機F22を派遣したとの声明や関連写真を発表している。

 

CNNによれば,今回の配備は,イランのS300などの防空ミサイル網を破壊するのが目的であるとのことである。

 

イラン情勢の緊張緩和は,米国に説示すべきテーマなのである。今回の米国の配備は,G20の最中に起こった。

 

トランプは,安倍の言葉などに全く聞く耳をもたないということなのだろう。これが現在の日米関係の現実である。

 

今回,トランプの娘婿で,大統領上級顧問のジャレッド・クシュナーも来日していたが,彼の狙いは,パレスチナを支援するための投資ファンドの設立資金を日本からせしめることにあると憶測する。

 

6月26日,クシュナーは,バーレーンの首都マナマを訪れ、米政府の「新中東和平案」の一環として、パレスチナ経済の発展に関する展望を語り、投資を募っている。

 

それに加えて,ヨルダン川西岸とガザ地区を結ぶ高速道路の建設事業の投資資金を募っており,最低でも日本円で5兆5千億円必要だとぶちまけている。

 

この米国主導の「復興事業」は,イスラエルべったりでユダヤ狂信教徒のクシュナーが関わっているということもあり,パレスチナの警戒心は半端ではないことから,中東周辺国から5兆円超もカネが集まるとはとても思えない。

 

そうなると,出番は,米国盲従の日本である。安倍晋三氏である。


クシュナーに言われるがままに,ほいほいカネを差し出すのは目に見えている。今回の彼の来日目的はおそらくこれであると思われる。

 

クシュナーは,今年5月30日に開催された,あのビルダーバーグ会議にも出席者として名を連ねており,とにかく胡散臭い男である。彼の動向は,日本にとっても要注意であると思われる。

 

話をトランプに戻すが,彼は30日,韓国と北朝鮮を隔てる非武装地帯を訪れ,板門店の軍事境界線を挟んで,金正恩と握手したうえで,軍事境界線を越えて北朝鮮側に入ったという。

 

トランプは,金正恩との首脳会談後に,

 

「きょうは大きな一歩だった。とても長い話し合いができ、前向きな一日となった」

 

「今すぐに金正恩書記長をホワイトハウスに招待したい」

 

などと語ったという。


NHKのニュースサイトは,「キム・ジョンウン(金正恩)委員長との関係をつなぎとめたいトランプ大統領の強い意向のあらわれと言えます。」と伝えているが,その通りだろう。

 

トランプは,以前,金正恩と恋に落ちた,と語っていたが,安倍氏とは恋に落ちていないのか。

 

トランプが金正恩について語る言葉と,安倍氏について語る言葉には雲泥の差がある。これはつまり,安倍氏との信頼関係の深度は,金正恩よりも下だということである。

 

つい1ヶ月前の,あの過剰接待も,何の成果もなかったということである。


安倍氏が日本の最高指導者であることを日本人として実に恥ずかしく思っているのは私だけではないことを願う。




トランプの妄言を口実に日本は喜んで日米安保を破棄すればいい 

2019年6月27日

 


 

「北朝鮮や中国の脅威があるのだから,日米安保の傘の下,米国に従属するのは仕方がない」

 

多くの日本人がこのように考えているのではないか。だが,この認識は誤りである。

 

6月26日,トランプは,FOXテレビの電話インタビューで,「もし日本が攻撃されたら、(日米安保があるから)米国は第三次世界大戦を戦う。あらゆる犠牲を払って戦う」

 

「しかし,米国が攻撃されても日本は助ける必要はない。ソニーのテレビで、攻撃されているのを見ていられる」と不満を述べたという。

 

菅官房長官は,「トランプ発言は米国政府の立場ではない」と言ったが,確かにその通りである。

 

「日本が攻撃されたら,米国は日本を守るために戦う」という前提認識がそもそもこれまでの米国政府の立場と相容れないし,日米安保を誤解した発言だからである。

 

多くの日本人もトランプ同様の誤解があると思われる。


そもそも在日米軍は,日本を守るために駐留しているわけではない。

 

この基本的すぎる事実は,すべての日本人が知っておかなくてはならない事柄である。以下,この点の話を簡単に整理したい。

 

日本は,中国,韓国,ロシアの3国との領土問題を抱えているが,以下では,便宜上,中国との尖閣諸島問題を素材として話を進めていく。

 

米国は,1970年代から先のオバマ大統領に至るまで,一貫して「尖閣諸島は日米安保の対象になる」と明言してきた。

 

米国は,「尖閣諸島が日本の施政下にある」と認めた上で,

 

日米安保条約5条の「日本の施政下に対して第三国が攻撃してきたときには,各々は自分の国への攻撃と認め,自国の憲法の規定と手続きに従って行動する」旨の規定を根拠に,


尖閣諸島は日米安保の対象になると述べてきた。

 

では,これを根拠に,たとえば,尖閣が中国に占拠された場合,米国は軍事行動をとるのか,というと,


米国は,一貫して「島の防衛は日本に責任があり,米国はそれを補助する」と明言している。

 

米国は,「我々はデッドラインをもっていない」とかねてから述べている。

 

デッドラインとは,尖閣の問題で言えば,「中国の行動がここを越えたら,米国は軍事行動を取る」という意味だが,


米国は,領有権問題に関してはどちらの側にもつかないことをこれまで何度も強調してきた。

 

この考えを推し進めたのが,2005年10月に,日本の外務・防衛の担当閣僚が署名した「日米同盟・未来のための変革と再編」という文書である。

 

その文書には,日米が各々行動するもの,米国がとる行動,日本がとる行動,とあり,「島の防衛は日本」と明記されている。

 

つまり,安保条約の対象になるということと,米国が軍事行動に出て日本を助けるという話は全く違うということなのである。

 

歴代の米政府高官が公言してきたように,在日米軍は,日本を守るためにおいているのではなく,米国領土を守るために,日本列島に基地を置いているに過ぎない。

 

政府高官に言われるまでもなく,このことは,地位協定に基づく密約からも明らかになっている。

 

日本人は,今回のトランプ発言を契機に,極端な米国依存の洗脳から解き放たれる必要があるといえる。




解散云々で振り回された大メディアと分析なき有識者たち 

2019年6月23日



結局,衆院解散はあるのかないのか。

 

党首討論で,安倍氏は「予測できない」と結論付けていたはずである。

 

ところが,NHKを筆頭とする大メディアのほとんどが,解散はない,と安倍氏が断言したかのように伝えていた。

 

明らかなフェイク報道である。

 

日本の大メディア報道の惨状がよくわかる一例である。

 

米国の場合は,大メディアを介さずに,トランプが自分の言葉でツィートするので,国民にストレートな情報が伝わりやすい。

 

トランプ自身が虚報を発信しているだろう,と言われればそれまでだが,それは別の次元の問題だ。

 

今の日本のメディアは,その米国どころか北朝鮮にも劣る。

 

朝鮮中央通信や労働新聞で発信される言葉は,内容の良し悪しはともかく,最高権力者の金正恩の言葉を正確に伝えているとされている。

 

それに対して,日本のメディアは,総理大臣が述べた党首討論の言葉すら正確に伝えることができない。これを北朝鮮以下と言わずして何と言おうか。

 

今回の解散云々で振り回されたのは,大メディアばかりではない。名の知れた評論家,学者の見立てもポイントがずれていた。

 

ここ2、3ヶ月間,政権幹部が解散の有無についていろいろ発言していたが,彼らのほぼ全員が「最後は安倍総理の判断による」との言葉で意見を締めくくっていた。

 

専門家の多くは,この言葉を前提にさまざまな分析をしていたが,ここに間違いがある。

 

安倍氏は形式上,日本の「最高権力者」であり,7条解散を自由に行使できる立場にいるが,(その良し悪しはともかくとして),実際のところ,彼が独断で何でもかんでも決めるわけではないし,決められるわけもない。

 

このことは,解散権行使に限らず,これまでの個々の政策を見ても明らかである。

 

小泉純一郎ならともかく,安倍氏が各方面との刷り合わせなく,解散権を独断で行使するなどということは,これまでの流れからいってもおよそ考えられない。

 

その辺りを情報分析していくのが専門家のはずだが,彼らの多くは政権幹部の発言を鵜呑みにして,安倍氏の胸の内ばかりを探ることに終始していたように思う。

 

仮に,今回安倍氏が衆参ダブルを政権内で1人声高に主張したところで,はねつけられて断念するのは目に見えている。理由は,年金問題の噴出である。

 

この問題をうやむやにしたままダブル選を行ったところで,与党に風が吹くことはない。

 

そうなれば,与党内からの安倍氏への激烈な非難は避けられない。つまりはそういう判断である。

 

ところで,主要野党が内閣不信任決議案を提出する意向を固めたようだが,これまでの流れで考えれば,立憲の枝野代表はあまり乗り気ではないと思われる。

 

枝野代表が独断専行で融通が利かない男のようにこきおろしている一部のメディアや識者がいるが,実際はそうでもない。

 

今回の不信任案提出の決断も本音は反対だろうが,外野がうるさいからしぶしぶ同調せざるをえなかった,というのが実情だと思われる。

 

そのことは彼のこれまでの言動から,「分析」できる事柄である。

 

そもそも独断専行で党をまとめていける力など,安倍氏や枝野氏にはない。

 

大メディアや専門家らには,基本的な前提事情の確認が求められる。






年金財政が破綻しているという事実の直視が重要である 

2019年6月19日

 


 

今週号の週刊ポストが,参院選後に政府が68歳年金支給開始年齢をぶち上げることを憶測し,

 

週刊現代は,70歳支給開始を政府が画策している,といった記事を掲載しているが,

 

それらの中身の真偽はともかく,これらの記事の前提となっているのは,年金財政がすでに破綻しているという事実である。

 

老後生活に最低2千万が必要なのか,それとも3千万以上なのかは,個人差がある話だから何ともいえないところがあるが,

 

確実なのは,今後,老後を年金収入だけで生きていくというのは,不可能な時代に突入するということである

 

6月18日付の日刊ゲンダイサイト記事によると,老後資金が不足するとされる貯蓄2000万円未満は,国民全体の3分の2を超えるとした上で,

 

金融ジャーナリストの小林佳樹氏が,これまで以上にギリギリまで節約を徹底し、少しでも貯蓄しようと考える(国民が多くなる)はずです。」

 

「この先、国民の消費マインドは冷え込み、消費大不況が訪れるかもしれません」と述べているが,確かにその可能性は高いだろう。

 

だが,安倍腐敗政権には何を警告しても無駄だと思われる。

 

6月の月例経済報告で,安倍政権は18日,「個人消費は持ち直しており、2012年12月からの景気拡大は続いている」との見方を示していたが,開いた口がふさがらない。

 

彼らはいつまでこのようなウソを平気でつきまくるつもりだろうか。この偽造,ねつ造,安倍晋三政権をなぜ40パーセント(最新の世論調査)の国民が支持しているのが七不思議である。

 

支持理由のひとつに,野党のふがいなさを指摘する識者は多いが,国会の論戦を見ていると,確かにその点は否めない。

 

事前に準備した質問はそれなりにこしらえてきてはいるが,答弁への突込みが甘すぎて迫力が全くない。そもそも上品過ぎるというか,与党と本気で戦う気がないように思えて仕方がない。

 

たとえば,18日の国会で,安倍氏が公的年金制度に関し、「積立金の運用益も(安倍政権下の)この6年間で44兆円プラスとなり、民主党政権時代の10倍増えている。」

 

「公的年金はより安心できる強固なものとなった」と述べていたが,これに対する突っ込みは皆無だった。

 

ここで,たとえば,「その積立金の運用益だが,昨年末の3ヶ月間だけで15兆円の損失を出している。今年上半期の損失の公表はまだなのか」

 

「3ヶ月で15兆円溶かしたんだから,今年の半年間だけで倍の30兆円の損失が出ているのではないか,いや,出ているはずだ。否定するならさっさと最新の資料を公表しろ」

 

「先ほど6年間で44兆円プラスで,民主党政権の10倍と述べられたが,現時点では44兆円がゼロ,いや,マイナスになっている可能性もあるのではないか」

 

「そうだとすれば,あなたが普段からよく言っている「悪夢」の民主党政権よりもマイナスになっているということになるのだから,今の与党政権は,「地獄」の安倍政権と命名されても文句は言えまい」

 

などと,皮肉とハッタリとユーモアで突っ込みを入れていくような余裕ある言動も時には必要であろう。

 

ところが,主要野党議員は,知的に上品ぶる者が多く,ケンカの仕方を知らない根性なしばかりである。これでは,やくざ体質の安倍一味に始めから勝てるわけがない。

 

とはいえ,この時期での年金問題の噴出は,敵失である。選挙前に野党がこれを利用しない手はない。

 

しかも,立場上,弁解の矢面に立っているのが,昨今いろいろと評判を落としている麻生太郎ときているのだから,これを徹底的に攻撃しない手はない。


が,今の野党にそれを期待するのは無理なことなのか。

 

「国民に対して「老後に備えて2千万円貯蓄しろ」と言っているが,年間の飲み代だけで2千万円以上も使っているあなたに言われたくない,とほとんどの国民が思っている」

 

ぐらいのことを言える野党議員が一人でも出てくれば国会も面白くなるのだが。

 

そもそも,国会論戦など,しょせん国民とメディア向けのパフォーマンスであり,答える与党はウソまみれときている。

 

本気で安倍政権を倒したいのなら,主要野党議員は,パフォーマンスを最大限活用して,与党と戦う姿勢を無党派層国民に示すべきである。






 

 

タンカー攻撃はイランの反政府組織を使った米国の自作自演の可能性 

2019年6月16日

 


 

結論から言えば,イラン沖のホルムズ海峡付近で起きた日本などのタンカー二隻を攻撃した黒幕は,米国である可能性が高い。

 

米国は13日,イランの「革命防衛隊」が,証拠隠滅のために不発の機雷を取り外しているとする録画映像を公開したが,これはやぶへびになってしまった。

 

今回の事件に米国が関与した状況証拠はいくつかあるが,ここでは1点だけ,公開映像の不自然さについて言及し,関与の証拠については後日の機会に譲りたいと思う。

 

CNNが米当局者から得た情報によると,撮影の画像は米MQ―9無人機から送られたとのことだが,


戦前の画像ではないかと見間違えるほど不鮮明なのはどうしたわけか。

 

米国の軍事技術は世界が度肝を抜くほど進歩しており,たとえば,昆虫を使ってウイルスをばら撒き,植物の遺伝子を操作してしまおうという試みがなされているという記事が昨年10月の米科学誌サイエンスに掲載された。

 

ここで昆虫兵器の開発は進歩の一例に過ぎないが,上空上のヘリのスコープで,地上の新聞紙が読み取れるほどの技術を持っている米国なら,革命防衛隊員の顔を鮮明に,それもカラーで撮影できたはずである,

 

だが,それをあえてしなかった(しているのかもしれないが)のは,鮮明な画像を公開すれば不都合な事情が露見してしまうからではないのか。

 

なお,6月15日付のAFP通信は,「米政府は(中略)低画質の映像を公開した。」と皮肉っているが,的を射た表現である。

 

先のCNNによると,米当局者いわく,タンカー攻撃の数時間前に,イラン側が上空を飛ぶ米無人機を発見し、地対空ミサイルを発射していたという。

 

だが,ミサイルは無人機に命中せず、海上に落下したらしい。

 

この情報を基にすれば,米国の無人偵察機は撃墜もされずに海峡上空を飛びまわっていたことになり,

 

革命防衛隊は,その無人機に撮影される(証拠を残す)のを承知の上で,爆弾をタンカーに取り付けたり,取り外していたことになる。

 

しかし,このようなバカなことはありえないだろう。

 

米国当局者はさらに、CNNに対して次のように述べている。

 

米MQ―9無人機は,イランの地対空発射攻撃に先立ち、イラン艇がタンカーに接近する様子を観察していたが,無人機がイラン艇による実際の攻撃の場面を確認したかどうかは明らかにしなかったという。

 

公開画像は,革命防衛隊が爆弾を「取り外している」姿であり,「取り付けている」画像ではない。

 

「取り付けている」画像も存在するはずである。それなのに,なぜ米国はそれを「明らかに」しないのか,きわめて不可解である。明らかにしてはまずい不都合な事実があるということである。

 

心霊写真やUFO画像が何故大多数の人間に信用されないのか。それは,それらの絵がすべて不鮮明だからである。

 

今回米国が公開した映像も,心霊写真やUFO画像の類となんら変わらない。


なぜあえてモノクロ,低画像にしたのか。この画像で信用しろといわれても説得力は全くない。

 

産経新聞によると,元革命防衛隊司令官の話として,今回の事件は,テロ組織,中でもイラン南東部の反政府組織「ジェイシ・アドリ」などが行ったのではと指摘していたが,同意見である。

 

画像に写っているのがイラン人ならおそらくそうだろう。あとは,革命防衛隊のニセ軍服(似たデザインでもいい)を調達すれば,すべて準備万端である。

 

彼らの後ろ盾は,もちろん米国である。IS(イスラム国)の実質的オーナーが米国であるのと同じ構図である可能性が高い。

 

反政府組織に武器や金銭を供与して,ターゲット国の体制転覆を謀るやり口は,米国の常套手段であるということを我々日本人は理解しておく必要がある。




参院選で安倍与党に打撃を与えることは十分可能だ 

2019年6月11日

 


 

 

昨日主要メディアが,「複数の政権幹部」の情報として,衆参ダブル選見送りとの見通しを伝えている。

 

理由は,政府・与党の支持率が安定しているからということらしい。

 

安倍政権下で,日本は経済も外交もガタガタになり,ここ数年何一つ成果を上げていない。

成果どころか,日本はあらゆる意味でますます悪くなってきている。

 

それなのに,朝日新聞の5月の全国世論調査(電話)でも,参院選での比例区の投票先が,自民37%、公明党6%で,主要野党の立憲民主党が12%、国民民主党3%など,与党優勢の数字が出ているという。

 

一体どういう調査をすればこのような結果になるのか。

 

国家統計をねつ造して,税金を我が物のように湯水の如く使い,うそ八百の繰り返しで国家を私物化しているのが安倍与党だというのに。

 

消費税増税,TPPプラスで庶民の生活を沈没させようとしているのが安倍与党だというのに。

 

公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は,昨年10~12月に14兆8千億円の損失を記録した。

 

安倍政権になって,株式への投資比率を半分にまで高めたことが損失額を拡大させたということである。


14兆超という数字は昨年3ヶ月間の統計だが,今年に入ってから,さらに損失が拡大している可能性が高い。

 

金融庁は,すでに年金財政の破綻を認めた。


安倍氏は,参院決算委員会で、老後2000万円必要になる,月に5万円の赤字になるとした報告書を「誤解を与えるものだった」と釈明していたが,

 

誤解というのは,正解が別にあるということ、注意して読まなければ誤った結論にたどり着く、ということである。

 

だが,報告書の言葉は具体的であり,「誤解」「誤読」が差し込む余地はない。厚労省は,5年に1度の年金財政の検証結果を参院選前に公表しなければならない。

 

厚労省が選挙前の公表を渋るようなら,主要野党は,「年金財政は破綻した」「安倍政権の圧力があった」とみなして,選挙戦を戦うべきである。

 

その際,GPIFの多額の損失は,安倍政権が招いたものであり,そのことが年金財政の破綻を加速化させていることを街頭演説で強調すべきである。

 

これにより,安倍与党は,年金世代にあたる60代以上の支持を失うことになる。

 

また,日米間の貿易交渉で密約が交わされているのではないかとの見方に対して,安倍氏は,案の定,「根拠がない」と否定したが,その言葉は,トランプのツィート内容が否定している。

 

「日本との貿易交渉で大きな進展があった。農産品と牛肉だ。7月の選挙の後に大きな数字を期待している」

 

 原文は,

 Great progress being made in our Trade Negotiations with Japan.  Agriculture and beef heavily in Play. Much will wait until after their July election where I anticipate big numbers!

 

である。これでは,農産物に限れば,大方の話はついていると解釈せざるを得ないだろう。

 

枝野代表の言葉を借りれば,「密約があったとの前提で選挙の争点にせざるを得ない」ということになるはずである。

これによって,自民は農民票の支持を失うことになる。

 

以上,主要野党は,年金と農業の問題に特化して選挙戦を戦うという戦術も考慮すべきである。


とはいえ,選挙戦までまだ時間がある。それまでに安倍与党に何か別の腐敗事案が起こる可能性もある。

 

はっきりしていることは,安倍与党には,政権浮揚の材料が全くないという事実である。

 

国民は,6月28日に開催される大阪G20サミット関連のNHK御用報道にごまかされないように注意する必要があるだろう。




安倍無能外交の集大成となる6月12日のイラン訪問 

2019年6月8日

 


 

 

6月12日から14日に予定されている安倍総理らのイラン訪問については,野党だけでなく,与党の一部からも,野党とは別の理由で疑問の声が上がっている。

 

一部の与党議員が疑問を呈している理由は,今回のイラン訪問が何の成果も上げられないことが明白だからである。

 

確かに,成果どころではないだろう。今回のイラン訪問は,これまでの安倍無能外交を象徴する記念碑的パフォーマンス外交に終わる事は間違いない。

 

5日付の日経新聞によると,今回の安倍一行のイラン訪問は,トランプに言われたからということらしい。そうだとすれば,安倍総理もあまり気乗りではないのかもしれない。

 

菅長官は6日の会見で、訪問の意義について,


「中東地域で緊張が高まる中、イランに首脳レベルで緊張緩和を働き掛け、地域の安定のための建設的な役割を果たすことは極めて重要だ」と意欲を語っていた。

 

一方,イランは今回の安倍一行の訪問に何を期待しているのか。

 

NHKのNEWS WEB中の「中東解体白書」は,内容のバランスを保つために,いろいろな意見を載せているが,核心部分は以下の箇所になる。引用すると,

 

「イラン国営メディアの記者は,


「安倍総理大臣には、“ゲーム・チェンジャー”となるような提案が必要だ」と話します。アメリカ側から制裁の緩和を含めた、何かしらの譲歩を引き出すことが重要だという意味です。」

 

「市民からも歓迎の声が聞かれます。テヘランの大学生の男性(22)は、「日本の仲介でアメリカとの関係が改善され、国民が望んできた経済状況がもたらされることを願っている」と話した。」(引用終了)

 

つまり,イランが日本に求めているのは,米国から自立した日本の具体的かつ目に見える経済支援の約束だということである。



安倍一行はこのことを頭に入れて叩き込んでおかなければならないが,日本政府は,このことが全くわかっていない。

 

同行予定の河野外相も,8日の記者会見で,


イランに対して、緊張緩和を働きかけるとともに、核合意の順守や地域の安定のための建設的な役割を求めていきたい」と述べていたが,

 

そもそも前提事実の理解が足りない。緊張緩和を働きかける,などと言っているが,緊張状態を作り出しているのは,米国の方であって,イランは米国に何も敵対行為をとっていない。

 

5月31日,国際原子力機関IAEA)は,イランが核合意を遵守していることを確認しており,イランの核関連活動についての報告書を関係国に配布しているはずである。

 

そもそも一度決めた合意内容を,後から難癖をつけて契約不履行を決め込んだのは米国のほうである。このような契約(約束)違反が認められてよいわけがない。

 

日本が政治的な緊張緩和云々を働きかけたいのなら,イランに対してではなく,米国に,トランプに対して行わなければならない。


先のトランプ訪日で,ゴルフ場で自撮りしたり,相撲を見せている場合ではなかったのである。

 

安倍や河野は,今回のイラン訪問では間違っても米国の仲介役など担ってはならない。そのようなことをすれば,イラン側を激怒させるだけである。

 

イスラム指導者と真の信頼関係を築くには,イスラムの教えについての理解が不可欠である。

 

 その意味において,不勉強な安倍や河野ではイスラム指導者との深い信頼関係を築くことなどはじめから無理である。相撲やゴルフの歓待では,彼らと友情を築くことはできない。

 

安倍総理が会談を予定しているハメネイ師は,6月5日の演説で,次のように語っている。

 

「現代のイスラム世界の諸問題の解決は、聖典コーランに立ち返ることにある。知識階級やイスラム学者らは、この願望の実現に向けて、さらに大きな責務を担っている」と。

 

イスラム教の聖典コーラン「第5章32節」には,

 

(前略)人を1人殺した者は(中略),全人類を殺したのと同じである。人一人の命を救う者は,全人類の生命を救ったのと同じである」とある。

 

イスラム国などの存在がイスラム世界に対する印象を悪くしているが,ISはただのテロ集団であり,本来イスラムとは何の関係もない。

 

本当のイスラム教徒は,平和主義的である。少なくとも米国人や無神論者の多い日本人よりは。

 

だが,彼らは,外からの侵入者に対しては,イスラムの教えに関係なく,徹底的な反撃を試みる。対米従属の日本の政治家は,このことを頭に入れておく必要があるだろう。




安倍政権を粉砕するには無党派層の支持が不可欠 

2019年6月2日

 


 

 

6月に入ってから,立憲の枝野代表がメディアや街頭演説などで,

 

「日本政府が,環太平洋連携協定(TPP)以上に,農産物などでトランプ大統領に譲歩したことは明らかである」

 

「違うなら米政府に明確な形で否定しなければならない。それがない以上、密約があったとの前提で選挙の争点にせざるを得ない」と強調しているが,

 

これこそまさに当ブログが一昨年から求めていた言い回しである。

 

安倍政権が磐石なのは,野党がだらしないからだとよく耳にするが,私は言われているほど野党が脆弱だとは思っていない。

 

野党がだらしなく見える理由のひとつは,彼らが発する言葉が弱いからだと思っている。

 

これまでの野党なら,

 

「トランプ大統領に譲歩した可能性が高い」「疑いがある」「米政府と密約があった可能性が高い」

 

といった類の言い回しで終わっていただろう。だが,このようなゆるい言葉で攻め立てたところで,4割の無党派層の心には何も残らない。

 

だが,今回の枝野氏の言葉には今までとは違う力強さがあったと思う。今後もこのような力強い言葉を続けてほしいと願う。

 

選挙が近くなると,政権の意向で文春あたりが立憲を非難してくるだろうと以前予測したが,案の定,今発売中の文春が,具にもつかない枝野バッシング記事を掲載している。

 

文春は,時折,政権批判記事も載せているが,それはアリバイ作りであり,基本的には安倍政権に畏怖・忖度していると考えてよい。

 

今後も枝野氏には,有形無形のさまざまな攻撃が予想されるが,政治資金規正法違反や下半身スキャンダルの類でなければ致命傷にはならないだろう。

 

ところで,野党が安倍政権を攻撃する上で忘れてはならないのは,安倍氏が関わっている数々の疑惑である。中でも森友事件は無視してはならない。

 

これまで野党は,「安倍昭恵氏が事件に関わった可能性が高い」「疑いが濃い」といった調子で非難してきたが,こんないい回しではダメである。

 

森友側の要望を受けた昭恵氏は,秘書の谷査恵子氏に財務省との折衝を命じた。その結果,


土地評価額9億5600万円の国有地が,約8億円値引きされたのである。

 

なぜこれだけ値引きされたのかについて,5月30日の大阪地裁判決は,その根拠をやみに葬り去ってしまったが,

 

今や政権の走狗と化している日本の裁判所が何と言おうと,土地取引に昭恵氏が関わっていたことは,常識的に考えて「明らか」であることは言うまでもない。「可能性」のレベルをはるかに超えている。

 

野党は,今後の国政選挙に向けて,森友問題は昭恵氏が中心になって深く関わった事件であると決め付けた言い回しで安倍政権を非難すべきである。

 

「安倍総理は,自分や妻が関わっていたら,総理大臣も国会議員も辞めると言っていたが,妻の昭恵氏が関わっていることは明らかなのに,安倍さんはまだ辞めていない。彼は約束を守らない大嘘つきである」と。

 

そうなれば,菅義偉あたりが記者会見で,「証拠もないのに関わっているなどと決め付けて非難するとは何事か」と反論してくるだろう。

 

ならば,「だったら,昭恵氏の証人喚問を直ちに認めろ。それができないのなら,関わりがあったとの前提で選挙の争点にしていく」

 

という冒頭の枝野氏の言い回しを使って反撃すればいいだけのことである。

 

そのやり取りを無党派層がどう評価するかだが,


無党派層の多くは,潜在的に与党に懐疑的であることから,彼らは最終的に野党の言い分に軍配を上げるのではないかと思う。




自民党広報機関のNHKは犯罪報道も最低最悪である 

2019年5月31日

 


 

前々回の当ブログで,安倍晋三氏は,結局米国に4兆9000億円を差し出すことになるだろうと予測したが,


武器購入だけで,すでに兆単位の支出になっていることが伝えられている。

 

これに後日の関税の損失や投資額を加えると,最終的には,当ブログの予測以上の献上金(日本国民の税金)が安倍内閣からトランプ政権に渡ることになると思われる。

 

それでいて,日本国民へのリターンは,ゼロである。ゼロどころか,消費税増税と保険料の値上げで,国民に対して,さらなる支出を課してくるというのであれば,国民の財布はマイナスとなる。

 

今の安倍内閣は,どのようなデタラメをやっても支持率が落ちないので,安倍氏も笑いが止まらないと思われる。

 

支持率が落ちるどころか,たとえば,今回のトランプ接待を非難どころか,擁護している著名人もいる。

 

脳科学者の茂木健一郎氏がツイッターで,

 

「トランプさんの大相撲観戦は成功だった、安倍さん、その点についてはよくやった、しかし日本の未来を考える政策は全く別の話で、それは冷静に精緻に考えましょうというのがあるべき有権者の姿だと思う」

 

とつぶやいている。

 

だが,事はそれほど単純ではない。

 

たとえば,トランプの訪日前に来日していたライトハイザー米通商代表部(USTR)代表とボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官は,トランプ離日の28日まで行動を共にしていたが,

 

彼らを5日間も日本に留めておく理由など全くないだろう。彼らがその間の費用を自腹で負担しているならともかく,そうではないはずである。


飲み食い代も含めて,請求書先は日本政府であり,その原資は言うまでもなく日本国民の税金である。

 

このような事情を大メディア筆頭のNHKは伝えていない。伝えていないから国民の多くは知らない。知らないから安倍政権を正しく評価することができない。そのことが高支持率につながっているといえる。

 

冷静に見れば,今回のトランプ一行への接待は,上記のように事実を細切れに分析して血税の支出云々を度外視しても,演出として全体的に過剰であったことは明らかである。

 

それを擁護・賞賛する感覚というのは,当事者意識がよほど鈍っているか,彼もしょせん安倍政権の御用言論人かのどちらかということになる。

 

ただ,大メディアが今の日本の正確な動向,安倍政権の真実を日ごろ正確に伝えているのであれば,茂木氏の言い分は正論となりうる。

 

だが,現状は,自民党広報機関と化しているNHKを筆頭に,すべての大メディア(テレビ)はそうでないのだから,やはり彼の言い分は支持できないということになる。

 

NHKの報道は,真実を伝えないだけが問題なのではない。法的にも道義的にも改善すべき点が多すぎる。

 

5月28日に発生した川崎市の包丁襲撃事件の報道を例に取ると,

 

死亡した39歳男性が外務省職員で優秀だったとか,11歳の小学生女子が元気な挨拶をする子だったとか,少数の周囲の者たちから取材したと思われる内容を延々と報道していたが,

 

そもそも被害者が生前どのような人物だったかなど,ニュースとしてはどうでもいいことである。

 

被害者が生前,善人だったか,否,周囲から蛇蝎の如く忌み嫌われていた人間であったかなど,なぜそれが事件当日の報道で強調されるのか理解できない。

 

肝心なことは,人が2人殺害されたという事実である。

 

被害者が生前,善人だったか,悪人だったかは関係ない。

 

亡くなった人の命の価値に変わりはないからである。


被害者の素性などは週刊誌やワイドショーに任せておけばいい。そのようなことは,受信料を強制的に搾取する公共放送機関が垂れ流すような話ではない。

 

NHKは,被害者報道も醜いが,加害者報道はさらに醜いといえる。

 

事件当日の5月28日のニュース7で,NHKは「加害者の中学校の同級生だった者」の言葉をそのまま垂れ流していた。

 

その男性は,加害者と同じクラスになったことはなかった,と前置きした上で,

 

「学校に頻繁に遅刻してきていて、規則を守らない人だという印象があった。」

 

「問題行動が多く、同じクラスの人が迷惑しているという話も聞いたことがある。

 

「顔を合わせると薄ら笑いを浮かべてきて、友達になりたいとは思えない雰囲気があった。」

 

「今回、事件を起こしたと聞いても、特には驚かなかった」

 

と話していたという。これを事件当日のニュースで流しているのである。

 

だが,聖人君子は別として,どんな人間でも100人中100人に周囲に好かれている(いた)評判のよい人間など,そうそういるものではない。

 

それなのに,たった1人の証言を元に,しかもニュースでは「中学校の同級生だった男性」と紹介していたが,男性は「同じクラスになったことはなかったが」と前置きしている。

 

一体どっちなんだ,ということになるが,そもそも何故この段階で,公共放送のメディアが,ニュースで加害者の人格攻撃,言い換えれば,名誉毀損もしくは侮辱罪相当の酷評に及ばなければならないのか。

 

加害者は事件後に自死しているので,不起訴処分になると思われるが,仮に生きていて,無罪になったらどう責任を取るのか。

 

加害者が行為当時,心神喪失状態であったと認定されれば,無罪になった可能性もある。

そうなれば,NHKの報道は,加害者から名誉毀損で訴えられてもおかしくない。

 

ただ,本件は,リュックサックにも包丁数本を忍ばせていた計画的犯行のようなので,心神喪失による無罪の主張は結論として厳しいが,

 

ただ,それは事後的な法的評価の話であり,繰り返すが,事件当日の公共放送のニュースで,たった一人の証言を元に,加害者の名誉を毀損するような報道をしてもいいという理由にはならない。

 

さらにいえば,NHKが最悪なのは,容疑者の社会的立場で報道姿勢を変えている点である。

 

昨年2月に発生したトヨタ自動車による暴走殺害事件

 

今年4月に発生したトヨタ自動車による暴走殺害事件

 

は,弁解の余地がない悲惨な事件だった。事件当時,自動車の構造に問題があったとも指摘されていたが,NHKは,加害者を含めて,それらをすべてうやむやにしている。

 

理由は明確である。いずれの事件もトヨタという,政権との関係が深い大企業が関わっていること,

 

前者の容疑者が,元経産省キャリアで,現在株式会社クボタ副社長,

 

後者の容疑者が,元高検検事長で,現在弁護士

 

と,いずれも社会的地位の高い者たちが関わっている事件だったから,である。

 

受信料を強制搾取し,公共放送を自称するメディアが,このような公正さを欠いた報道を日々平然と行っている事実を国民は認識しておかなければならないだろう。